いじめ2割近く、万引きやバイク・自転車の盗難1割強…見聞きしている少年非行の実情は

2015/10/16 08:15

先行記事【「少年重大事件は増えている」と思う人は昔から多かったのか】などで内閣府が2015年9月24日に発表した世論調査を元に、少年(14歳から19歳までの少年・少女)による犯罪行為などに関して、世間一般の人達はどのような認識を示しているのかに関し、多数の人は「増加している」と考えていることを確認した。それでは大人たちはどのような少年非行を新聞やテレビなどではなく、実際に身の回りの問題として認識しているのだろうか。その実情を確認していく(【少年非行に関する世論調査(平成27年7月調査)】)。

スポンサードリンク


今調査の調査要項は先行記事【79%は「5年前と比べて少年重大事件は増えている」と思っている】と思っている」を参照のこと。

次に示すのは新聞やテレビで見聞きした事案ではなく、実際に回答者自身の周囲で発生し、問題となっている少年非行(犯罪以外に喫煙や飲酒、深夜はいかいなどの不良行為も含む)について答えてもらったもの。例えば「いじめ」は19.1%とあるので、回答者がいじめ事案であると判断できる状況に関して、19.1%の人が身の回りで発生したのを認識していることになる。この「身の周り」は特に定義が無いが、常識的に考えれば自身の家族や近所、子供が通う学校や塾などと見れば良いだろう。

↑ 実際に身の回りで起こり問題となっている少年非行(複数回答、2015年7月)
↑ 実際に身の回りで起こり問題となっている少年非行(複数回答、2015年7月)

もっとも多い事案は「いじめ」。全体では2割近く。具体的な用件までは定義されておらず、多彩な状況が推測できるが、いじめだと思える事象が身近で起きている人はそれだけ多数に及んでいることになる。

次いで多いのは万引き。それに続くバイクや自転車などの窃盗も実質的には同じ部類に属するが、双方共に高い値。またささいなことへの暴力行為も高めに出ているのが気になるところ。高齢者を狙った詐欺やバイク・自転車などを利用したひったくりも1割近くの値を示している(今件があくまでも「少年」非行であることに注意)。相手と直接対峙するタイプの非行行為も、発生事例は比較的多い。

他方、非行行為が増えている、非行行為の原因では無いかとの懸念が高いインターネットに絡んだ行為にあたる「掲示板に犯行予告や誹謗中傷の書き込みをするなどネット利用の非行」は7.9%でしかない。実体感している事案は少数でも、強い懸念が生じている点は、インターネットに関する少年非行の特徴である。

男女別では物理的な暴力行為では大よそ男性、それ以外の非行では女性の方が高回答率を示している。女性は概して男性よりも子供と接する時間が長く、また子供の周辺に係わる情報収集にも積極的なことから、より細かい、そして幅広い事案にまで耳に入るのだろう。特に「いじめ」では男性との差はきわめて大きく、具体的に子供から子供自身、あるいはその友達のいじめ事案を耳にしているケースがあるものと思われる。

万引き、高齢者への詐欺、ネット上の非行は!?


これらの少年非行事案のうち、話題に登ることが多い「万引き」「高齢者を狙った詐欺」「掲示板に犯行予告や誹謗中傷の書き込みをするなどネット利用の非行」の3項目につき、詳しい属性別で状況を確認したのが次のグラフ。

↑ 実際に身の回りで起こり問題となっている少年非行(2015年7月、複数回答)(一部)
↑ 実際に身の回りで起こり問題となっている少年非行(2015年7月、複数回答)(一部)

万引き行為に関しては20代と50代で見聞きしている人が多い。また子供の有無では高校生の子供を持つ人で体験している人が多いが、同時に子供は居ないとする回答者でも高い値が示されている。

高齢者への詐欺行為では大きな差異は無い。20代が極端に低い程度。他方、インターネットを使った非行は、回答者年齢は40代、子供の学年は中学生から大学生に多い。通っている学校経由で伝わってくるのだろうか。一方で乳幼児の子供がいる人でも高い値が出ているのは気になるところ。子供がいない人の回答率は低いのも印象的。子供自身、あるいは学校経由で非行の情報が伝わっている実情が推測される。

過去と比べると……?


今調査に係わる複数の記事でも言及しているが、少年非行は実際には数、該当年齢階層の人口比共に減少を示している。ただし過去において存在しなかったタイプの非行は、当然ながら増加する傾向にある。その実情を再確認できるのが次のグラフ。類似調査となる前回の2011年における、同一項目の結果と今回の結果を併記したものだが(2011年時に存在しなかった項目の数字は空欄となっている)、大よその非行行為で「回答者自身の身の周りで起きている少年非行」は減少している。

↑ 実際に身の回りで起こり問題となっている少年非行(複数回答、2011年と2015年)
↑ 実際に身の回りで起こり問題となっている少年非行(複数回答、2011年と2015年)

「暴走行為」「刃物などを使った殺傷事件」「刃物類の持ち歩き」がやや増加しているのが気になるが、それ以外は大よそ減少。特に上位陣の盗難行為では大きな減少率が確認できる。

他方、上記でも触れた高齢者への詐欺やインターネット利用の非行は、2011年時点では調査対象項目に挙がっていなかったため、比較ができない。前者は高齢者の増加に伴い接する機会が増えている、後者はスマートフォンをはじめとした少年のネット利用の機会が増える状況にあることから、恐らくは増加しているものと考えられる。

とりわけインターネット周りの非行行為は、回答者の大人達の多くにとって、自身が子供だった時代は、非行の発生環境そのものが存在しなかった。大人になってからインターネットの存在を知り、使い馴染んではいるものの、子供時代における接触やそれを用いた非行は、自分との経験に重ねた上での想像が不可能である以上、難しいものとなる。子供におけるネット利用の非行を実態以上に増加していると認識するのも、仕方のない話かもしれない。


■関連記事:
【大人が認識する少年非行、トップは「いじめ」】
【インターネットを使う子供を持つ母親、「有害サイト対策」は5割強】
【子供にパソコンを使わせるメリット、そして不安なこととは】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー