SMSは米国の子供達がもっともよく使う連絡手段

2015/09/29 08:10

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経済的、身体的、そして精神的にも自立ができず保護者の庇護の下で生活する子供達にとっては、社会全体の構造を知ることはできても、実際にアプローチができる領域は限られたものとなる。それでもインターネットや電話を使い、相応に柔軟性の高いやり取りをすることは不可能では無い。子供達はそれらのツールの中で、何を使いこなしている、多用しているのだろうか。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年8月6日に発表した報告書【Teens, Technology and Friendships】を元に、同国の子供達における、親しい友達と電話やインターネットを使ったやり取りにおいて、何を用いているのが、その実情を確認していく。


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上位3つではSMS、通話、ソーシャルメディア


今調査の調査要項は先行記事の【アメリカの「ネットで友達できるかな」事情】を参照のこと。

次に示すのは回答者自身が「親しい友達」と認識している人に対し、インターネットや電話(多分に携帯電話)を用い、どのような手段でやり取りしているか、上位3つを尋ねたもの。もちろんこの手段以外でも、対面や手紙などを用いた意思疎通を行うことは多分に考えられる。

↑ 親しい友達とやり取りをしあう時によく使う手段(上位3つ)(2015年2月、米国、13-17歳、親しい友達がいる人)
↑ 親しい友達とやり取りをしあう時によく使う手段(上位3つ)(2015年2月、米国、13-17歳、親しい友達がいる人)

もっとも多くの人が用いているのはSMS(ショートメッセージサービス)。相手の利用端末がスマートフォン・従来型携帯電話を問わず、しかもシンプルで気兼ねなく利用できる。日本ではあまり利用されていない(代わりに電子メール、今ならばあるいはLINEなどが該当)が、海外では大いに活用されている。たとえスマートフォンが浸透し、ソーシャルメディアが普及しても、今なおSMSはもっともよく使われるサービスに違いない。

次いで多いのは電話による通話で69%。さらにソーシャルメディアが66%で後に続く。上位3つを挙げてもらった結果で、この3つが他の選択肢から群を抜いて高い値を示しており、大よそこれらが主流な手段であることが分かる。

男女別に見ると、利用性向の違いが確認できる。

↑ 親しい友達とやり取りをしあう時によく使う手段(上位3つ)(2015年2月、米国、13-17歳、親しい友達がいる人)(男女別)
↑ 親しい友達とやり取りをしあう時によく使う手段(上位3つ)(2015年2月、米国、13-17歳、親しい友達がいる人)(男女別)

上位陣3つがSMS、通話、ソーシャルメディアであることに変わりは無い。ただし先行各種記事でも指摘の通り、男子はオンラインゲーム、女子はSMSやソーシャルメディアなどのデジタル口コミ(デジコミ)に注力する傾向がある。オンラインゲームの回答率が男子では4割近くに達しており、その分女子の方が上位3つの回答率において、男子よりも高い値を示す形となっている。

「もっともよく使う」では!?


それでは上位3つではなく、一番よく使うツールは何だろうか。

↑ オンラインや電話を用いて親しい友達とやり取りをしあう時にもっともよく使う手段(2015年2月、米国、13-17歳、親しい友達がいる人)
↑ オンラインや電話を用いて親しい友達とやり取りをしあう時にもっともよく使う手段(2015年2月、米国、13-17歳、親しい友達がいる人)

SMSがずば抜けて多くほぼ半数。次いでソーシャルメディアが2割、通話が1割強。オンラインゲームは6%程度でしかない。男女別の値は公開されていないが、男女合わせても6%しかないことから、男子はオンラインゲームによるやりとりを頻繁に行ってはいるものの、多くの人はもっともよく使っているわけでは無いことが想像できる。

全体では49%のSMSだが、女子に限るとその値は5割を超える。

↑ オンラインや電話を用いて親しい友達とやり取りをしあう時にもっともよく使う手段(SMSの回答者率)(2015年2月、米国、13-17歳、親しい友達がいる人)
↑ オンラインや電話を用いて親しい友達とやり取りをしあう時にもっともよく使う手段(SMSの回答者率)(2015年2月、米国、13-17歳、親しい友達がいる人)

男子よりも女子、そしてより年上の方が、SMSを一番良く使うと回答する人が多くなる。年上の方がスマートフォンやパソコンの所有率が高くなり、SMS以外の連絡手段を使える人も多くなるはずなのだが、それ以上に交友範囲の拡大や、携帯電話そのものの所有率増加によるSMSの利用ハードルの低下がプラスに働いているようだ。


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