一人暮らしの食生活、どこを頼りにしてきたか…過去15年間の食料の買い入れ先の移り変わりをグラフ化してみる

2010/10/18 12:00

総務省統計局は2010年9月30日、【「2009年全国消費実態調査」】のうち、【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】を発表した。一人暮らしをしている人の日常生活を、お金の視点から眺めることができる、貴重な資料・データが多数盛り込まれている。このデータ群の中から今回は、先に【一人暮らしの買物生活はどのような変化をしてきたか…過去15年間の買物先の移り変わりをグラフ化してみる】で示した「過去15年分も含めた都合4回分の、一人暮らしの買物先」の変化のうち、食料にスポットライトをあててその変移をグラフ化してみることにする。要は記事タイトルにもあるように、「一人暮らしの食生活における頼り所、食料の買い入れ先の変移」を眺めるわけだ。

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「全国消費実態調査」とは国民生活の実態について家計の収支及び貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地などの家計資産を総合的に調査し、全国及び地域別の世帯の消費・所得・資産に係る水準、構造、分布などを明らかにすることを目的とした調査。5年ごとに行われているもので、今回発表された2009年分は11回目にあたる。

今回抽出・グラフ化するデータは、「表III-4 年齢階級,費目別支出金額の購入先別割合(単身世帯)」。支出額総額の変移は先の記事にある通りだが、この表では今回と前回(5年前の2004年分)の費目別数字も記載されている。さらに統計局のデータをさかのぼり、過去4回分、1994年・1999年・2004年・そして今回の2009年分の「食料」項目の推移を見てみようという次第。

まずは30歳未満。

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、30歳未満)
↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、30歳未満)

若年層はコンビニを多用するイメージがあるが、時代の流れにおいてもあまり変化が見られないのは先の記事にある通り。それどころか食料品に限れば、1999年以降漸減しているのが分かる。定価販売を嫌ってのものと見てよいだろう。同時に一般小売店も減少しているが、これも先に説明したように「店舗減」「お値打ち商品が少なめ」、特に前者の影響が大きい。

代わって増えてきたのがスーパー。そして数字そのものは少なめだが、ディスカウントストア・量販店も確実に増加傾向にある。このことから、若年層の食生活は、「少しでも安いものを調達しよう」という意向が強まりを見せていると考えてよい。

続いて30歳-59歳。これも意外といえば意外な動向。

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、30歳-59歳)
↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、30歳-59歳)

一般小売店の減少、スーパーの増加は傾向・理由共に若年層と変わりない。注目すべきはコンビニの項目で、わずかずつではあるが増加の兆しを見せている。直近でも比率そのものは若年層にはるかに及ばないが、先の記事の全体値同様に、今後コンビニ利用比率において、逆転現象が起きる可能性は十分にある。

最後に60歳以上。これはもっとも「それらしい」形を見せている。

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、60歳以上)
↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、60歳以上)

かつては近所の一般小売店を多用していたが、大型スーパーの進出や地域小売店の閉店、価格の問題などで利用性向が逆転。直近では半数以上をスーパーに頼っている食生活を贈っている。コンビニはわずかに3.3%。年と共に増加しつつあるが、誤差の範囲でしか無い。また、デパ地下の活用もしているのか、ここ10年の間少しずつではあるものの百貨店の利用状況もプラスに転じている。



概要を世代別にまとめると、単身世帯の消費「食」生活上の「食料(品)」買物先としては

●30歳未満
・一般小売店とスーパーで約半分。スーパーの利用は増加中。
・ディスカウントストアや量販店の利用もわずかながら増加。
コンビニ利用率は減少傾向。

●30歳-59歳
・一般小売店とスーパーで7割近く。スーパーの利用は増加中。
・コンビニ利用率は漸増。

●60歳以上
・一般小売店とスーパーで7割超。スーパーの利用は大きな割合で増加中。一般小売店の減少傾向が著しい。
・コンビニの利用はほんの少し。増加しているものの誤差の範囲。

スーパーの総菜・弁当売り場という具合になる。意外なのは繰り返しになるが、若年層の食料品におけるコンビニ利用額比率に明らかな減少傾向が見られること。若年層の生活が厳しさを増しているのは【食費の割合が減り、家賃負担が増加……一人暮らしをする若者のお金の使い道の変化をグラフ化してみる】をはじめ、これまで多数の記事でお伝えしている通り。より安価に食品が調達できるスーパーへのスライドが確認できることからも、時代の流れと共に定価販売のコンビニの利用をためらい、安い場所を探し求める一人暮らしの若年層の生活の厳しさを、改めてうかがいしれよう。

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