定期預貯金は約6割、株などは14%…単身で働いている人達の貯蓄動向を探る(2015年)(最新)

2015/10/13 11:26

お金は物品やサービスなどの価値を数量化して保存できる道具であり、そのまま手元に置く他に、様々な形で専用の機関に預け入れ、財として積み増していくことができる。これを蓄財や貯蓄と呼んでいるが、一人暮らしの人は二人以上の家族生活をしている人と比べ、貯蓄により懸命にならねばならないとの話もある。何らかのトラブルが生じた際、頼りになる人、金銭面で生活を支えてくれる人がいないからだ。今回は総務省統計局が2015年9月30日に発表した【「2014年全国消費実態調査」】のうち【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】の公開値を元に、一人暮らしのうち勤労者の立場にある人における、貯蓄動向の詳細を確認していくことにする。

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ほとんどの人は何らの形で貯蓄をしている


今調査の調査要目は先行する記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】で確認のこと。今回対象となる属性は、単身世帯のうち世帯主=本人が勤労者である、具体的には会社、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている人。無職はもちろんだが、会社役員など、個人営業の人、自由業者も該当しない。

また貯蓄内容のうち「生命保険など」は養老保険をはじめとした積立型の保険を意味し、掛け捨ての保険は該当しない。「有価証券」は株式が主なものとなるが、他に投資信託、各種公社債も該当する。

まずは貯蓄、具体的には通貨性預貯金(普通預貯金)、定期性預貯金、生命保険など、有価証券、その他(金投資口座や共済組合など。内包されている要素が雑多になりすぎるので、今件では細部は取り扱わない)すべてを合わせた貯蓄スタイルに関して、いずれか一つでも行っている人の割合。ただしタンス預金は該当しない。また見方を変えれば今値に該当していない人は、一切の貯蓄を有していないことになる。

↑ 貯蓄保有率(2014年、単身勤労者世帯)
↑ 貯蓄保有率(2014年、単身勤労者世帯)

男性60代でややへこみがあるが、大よそ9割強が貯蓄を有している。若年層だから、高齢者なのでといった年齢階層別、あるいは男女別の違いは無い。男女差が1.3%ほどあるが、誤差の範囲。

これを主要区分別に、保有状況を精査したのが次のグラフ。

↑ 貯蓄保有率(2014年、単身勤労者世帯)(種類別、男性)
↑ 貯蓄保有率(2014年、単身勤労者世帯)(種類別、男性)

↑ 貯蓄保有率(2014年、単身勤労者世帯)(種類別、女性)
↑ 貯蓄保有率(2014年、単身勤労者世帯)(種類別、女性)

普通預貯金はどの属性も保有率が高く7割から8割強。ただし男性高齢層はいくぶん減少する傾向にある。それ以外の項目では男女別の差がはっきり出ており、例えば定期性預貯金では男性が大よそ同じ程度の貯蓄率を示している一方、女性は40代以降で極めて高い値(7割前後)を計上している。

貯蓄型の生命保険は男性ではあまり人気が無いが、女性は40代以降で厚め。他方リスク性が高い有価証券は、男性の方が概して高い値を示している。ただし女性も高齢層では高めで、むしろ男性よりも高い値となっている。「男女とも普通預金は『とりあえず』状態」「定期は男性そこそこ、女性は中堅層以降で傾注」「保険は女性中堅層が特に注目」「有価証券は男性の方が高いが、高齢層になると逆転する」など、男女間の貯蓄に対するスタンスの違いが見えてきて興味深い。

なお種類別の分散傾向だが、男性よりも女性、若年層よりも高齢層の方が分散度合いが大きい。余力、貯蓄できる余裕が出てくると、色々と分散できるようになるのが原因。

女性は特に40代以降、貯蓄に関する厚みが増しているのが一目瞭然。これは先行記事【一人暮らしの貯蓄・負債・純貯蓄高をグラフ化してみる】などでも解説の通り、単身女性は40代に至ると、住宅の購入などをはじめ、身を固める姿勢を強く見せるからに他ならない。有価証券の値も急に伸びており、そろばん勘定の上での人生のターニングポイントな感すら覚える。

保有者の平均額を算出する


以上は各貯蓄の保有割合。1円でも1億円でも該当する貯蓄を所有していれば所有者としてカウントされる。一方、公開値では保有していない人も含めた平均額が計上されている。そこで保有者率と平均額から、「保有者の」平均保有額を概算で算出したのが次のグラフ。男性は889万円、女性は922万円となっている。

↑ 概算の保有者による現在貯蓄保有高(2014年、単身勤労者世帯)(種類別、男性、万円)
↑ 概算の保有者による現在貯蓄保有高(2014年、単身勤労者世帯)(種類別、男性、万円)

↑ 概算の保有者による現在貯蓄保有高(2014年、単身勤労者世帯)(種類別、女性、万円)
↑ 概算の保有者による現在貯蓄保有高(2014年、単身勤労者世帯)(種類別、女性、万円)

男女とも30代未満の貯蓄の低さ、男性は30代までは女性よりも高い値を示しているが40代を過ぎると女性にかなわなくなる状況がうかがえる。また先行記事でも指摘しているが、中堅層以降は男性は通貨性、女性は定期性預貯金を好む傾向があるようだ。さらに有価証券では保有者率そのものは女性の方が低いものの、保有者における保有額は男女で変わらず、むしろ60代などは女性の方が高額を示しているのも確認できる。

今件はあくまでも単身者のうち勤労者による平均値で、無職の人や自由・自営業、役員の人までは含まれていない。とはいえ、単身世帯の貯蓄動向、とりわけ若年層や高齢層の懐事情の一端を知る上では大いに役立つに違いない。


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