一人身で働く若者のお財布事情を詳しくグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/10/11 14:11

人口構成比や就業構造の変化に伴い、社会的に軽んじられているとの認識が自他共に大きくなりつつある若年層。特に単身者(=未婚者)は比率そのものは増加していき影響力は増加する一方で、生活の苦しさはむしろ増大しているとの指摘もある。今回は総務省統計局が2015年9月30日に発表した【「2014年全国消費実態調査」】のうち【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】の公開値を元に、一人暮らしで働く若者世帯(30歳未満)における、平均的なライフスタイルの現状を、主にお金の面から確認していくことにする。

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持家率は1%未満、自動車保有率は4割台、住んでいる家は約13坪


今調査の調査要目は先行する記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参照のこと。また勤労者とは今調査においては世帯主が会社、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている人を意味する。そして単身世帯は当然当事者が世帯主。ただし世帯主が社長、取締役、理事など会社団体の役員である世帯は「勤労者以外の世帯」となる。また個人営業の人や自由業者、そして無職の人は勤労者には該当しない。

まずは住宅事情。

↑ 30歳未満・単身・勤労者世帯の居住状況(2014年)
↑ 30歳未満・単身・勤労者世帯の居住状況(2014年)

↑ 現住居の広さ(30歳未満・単身・勤労者)(2014年)
↑ 現住居の広さ(30歳未満・単身・勤労者)(2014年)

一人身で30歳未満の人ではさすがに持家暮らしをしている人はごく少数で、1割にも満たない。男性はまだ1割近く居るが、女性は1%にも届かない。無論男性の9.3%においても、ほとんどはローンを抱えている。また現在居住地の広さは大よそ40平方メートル強。坪に換算すると13坪ぐらい。一人暮らしならば面積的には相応のもの。

↑ 自動車保有比率(30歳未満・単身・勤労者)(2014年)
↑ 自動車保有比率(30歳未満・単身・勤労者)(2014年)

自動車の保有比率は4割強。具体的にどのような車種を有しているか、いかなる使い方をしているか、利用頻度までは今調査では確認できないが、他の世代と比べれば低い方になる(例えば男性30代では62.1%、男性全体平均では58.9%)。

一か月のお金のやりくりの中身


続いてお金のやりくりの内容。実収入(勤め先収入や事業収入、内職収入、財産収入、社会保障給付など実質的に資産の増加となる収入を集めた収入)と、実支出(税金や社会保険料などの支出を集めた「非消費支出」と、生活費を意味する「消費支出」、黒字(実収入から実支出を引いたもの)の合計)の内訳を、具体的金額と比率の面からそれぞれ見ていく。また、実収入から非消費支出を引いたものが可処分所得となるが、可処分所得における黒字の割合を黒字率と呼んでいる。

・実収入=勤め先収入+その他収入
・実支出=非消費支出+消費支出
・実収入=実支出+黒字
・可処分所得=実収入−非消費支出
・黒字=可処分所得−消費支出
   =実収入−(消費支出+非消費支出)
・勤め先収入+その他収入=非消費支出+消費支出+黒字
            =非消費支出+可処分所得

多分にややこしいがこのような構図となる。

まずは男性。

↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・男性)(2014年)(円)(一か月)
↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・男性)(2014年)(円)(一か月)

↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・男性)(2014年)(比率)(一か月)
↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・男性)(2014年)(比率)(一か月)

↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・男性)(2014年)(円)(支出のみ)(一か月)
↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・男性)(2014年)(円)(支出のみ)(一か月)

非消費支出は16.0%。住居費で14.2%、食費で13.6%と大きな割合を示し、交通・通品費も負担が大きい。とはいえ、食費も月に4万円には届かず、家賃も平均ではあるが4万円未満。医療費などは1000円強で済んでおり、教養娯楽には2万円強が費やされている。そして貯蓄などに回される黒字は7万5000円近く。

女性になると大きく様変わりを見せる。

↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・女性)(2014年)(円)(一か月)
↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・女性)(2014年)(円)(一か月)

↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・女性)(2014年)(比率)(一か月)
↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・女性)(2014年)(比率)(一か月)

↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・女性)(2014年)(円)(支出のみ)(一か月)
↑ 家計収支の構成(30歳未満・単身・勤労者・女性)(2014年)(円)(支出のみ)(一か月)

男性と比べて実収入額が低いため、やりくりも多少厳しいものとなる。食費は1万円近く下がるが、セキュリティなどを考慮するためか住居費は男性よりもむしろ上。光熱・水道費も高くなる。また、被服や履物なども男性より3000円以上高い。「その他の消費支出」額も男性よりかなり高めの額を示しているが、これは理美容サービス、美容品、身の回り用品などがかさんでいるため。結果として黒字額は男性と比べて5万円以上少なく、2万円強に留まってしまっている。

食料の内訳も男女では大きな違いが見えてくる。

↑ 家計支出における食料詳細(30歳未満・単身・勤労者・男女別)(2014年、円)(一か月)
↑ 家計支出における食料詳細(30歳未満・単身・勤労者・男女別)(2014年、円)(一か月)

男性の外食額が女性と比べて大きいのは、就業先の昼飯の事情によるもの。一人暮らし世帯で自前のお弁当を作り持参するのは、女性はともかく男性ではやや難儀なものとなる。

価格がそのまま量の多少を意味するわけではないが、男性は穀類、肉類、調理食品、飲料、酒類が多く、女性は魚介類、乳卵類、野菜・海藻、果物、調味料、菓子類が多い。男女それぞれの一人暮らしにおける食生活が垣間見れて興味深い。特に男性は調理食品が女性より2000円以上多く、中食に頼りがちな感はある。

貯金箱の中身は…?


最後は貯蓄状況。あくまでも平均額ではあるが、若年単身者の「貯金箱の中身」を把握できる。

↑ 貯蓄現在高詳細(30歳未満・単身・勤労者・男女別)(2014年、万円)
↑ 貯蓄現在高詳細(30歳未満・単身・勤労者・男女別)(2014年、万円)

男性は190万円、女性は150万円。男性の貯蓄の大半は普通預貯金で、定期や保険は少ないが、有価証券(株式など)はいくぶん多め。女性は貯蓄総額こそ男性と比べれば少ないものの、定期に60万円近くと男性の2倍に迫る額を有しており、生命保険なども男性より多い。男性と比べて女性はお金の上でのそろばん勘定に長けている感はある。



今件はあくまでも平均的な単身若年層世帯のお財布事情であり、実情はその立ち位置によって大きな違いを見せる。すべての単身若年者がこのような金銭事情にあるとは限らないことに留意が必要。

一方、晩婚化に伴い今後さらに増加するであろう若年単身者の実情を知る上で、よい指標となることに違いはあるまい。


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