子供の言葉遣いに影響を与えそうなもの、トップはやはりテレビ

2015/09/22 05:36

子供は成長過程で自らの生活環境においてさまざまなものと接し、情報を習得し、あるいは学ばされ、言葉、そして言葉遣いを覚えていく。保護者が知らぬうちに子供自らが習得した大人びた言葉遣いをして、周囲を驚かせることも少なくない。今回は文化庁が2015年9月17日に発表した「平成26年度 国語に関する世論調査」の概要から、子供がどのようなルートから言葉遣いを学んでいくと大人が認識しているのかを確認していく(【発表リリース:平成26年度「国語に関する世論調査」の結果について】)。

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今調査は2015年1月から2月にかけて全国の16歳以上の男女に対して個別面接調査方式によって行われたもので、有効回答数は1942人。男女比・世代構成比などは非公開。

次に示すのは回答者≒大人が、子供の言葉遣いに与える影響が大きい人やものだと思ったもの。複数回答による設問で、子供の有る無しは関係が無く(つまり一般概念としての子供全体。ただし回答者自身が子供を有している場合は、多分に自分の子供の実情が回答に反映されていることは容易に想像できる)、また実際に影響を与えているか否かの科学的裏付けも必要が無い。あくまで回答者がそのように認識しているか否かを答えてもらったもの。

↑ 子供の言葉遣いに与える影響が大きいものは?(2014年度、複数回答)
↑ 子供の言葉遣いに与える影響が大きいものは?(2014年度、複数回答)

最大の回答率、つまり「子供の言葉遣いに影響を与える」ともっとも多くの大人が考えている対象はテレビ。8割強の人が同意を示している。一方向性による映像と音声で提供されるさまざまな番組は、多種多様な人達の語りを観ている子供に経験させ、確実に影響を与えている。そう考える大人が多いのも納得がいく。次点となる母親、父親、そして友達よりもまずはテレビが最大の影響力を示すと認識されている点は、今なお「テレビっ子」的な言い回しが有効だということか。

周辺の人物では父親よりも母親の方が回答率は高い。これは子供と共にいる時間の長短が影響しているものと考えられる。友達の値が両親よりも低めなのも同様。兄弟姉妹や祖父母が一段と低めなのは、単に該当する人物がいない可能性もありうるからに他ならない。

テレビ以外の物品としてはゲーム機、漫画が続く。インターネットはその次で39.2%。ゲーム機の方が漫画やインターネットより、言葉遣いの習得の上で影響度が大きいと認識されていることは、意外といえば意外ではある。

これらの「影響を与え得るもの」はここ数年の間に大きく進歩、あるいは社会的立ち位置を変えている。同様の調査を行った2000年度と2007年度との値の併記、そして前回同様調査となる2007年度分(全同一項目で調査が実施されている)との値の比較を示したのが次のグラフ。7年の間で、子供の言葉遣いに影響を与えそうな要素の力関係の変化(少なくとも大人が認識している範囲で)が分かる。

↑ 子供の言葉遣いに与える影響が大きいものは?(複数回答)(空欄は当時調査せず)
↑ 子供の言葉遣いに与える影響が大きいものは?(複数回答)(空欄は当時調査せず)

↑ 子供の言葉遣いに与える影響が大きいものは?(2014年度、複数回答、2007年度調査結果からの増減)
↑ 子供の言葉遣いに与える影響が大きいものは?(2014年度、複数回答、2007年度調査結果からの増減)

インターネット(特に指定は無いのでパソコン以外に携帯電話などから経由の利用も含む)が子供の言葉遣いに大きな影響を与えているとの認識が急増。ゲーム機や携帯電話での通話も増加し、子供達の間にこれらの環境が整備され、利用される機会が増えていることが分かる。

一方で、テレビ、子供向けの本や雑誌などが減り、漫画も幾分ながら減少しており、相対的に立ち位置が減退しているようすがうかがえる。また、母親や父親など、対人関係による影響も大よそマイナス値にあり、中でも「地域の大人」の回答率の減退ぶりが大きく、地域社会の希薄化も想起される。その中で唯一増加した祖父母は意外な動き。三世代世帯の比率が減少する中で、共有する時間は減っているはずなのだが。

あくまでもこれらの値は、回答者からの認識、判断によるもの。それでもなお、子供を取り巻く環境の実情や変化が良く分かる結果には違いない。次年度以降に同様の調査が行われ、値が一般公開された時には、各項目においてどれ程の順位変動が生じているだろうか。


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