食費の割合が減り、家賃負担が増加……一人暮らしをする若者のお金の使い道の変化をグラフ化してみる

2010/10/11 12:00

総務省統計局は2010年9月30日に、【「2009年全国消費実態調査」】のうち、【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】を発表した。一人暮らしの日常生活をお金周りの面から推し量ることができる、貴重な資料・データが多数盛り込まれているこのデータ群の中から、今回は「一人暮らしの若者が消費するお金の使い道の移り変わり」をグラフ化してみることにする。

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「全国消費実態調査」は国民生活の実態に関して家計の収支、貯蓄、負債、耐久消費財、さらには住宅・宅地などの家計資産を総合的に調査し、全国と地域別の世帯の消費・所得・資産に係る水準、構造、分布などを明らかにすることを目的としたもの。5年ごとに実施されており、今回発表された2009年分は11回目にあたる。

今回抽出・グラフ化するデータは、一人暮らしの勤労者世帯のうち30歳未満が対象。その世帯を対象に、一か月の消費支出(【エンゲル係数の推移をグラフ化してみる】でも説明しているように、税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」)が具体的にどのような項目に割り振られているのかを示したもの。掲載されていたデータは1969年以降のものなので、それ以降のものをすべて用いる。また個々の額が少数のため、「その他消費支出」独自の項目以外に「光熱・水道」「家具・家事用品」「保険医療」「教育」もまとめて「その他消費支出」に合算している。

データを再計算した上でグラフ化したのが次の図。

↑ 若年勤労単身世帯の1か月平均消費支出の費目構成の推移(男性)
↑ 若年勤労単身世帯の1か月平均消費支出の費目構成の推移(男性)

↑ 若年勤労単身世帯の1か月平均消費支出の費目構成の推移(女性)
↑ 若年勤労単身世帯の1か月平均消費支出の費目構成の推移(女性)

まずは全般的な傾向について。現在に近づくにつれて「食料」が減り「住居」が増えているのが分かる。先の【エンゲル係数の推移をグラフ化してみる】の話の通り、いわゆる「エンゲル係数」が減少しているのが確認できる。食品価格の安定、下落の他に、特に男性においては外食費の切り詰めが原因。

「交通・通信」の増加は公共機関やガソリン代の値上げの他、直近10年ほどの間は【携帯電話代が家計を圧迫…電話料金と家計支出に占める割合をグラフ化してみる】でも解説しているように携帯電話の使用によるところが少なくない。

一方、「住居」の割合が大きく増加しているのも確認できる。一般に「家賃は収入の2-3割がバランス的に優れている」とされている。今グラフの割合は「消費支出」であって、「収入」ではない(収入は今件消費支出以外に、税金などの非消費支出や貯蓄などにも割り振られる)ことを合わせて考えると、特に単身若年女性における「住居」の負担は非常に大きいと言わざるを得ない(1994年の時点ですでに「食料」の割合を逆転してしまっている)。

また、女性に比べて男性の方が「食料」の割合が大きく、また経年による減少率も大きい。これは上記でも触れているのと共に、詳しくは機会を改めて解説するが、単身若年男性は外食に頼る面が多く、同時に切り詰めの対象として筆頭に挙げられているからに他ならない。

グラフから分かることを箇条書きにまとめなおすと、

・食費の割合は漸次減少。
・住居費の割合は漸次増加。特に女性の比率は大きい。
・被服、履物は男性より女性の方が大きい。
・交通、通信や教養娯楽は女性より男性の方が大きい。

などとなる。若年単身者生活の様子、そして男女の違いが良く見て取れる。

お金を数える気になるのは女性の住居費の負担が増加していること。以前【「家賃高い!」男性半数 女性7割】【家賃の面から大学生の収入と生活の厳しさをグラフ化してみる】でも触れたが、若年女性の場合はセキュリティなどに気を使う必要があるため、どうしても家賃そのものが高い傾向となる。そして実収入は男性より低め。結果として消費支出における住居費の割合が高いものなってしまう。

特に直近の2009年のデータでは、消費支出の実に3割以上が住居費で占められている。家賃などは半ば半固定費でもあり、節約することは難しく、他の消費項目と比べてもプレッシャーは大きい。考え方次第では、税金や保険と同じようなものですらある。お財布事情の厳しさは察するに余りあるといえよう。

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