一人身生活、食品は世代を超えてスーパーが頼り…世代毎の一人暮らしにおける食品・教養娯楽品の購入先をグラフ化してみる

2010/10/15 06:00

総務省統計局は2010年9月30日、5年に一度実施される「全国消費実態調査」の最新版となる【「2009年全国消費実態調査」】のうち、【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】を発表した。一人暮らしの人の日常生活が、お金の観点から知ることができる、貴重な資料が多数盛り込まれており、注目に値する。このデータ群の中から今回は、日常生活で買われる数々の商品の中のうち「食品(食料費)」「教養娯楽費」の2項目にスポットライトを当てて、一人暮らしの人がどのタイプの店でよく購入しているかについて、性別・世代別に区分してグラフ化してみることにする。

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「全国消費実態調査」とは国民生活の実態に関して家計の収支、貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地など多数の家計資産を総合的に調査し、全国・地域別の世帯の消費・所得・資産に関係する水準、構造、分布などを明らかにすることを目的とした、長期継続的に行われている調査。5年ごとに実施されており、今回発表された2009年分は11回目にあたる。

今回抽出・グラフ化するデータは、「表III-3 男女、年齢階級、費目別支出金額の購入先別割合(単身世帯)」。ここから「食料(=食品)」「教養娯楽」の2項目のデータを抽出。年齢階層・性別に区切り、どのタイプの店でどれだけの額を支払い買物しているかをグラフ化する。例えば「食品」で「男性30歳未満」を見ると「スーパー」は41.1%となっている。これは平均的な男性30歳未満の単身世帯において、1か月に1万円食料品を購入するとしたら、そのうち4110円はスーパーで購入することを意味している。

まずは食品。

↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(食品・単身世帯)
↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(食品・単身世帯)

すべての階層で「スーパー」が最大値を占めており、かつ年齢が上がるほど増加する傾向にある。【高齢者もネットショップやスーパー、コンビニへ】のデータが裏付けられた形だ。また、それ以外では

・「一般小売店」は男性より女性の方が多用している。
・「コンビニ」は女性より男性の方が多用。30歳未満では3割を超えている。そして年齢が上がると利用度数は極端に減る。
・「百貨店(=デパート→デパ地下食品街)」は世代が上がると利用率が増加する。60歳以上では「コンビニ」とほぼ逆転する。似たような傾向は「生協・購買」にも見受けられる。

という具合。【高齢者もネットショップやスーパー、コンビニへ】【6年連続経常利益をはじき出す「ダイシン百貨店」のレポートから、デパート不況打開の糸口を考えてみる】などでも解説しているが、高齢者になると行動範囲が狭まり、できるだけまとまった場所での買物を好む傾向がある。

だからこそ「スーパー」は重宝されるし、歳と共に「デパート」(デパ地下の食品街)が多用されるようになる。色々とまとめて購入できる「生協・購買」も、利用頻度が高まる。「コンビニ」も色々な商品が展開されている点では似たようなものだが、品ぞろえが中途半端で、食品では若年層向けのものが多いことが、避けられる要因と考えてよい。

続いて教養娯楽。区分を解説する【収支項目分類表(PDF)】によれば家電製品やゲーム・音楽周り、ペット周辺、書籍や新聞などの紙媒体、各種通信費などが該当する。

↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(教養娯楽・単身世帯)
↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(教養娯楽・単身世帯)

「食品」では「スーパー」がすべての階層で最大値を見せていたが、「教養娯楽」では「一般小売店」が同じ立ち位置にある。次いで多いのは全般的には「ディスカウントストア・量販店」だが、細かく見るとそれぞれの性別・世代別の特性が反映されているのが分かる。それらを箇条書きにすると次の通り。

・世代が上がると「スーパー」が増加。一か所でまとめ買いをするためか。
・「ディスカウントストア・量販店」は、男性は歳と共に減るが女性は逆に増える。
・「ネット通販」は若年、中堅層で1割超え。特に男性30-59歳は2割に迫る。
・「ネット以外の通販」は高齢者にはそれなりに利用されている。

「ディスカウントストア・量販店」の男女による経年の利用性向の変化の原因は不明。男女でこれらの店で購入する対象が異なるのが要因だろうか。「男性60歳以上」で「生協・購買」が突然13.8%の値を見せているので、これが原因かもしれない。



ディスカウントストア単身世帯の場合、「食品はスーパー」「教養娯楽品は一般小売店やディスカウントストア」というパターンが定番で、他に「若年層の食品周りはコンビニにも大いに頼っている」「若年層では教養娯楽品はネット通販もかなり活用している」を加えることで、ほぼ大枠を説明することができそうだ。

今件はあくまでも「単身世帯」を対象にしたもので、「二人以上世帯」の消費性向は今年末にデータが発表される予定となっている。「二人以上の世帯」の場合、夫婦におけるライフスタイル、子供がいる場合の購入品の傾向の違いなど「単身世帯」との違いから、消費先にも変化が出てくるものと思われる。とはいえ、大勢にはさほど変化はないだろう。

むしろ数的にはかなりの割合を占めるものの、消費性向の面ではほとんどスポットライトを当てられていない「単身世帯」の消費スタイルを知る上で、今件も含めた「2009年全国消費実態調査」は非常に有益な資料と断じてよい。機会があれば是非一読する事をお勧めしたい。

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