実は前から 減少中……一人暮らしをする若者の食費構成の変化をグラフ化してみる

2010/10/12 07:00

総務省統計局は2010年9月30日、【「2009年全国消費実態調査」】のうち、【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】を発表した。一人暮らしをしている人の日常生活を、お金周りの面から推し量ることができる、貴重な資料・データが多数盛り込まれている。このデータ群の中から今回は、「一人暮らしの若者が消費する食費の中身」、端的にいえば「どれだけ外食や中食に頼っているか」をグラフ化してみることにする。一人暮らしの食事といえば、例えば【一人暮らしのお料理事情・夕食自分で作ってる? 週一以上は四人に三人】では「約1/4は週に一度も夕食を自分で創らずに済ませている」という結果が出ているなど、何かと興味深いものがあるのだが……。

スポンサードリンク


「全国消費実態調査」とは国民生活の実態について家計の収支及び貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地などの家計資産を総合的に調査し、全国及び地域別の世帯の消費・所得・資産に係る水準、構造、分布などを明らかにすることを目的とした調査。5年ごとに行われているもので、今回発表された2009年分は11回目にあたる。

今回抽出・グラフ化するデータは、一人暮らしの勤労者世帯のうち30歳未満が対象。その世帯を対象に、一か月の食料費項目の詳細を眺めてみたもの。「外食」、「調理済みの食料(中食)」、そして「素材となる食料」「その他(調味料や飲料、酒類など)」をまとめて「その他(素材食料)(≒内食)」と、合わせて三つに区分し、男女別に食料費全体に占める比率の変化をグラフ化したものが次の図。

↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(男性)
↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(男性)

↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(女性)
↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(女性)

【食費の割合が減り、家賃負担が増加……一人暮らしをする若者のお金の使い道の変化をグラフ化してみる】でも触れているように、男性の外食比率が極めて高い。直近ではやや落ち着いているものの、女性と比べれば約15ポイントもの違いがある。これは女性と比べて男性の昼食時における弁当持参比率が低い事、仕事から帰宅した時の夕食の自炊率は男性の方が低い(【一人暮らしのお料理事情・夕食自分で作ってる? 週一以上は四人に三人】)のが大きな要因。また同じ勤労状態にあるとしても、女性より男性の方が「付き合いの飲食」の回数が多くなってしまうのも一因といえる。

↑ 一人暮らしの夕食の料理の頻度
↑ 一人暮らしの夕食の料理の頻度(再録)

また、中食比率は男女であまり違いが無く、男性で外食が女性と比べて多い分、そのまま「その他(≒内食)」が少なくなっている動きも興味深い。

食費全体に占める割合では無く、金額で見てみよう
上記のグラフは「食料費」に占める外食などの割合。それでは絶対金額で見た場合はどうなるのだろうか。男女、そして年ごとに食料費は異なるので、それぞれの金額を元データから抽出し、比率にかけあわせて個々の金額を算出。そして積み上げグラフにしたのが次の図(この20年間、消費者物価指数にはほとんど動きがないので、経年による物価の変移は無視して問題ない)。

↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(金額、男性)(円)
↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(金額、男性)(円)

↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(金額、男性)(円)
↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(金額、男性)(円)

まず最初に気が付くのは、男女で総額が大きく異なること。そして女性の総額にはほとんど変化がないものの、男性は年と共に減少を見せているのが確認できる。それぞれを詳しく見ると、

・「中食」は男女とも漸増。
・「内食など」はぶれが多少大きいが、一定額内に収まっている。
・「外食」は女性では数千円の幅で動きを見せているが大きな変化は無い(あえていえば微減少というところか)。男性は漸減を続けている。
・男性は「外食」の減少がそのまま食費全体の減少につながっている。

のが分かる。

外食動きとしては一番目立つ、男性における「外食」費の減少にはいくつかの理由が考えられる。【食費の割合が減り、家賃負担が増加……一人暮らしをする若者のお金の使い道の変化をグラフ化してみる】でも触れているように家賃負担の増加に伴い、一番最初に削りやすい外食費を削っている。外食そのものの相場が下がっている。世間一般的に他人との付き合いが疎遠になり、会食的な外食の回数が減った。などなど、複数の理由によるもので「これが理由で他は間違い」のような、端的唯一の事由によるものではないと見た方が良い。

昨今の金融危機・不景気により「外食費が減少している」という事象がクローズアップされている。しかし少なくとも若年単身勤労者においては、外食費の減少は前々から起きている動きに他ならない。昨今の不景気はその流れを加速化させたに過ぎない、と見てよいだろう。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー