指数上昇、国内政治・企業動向への期待大…野村證券、2015年8月分の個人投資家動向発表

2015/08/14 05:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年8月13日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年8月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で上昇し、38.8を示すこととなった。株価の先行きに関しては「小規模な上昇」を見込む意見が先月と比べ、最大の回答率増加幅を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年8月3日から8月4日に行われたもので、男女比は83.8対16.2。年齢層は50代がもっとも多く31.5%、次いで60歳以上が35.8%、40代が24.9%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く34.6%、500万円-1000万円が16.4%、5000万円以上が13.3%と続いている。回答者の投資経験年数は10-20年が最高比率で34.2%、次いで20年以上が32.1%、5年から10年未満が25.6%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で45.5%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が24.8%と1/4強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約3/4)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は38.8ポイント。前回からは11.4ポイントの上昇。前月の下落からは転じる方向性の動き。この時期、日経平均株価は前月比で436円ほど上回ったものの、まだ上昇余地が残っているとの認識が多分にあるようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で69.4%。前月分の63.7%からは5.7%ポイントの上昇。こちらも投資指数同様に上昇している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様で、9.1%ポイントと大きく増えた。それ以外の選択肢は前月比ですべて減っている。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示し、先月からは大幅下落。国内政治情勢、為替動向、国内企業業績が前月比で増えている。

・魅力的な業種は「医薬品」「資本財・その他」「金融」「自動車」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「消費」「通信」「素材」「運輸・公共」「電気機器・精密機器」はマイナス圏。「消費」はまだマイナス圏だが今回月も上昇し、間もなくプラス領域となるレベルにまで回復している。

・ドル円相場に対する見通しは「やや円高ドル安」の意見がもっとも多く、前月から大幅増加。前月は大きく上昇した「やや円安ドル高」は大きく下落している。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「イギリスポンド」「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスで今回月はさらにその深みを増している。他方今回月では「ユーロ」が前月比で20ポイントほどの大幅上昇を示したのが印象的。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られないが、「預貯金」「国内投資信託」がいくぶん値を上げている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……イオン(8267)
3位……ソフトバンクグループ(9984)
4位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
5位……NTTドコモ(9437)

鉄板のトヨタ自動車は別として、それ以外の銘柄は多分に時節に合わせて上下する傾向がある。今回月ではイオンやNTTドコモなど、生活に身近、知名度の高い企業への注目が集まっているのが特徴。



前回月はギリシャの債務問題でギリギリの折衝が続けられていたこと、さらに中国市場における破局的とも言える急落と、一般市場では予想もできないような当局側の措置が成されたことで、日本の市場も大きな影響を受け、それが投資家心理にも重しとなった。今回月ではそれらの状況はある程度緩和の方向に進んだことから、安心感が多分に出る形となった。日経平均株価も2万円台を回復している。

しかし今週に入ってから中国人民銀行による対米ドル基準値の連続しての切り下げは、中国の景気後退感とその状況に対する中国政府サイドの焦りを認識させるのには十分な材料となり、株価の下落不安定感の主要因として現在も重しの存在感を大きなものとしている。今後の動向が大いに気になるところだ。


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