2015年7月の熱中症での病院搬送者は2万4567人、調査開始以来7月搬送者数として過去最高

2015/08/23 05:00

総務省消防庁は2015年8月18日付で、同年7月の熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによれば同年7月における熱中症による救急搬送者は2万4567人となった。前年の同月の値である1万8407人と比較すると、6160人の増加となる。消防庁では2008年の調査開始以来、7月の観測値としては過去最高であることを明らかにすると共に、今後も厳しい暑さが続くことが見込まれているため、引き続き厳重な警戒が必要だとコメントしている(【消防庁:発表リリース一覧ページ】)。

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今年の7月は上旬では梅雨前線が本州南岸に停滞する機会が多く、東・西日本の太平洋側と沖縄・奄美地方を中心に曇り、あるいは雨の日が多かった。一方で北日本を中心にした地域では冷たい移動性高気圧に覆われ、晴れた日が多かった。中旬以降になると太平洋高気圧の影響を強く受けるようになり、北・東日本を中心に高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。ただし西日本や沖縄・奄美では晴れの日は少なめとなる。気温は西日本では低めに推移したものの、北・東日本では中旬以降、特に下旬は高めに推移している。

今回の発表によれば、2015年7月の全国における熱中症による救急搬送人員は2万4567人。昨年2014年は1万8407人、よって33%もの増加となる。

↑ 熱中症搬送人員(2008-2015年、各7月、人)
↑ 熱中症搬送人員(2008-2015年、各7月、人)

↑ 熱中症搬送人員(2008-2015年、各7月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員(2008-2015年、各7月、人数比)

昨年同時期と比べるとすべての年齢区分で人数は増加。特に今年は高齢者(プラス44%)で大きな増加が確認できる。高齢者の人数そのものは増加の一途をたどっているが、その増加状況をはるかに超えた搬送者数の増加であり、屋内外を問わず(高齢者は屋内における熱中症リスクが他年齢階層と比べて高い)当事者はもちろんだが周辺関係者のさらなる警戒が求められる。

搬送時の初診傷病程度は次の通り。人数はその他区分で減少し、軽症・中等症・死亡区分で増加している。患者の発生数そのものの減少だけでなく、発生・状況確認時の症状の軽減もまた、熱中症対策の上では求められる要素であり、今後も中長期的な視点から、油断することなく早期発見・早期対策が求められる。

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2008-2015年、各7月、人)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2008-2015年、各7月、人)

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2008-2015年、各7月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2008-2015年、各7月、人数比)

ちなみに各症状の具体的内容は次の通りとなる。

軽症:入院を必要としない程度

中等症:重症または軽症以外の病状

重症:3週間の入院加療を必要とするもの以上

死亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「軽症」と「重症」の容体を比較した上で勘案すると、「中等症」とは「3週間未満の入院を必要とするもの」と判断できる。つまり「重症ほどではないが、搬送時には相当状態が悪化しており、入院措置が必要な状況」。本人の無理がたたった、または他に誰もいない環境下で気を失い、第三者による発見が遅れたことが想定できる。見方を変えると2015年7月の該当期日においては、ほぼ6割の熱中症による救急搬送者は入院をせずに済んだことになる。

自分自身への注意を怠りなくするのと共に、異常を感じたらすぐに水分補給、涼しい場所への移動、楽になる姿勢を保つなど各種対応を行うのは常識論のレベル。それと同時に身の回りに体力の不安な人(療養中や病症で通院中の人)、身体の衰え(老化)などの理由から適切な反応が期待できない人が居る時には、積極的に声をかけるなどして、熱中症の発生を極力防ぐ姿勢を望みたい。

なお今回の確定報により、2015年6月1日から9月30日(夏期)における搬送者数総計は2万7599人となった(6月以降の観測値が計上されているのは2010年以降)。

↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2010-2015年)(各年6月-7月の累計)
↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2010-2015年)(各年6月-7月の累計)

単純比較が可能な2010年以降分の値で勘案すると、今年は2013年の2万7964人に匹敵する高値をつけており、留意が必要になる。

直近として8月20日に発表された気象庁の一か月予報によると、東日本では9月頭ぐらいまでは気温が平年より高くなる可能性が高いとの観測が出されている(【全国 1か月予報(8月22日から9月21日までの天候見通し)】)。現時点では暑さはピークを超えたものの、今なお残暑としての暑さは続いており、真夏日が各所で観測され、熱中症による搬送者が相次いでいる。

熱中症への対策は、多分に身体の健康管理そのものにもつながる話。体調管理の視線で自分の、そして周囲の体を気遣い、その中で熱中症に対する注意と配慮をしてほしいものである。


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