大気汚染、貧富格差、物価高、そして…中国人民の懸念事項を探る

2015/10/03 15:03

アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerは2015年9月24日、中国における民衆の懸念事項に係わる調査報告書【Corruption, Pollution, Inequality Are Top Concerns in China】を発表した。その内容によると中国国内でもっとも懸念されているのは「公務員の腐敗・汚職」で、84%の人が懸念を抱いていた。次いで「大気汚染」「水質汚染」「貧富格差」が続いている。

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今調査は中国の主要都市で2015年4月15日から5月27日にかけて対面方式で18歳以上の人に対して行われたもので、有効回答数は3649件。地域・開発度合いによるウェイトバックが行われている。なおアメリカ合衆国の民間調査機関による調査で、対面調査ではあるが、同国の国家体制の特質上、国への批判的内容に関しては、さまざまな心境・情勢が作用しうることを留意する必要がある。

次に示すのは中国で問題視、懸念されている事案を列挙し、それぞれについて回答者がどの程度懸念を覚えているかについて、「大いに懸念」「懸念」「ささいな問題」「問題では無い」(+分からない、回答拒否)の中から一つを選択してもらい、そのうち前者2つ、つまり懸念派についてまとめたもの。もっとも多くの人が懸念を抱いている事案は、公務員の汚職・腐敗だった。

↑ 自国においてどの程度の問題だと考えているか(2015年春、中国)
↑ 自国においてどの程度の問題だと考えているか(2015年春、中国)

この「公務員」にはさまざまな分野、レベルのものがすべて含まれるため、対象は広範囲に渡る。漏れ伝わる地方のお役所などにおける汚職事件の数々を認識し、あるいは対面する形で実体験し、それらへの憂いを覚える人が5人に4人を超えていることになる。強い懸念を覚える人は44%。今設問では最大値。

次いで多いのは大気汚染、そして水質汚染。日本にも間接的、さらには一部地域では直接的にに影響が生じるこれらの問題に対し、中国の国民自身も強い問題意識を有している。

さらに貧富格差や犯罪、そして物価高が続く。犯罪はともかく貧富格差や物価高は、共産主義体制においては最大限是正されているはずで、それが問題視されている現状に、いくぶんの違和感を覚えさせる。

水質・大気汚染同様、日本でもしばしば報道される食の安全や商品の品質、医薬品の安全性に対する心配度も高い。国外へ輸出される商品だけでなく、国内流通品においてもまた、さまざまな問題が生じていることが容易に想像される。

一方、これらの問題に対して、中国の人達はどのような展望を抱いているのか。

↑ 今後5年間で自国に関する次の問題は良くなるか悪くなるか(2015年春、中国)
↑ 今後5年間で自国に関する次の問題は良くなるか悪くなるか(2015年春、中国)

主な項目のみではあるが、汚染や腐敗に関しては、かなり楽観的な想いを有している。6割強が状況の改善を見込み、悪化は2割にも満たない。他方、水質汚染や大気汚染、貧富格差については、状況の悪化と改善がほぼ同率で1/3程度、変化はないとする意見が2割強となっている。食の安全ではやや楽観派が多く、改善が4割強、悪化は3割近くに留まっている。

果たして国民の期待に沿えるような施策を打ち出し、断行し、効果が出るのか否か。今後の動向には大いに注目したいところではある。


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