貯蓄は男性162万円・女性196万円…一人身で働く若者のお財布事情の詳細(最新)

2021/08/31 03:19

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2021-0824人口構成比や就業構造の変化に伴い、社会的に軽んじられているとの認識が自他ともに大きくなりつつある若年層。特に単身者(=未婚者)は比率そのものは増加していき影響力は増加する一方で、生活の苦しさはむしろ増大しているとの指摘もある。今回は総務省統計局が2021年5月18日までに発表した【2019年全国家計構造調査】の公開値を基に、一人暮らしで働く若者世帯(29歳以下)における、平均的なライフスタイルの現状を、主にお金の面から確認していくことにする。

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一か月のお金のやりくりの中身


今調査の調査要目は先行記事【食費の割合が減り、家賃負担が増加…一人暮らしをする若者のお金の使い道の実情(最新)】を参照のこと。また勤労者とは今調査においては世帯主が会社、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている人を意味する。そして単身世帯は当然当事者が世帯主。ただし世帯主が社長、取締役、理事など会社団体の役員である世帯は「勤労者以外の世帯」となる。また個人営業の人や自由業者、そして無職の人は勤労者には該当しない。

まずはお金のやりくりの内容。実収入(勤め先収入や事業収入、内職収入、財産収入、社会保障給付など実質的に資産の増加となる収入を集めた収入)と、実支出(税金や社会保険料などの支出を集めた「非消費支出」と、生活費を意味する「消費支出」、黒字(実収入から実支出を引いたもの)の合計)の内訳を、具体的金額と比率の面からそれぞれ見ていく。また、実収入から非消費支出を引いたものが可処分所得となるが、可処分所得における黒字の割合を黒字率と呼んでいる。

・実収入=勤め先収入+その他収入
・実支出=非消費支出+消費支出
・実収入=実支出+黒字
・可処分所得=実収入−非消費支出
・黒字=可処分所得−消費支出
   =実収入−(消費支出+非消費支出)
・勤め先収入+その他収入=非消費支出+消費支出+黒字
            =非消費支出+可処分所得

ややこしいがこのような構図となる。

まずは男性。もちろんこれらは1か月あたりの値。

↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、男性、円)(2019年)
↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、男性、円)(2019年)

↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、男性、比率)(2019年)
↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、男性、比率)(2019年)

↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、男性、支出のみ、円)(2019年)
↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、男性、支出のみ、円)(2019年)

非消費支出は14.6%。食費で13.9%、住居費で13.8%と大きな割合を示し、交通・通品費も負担が大きい。とはいえ、食費も月に4万円には届かず、家賃も平均ではあるが4万円未満。医療費などは2000円強で済んでおり、教養娯楽には2万円近くが費やされている。そして貯蓄などに回される黒字は9万円近く。

女性になると大きく様変わりを見せる。

↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、女性、円)(2019年)
↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、女性、円)(2019年)

↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、女性、比率)(2019年)
↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、女性、比率)(2019年)

↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、女性、支出のみ、円)(2019年)
↑ 家計収支の構成(単身勤労者世帯、29歳以下、女性、支出のみ、円)(2019年)

男性と比べて実収入金額が低いため、やりくりも多少厳しいものとなる。食費は5千円強ほど下がるが、セキュリティなどを考慮するためか住居費は男性よりもむしろ上。光熱・水道費も高くなる。また、被服や履物なども男性と比べて2倍近く高い。「その他の消費支出」額も男性よりかなり高めの額を示しているが、これは理美容サービス、美容品、身の回り用品などがかさんでいるため。結果として黒字額は男性と比べて3万円以上少なく、5万円強にとどまってしまっている。

食料の内訳も男女では大きな違いが見えてくる。

↑ 家計支出における食料詳細(単身勤労者世帯、29歳以下、男女別、円)(2019年)
↑ 家計支出における食料詳細(単身勤労者世帯、29歳以下、男女別、円)(2019年)

男性の外食額が女性と比べて大きいのは、就業先の昼飯の事情によるもの。単身世帯で自前のお弁当を作り持参するのは、女性はともかく男性ではやや難儀なものとなる。

価格がそのまま量の多少を意味するわけではないが、男性は調理食品、飲料、酒類が多く、女性は穀類、魚介類、肉類、乳卵類、野菜・海藻、果物、油脂・調味料、菓子類が多い。男女それぞれの一人暮らしにおける食生活が垣間見れて興味深い。特に男性は調理食品が女性より1700円ほど多く、中食に頼りがちな感はある。

貯金箱の中身は…?


最後は貯蓄状況。あくまでも平均額ではあるが、若年単身者の「貯金箱の中身」を把握できる(ここでは金融資産を貯蓄と定義している)。

↑ 貯蓄現在高詳細(単身勤労者世帯、29歳以下、男女別、万円)(2019年)
↑ 貯蓄現在高詳細(単身勤労者世帯、29歳以下、男女別、万円)(2019年)

男性は161.9万円、女性は195.8万円。男性の貯蓄の多くは通貨性預貯金、つまり普通預貯金で、定期や保険は少ないが、有価証券(株式など)は多め。女性は貯蓄総額が男性と比べれば多く、中でも定期性預貯金が男性と比べて2倍以上なのが印象的。男性と比べて女性は、貯蓄の上では堅実で慎重な感はある。



今件はあくまでも平均的な若年単身勤労者世帯のお財布事情であり、実情はその立ち位置によって大きな違いを見せる。すべての若年単身勤労者世帯がこのような金銭事情にあるとは限らないことに留意が必要。

一方、晩婚化に伴い今後さらに増加するであろう若年単身者の実情を知る上で、よい指標となることに違いはあるまい。


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