コンビニ四天王の売上高などをグラフ化してみる(2014年)

2014/10/09 11:00

多種多様な商品だけでなく多彩なサービスを展開し、21世紀の「よろずや」的な立ち位置を確かなものとしつつあるコンビニエンスストア。日本では売上高の上でセブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスが上位を占めているが、今サイトではこの4コンビニを「コンビニ四天王」と呼んでいる。今回はローソンが2014年10月7日までに発表した【アニュアルレポート2014】を基に、この「コンビニ四天王」を中心としたコンビニの売上高動向を精査していくことにする。

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伸びる売上、進む寡占化


まずは売上高推移。2000年以降について、上位4チェーン店とそれ以外の合計を積み上げグラフと、コンビニ業界全体の売り上げに占める比率計算をしたものが次のグラフ。セブン-イレブン・ジャパンがトップを占めている状態は、少なくともグラフの対象となる2000年以降変化は無い。

↑ コンビニ業界全体に占める上位4チェーンの売上高(兆円)(ローソンアニュアルレポートより)
↑ コンビニ業界全体に占める上位4チェーンの売上高(兆円)(ローソンアニュアルレポートより)

↑ コンビニ業界全体に占める上位4チェーンの売上高(業界全体に占める比率)(ローソンアニュアルレポートより)
↑ コンビニ業界全体に占める上位4チェーンの売上高(業界全体に占める比率)(ローソンアニュアルレポートより)

直近年ではセブン-イレブンとファミリーマートの伸び率が著しいが、これは主に店舗数そのものの拡大によるもの。1店舗単位での売上が急激に増加したのではなく、売上を計上する店舗数そのものの拡大政策(吸収や他企業店舗からの置換含む)により、全体としての売上が積み増しされた形となっている。そして「四天王」による業界全体のシェアは引き続き拡大する傾向にある。

四天王のシェアはこの13年間で約75%程度から約85%へと10ポイントほどの拡大ぶりを示している。これは四天王の各チェーン店が売り上げを伸ばしている他に、それ以外のコンビニが今一つなことが要因。スケールメリットによる業績の効果的な拡大、あるいは寡占化、と表現してもよい。

2013年では「上位4社以外のコンビニ合計」が一時的に売上総額・シェア共に増加している。これは大本のデータである「商業動態統計調査」において、「コンビニ」のカテゴリに該当する店舗領域を拡大した結果、四天王以外に該当するコンビニのカウントが増加した結果による可能性が高い。同調査の元データで確認すると「平成24年1月分に調査対象事業所の見直しを行った」との注意書きがあり、その裏付けにもなっている。もっともその見直しによる底上げがなされてなお、1年後には再び売上・シェア共に減退しており、寡占状態が継続・強化される状況に違いはない。

確実に増加するコンビニ店舗数


続いて店舗数。実のところコンビニの場合は(それ以外の小売店の大部分も同様)単純に店舗数だけで展開状況の良し悪しを断じることは難しい。地域性、集中性などチェーン店によって特性・独自の戦略があり、多ければ良いものではない。また、コンビニの開店・閉店の頻度の高さを実体験している人も多いだろうが、特定地域において数が同じでも、その中身は大きく変容している場合もある。この「店舗数」は、あくまでも比較材料の一つとして考えてほしい。

なおこちらについてはローソンではなくファミリーマートのアニュアルレポート(【アニュアルレポート最新版(ファミリーマート)】)の値を用いている。

↑ コンビニ業界全体に占める上位4チェーンの店舗数(各年期末)(ファミリーマートアニュアルレポートより)
↑ コンビニ業界全体に占める上位4チェーンの店舗数(各年期末)(ファミリーマートアニュアルレポートより)

↑ コンビニ業界全体に占める上位4チェーンの店舗数(各年期末)(業界全体に占める比率)(ファミリーマートアニュアルレポートより)
↑ コンビニ業界全体に占める上位4チェーンの店舗数(各年期末)(業界全体に占める比率)(ファミリーマートアニュアルレポートより)

売上の部分で「四天王による業界全体のシェアは拡大する傾向」と解説したが、それが店舗数動向からも見て取れる。四天王はそれぞれ、それなりに店舗数を伸ばしている(サークルKサンクスは一時的にやや減少)。そしてファミリーマートがこの数年大きく伸びているのは、【関西地区のam/pmもファミリーマートに転換へ】で解説の通り、2011年におけるam/pmの吸収合併によるところが大きい。最も同社ではそれ以降も急速な拡大戦略を継続中で、2014年の時点では1万店舗を突破し、日本のコンビニチェーン店ではセブン-イレブン、ローソンに続き3社目の「万店コンビニ」となった。

サークルKサンクスの店舗数がやや伸び方の点で弱めのため、シェアは減少しているが、それ以外の大手三社は漸次店舗数を増やし、コンビニ全体数を底上げする形となっている。他方それ以外のコンビニは伸び悩んでおり(、一部は大手に合併し)、結果として売上同様店舗数の点でも寡占化が進んでいることになる。



以上、売上高と店舗数の2つの視点から、「コンビニ四天王」の動向を確認した。全体的にはコンビニ業界は社会の要請を受ける形で市場規模を拡大する一方、緩やかな動きながらも4チェーン店によって寡占統合化が進んでいるのが分かる。また4チェーン店内部でも中期的に一部集約が進んでおり、この動きがさらに続けば「四天王」という表記を別のものに改める必要が生じるかもしれない。

今後は震災の影響やシニア層の利用拡大に伴う利用者性向の変化(買物弱者問題、多様なサービスへの対応など)に合わせてさらに様態を進化させ、地域を支える社会拠点としてこれまで以上の期待に応え続けることになる。また、一部では類似業態のスーパーやドラッグストアとの融合店舗なども登場しており、「コンビニ」という言葉の定義の領域すら拡大する勢いを見せつつある。それに伴い、店舗数と売上の拡大と寡占化など、一連の動きはさらに加速していくに違いない。


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