街中での歩きスマホは77%が「OK」…米国携帯マナー認識の現状

2015/09/19 11:00

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携帯電話の主力が従来型からスマートフォンにシフトし、熱中度が桁違いとなるに連れ、その熱中のあまりにさまざまな日常生活の場面に割り込む形での利用をしてしまう、いわゆる「ながらスマホ」が行われるようになった。行儀だけでなく、作業の効率、さらには安全面などの点で問題視されていることは多くの人が自らの体験の上で認識しているはず。携帯電話文化の先進国であるアメリカ合衆国では、この携帯マナーの認識はどのような状況なのだろうか。今回は同国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年8月26日付で発表した、携帯電話と人々の日常生活の様相を調査した結果報告書【Americans’ Views on Mobile Etiquette】を元に、その実情を確認していくことにする。


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77%は「街中での歩きスマホはOK」


今調査に係わる調査要項の詳細は、先行記事【大いに気になるアメリカでの携帯電話マナー事情】を参考のこと。

次に示すのは携帯電話(従来型、スマートフォン双方)の利用時におけるマナーに関して、各項目を許容できるか、承認しかねるかで答えてもらったもの。

↑ 携帯電話利用時のマナーについてどのように考えるか(2014年6月、アメリカ合衆国)
↑ 携帯電話利用時のマナーについてどのように考えるか(2014年6月、アメリカ合衆国)

日本では「歩きスマホ」のような表現をしている、屋外で歩きながらの携帯電話の操作に関しては、77%が容認する姿勢を示している。実際には、例えば駅構内や交通量の激しい場所では問題外だが、普通の街中ならさほど問題はないだろうとの認識。同様に、電車やバスなどの公共交通機関内や行列で並んでいる際の利用も3/4が問題なし、としている。

一方、レストラン内での利用は4割足らず、家族で夕食を共にしている時の利用に対する容認派は12%のみとなっている。食事中の操作は行儀が悪い、周囲の人に不快感を覚えさせるとの考えが多分にあるものと考えられる。

会議中や映画館などの静粛さを求められる場所、宗教行事の場では容認できる人は少数派。今件公開値では許容・否定の強さは問われていないが、恐らくは大部分が強い否定を意味しているに違いない。

ともあれ「歩きスマホ」はやや意外だが、それ以外は大よそ今の日本と同じような認識に見える。

属性別で大きく異なる携帯マナー


これをいくつかの属性で仕切り分けし直したのが、次以降のグラフ。まずは男女、そして利用している携帯電話の種類別。空白のある項目はゼロでは無く、回答値が公開されていないため、このような形になっている。

↑ 携帯電話利用時のマナーについてどのように考えるか(2014年6月、アメリカ合衆国)(利用携帯種類、性別)(許容派)
↑ 携帯電話利用時のマナーについてどのように考えるか(2014年6月、アメリカ合衆国)(利用携帯種類、性別)(許容派)

男女間ではいずれの場合も、男性の方が寛容的。特にレストラン内での使用に関しては、11%ポイントもの差が男女で生じている。自宅外で使う機会が、女性より男性の方が多く、それゆえに必要性を覚えるからだろうか。

また携帯電話の種類別では確認できるすべての項目で、従来型よりスマートフォンの方が、容認派が多い。スマートフォンの方が出来る事柄が多く、利用者は熱中しやすくなることはすでに先行記事で解説済みだが、それに合わせて自分でもその魅力を知っているからこそ、「これは仕方ないのかな」と容認してしまうのかもしれない。また、従来型携帯電話は高齢層の方が所有率が高く、後述するように概して高齢層の方がマナーに厳しい事から、間接的に所有年齢の比率が、携帯電話の種類別による差にも表れている可能性は否定できない。

その年齢階層別だが、大よそ若年層ほど容認派が多く、歳を経るほど容認する比率は低下する。

↑ 携帯電話利用時のマナーについてどのように考えるか(2014年6月、アメリカ合衆国)(年齢階層別)(許容派)
↑ 携帯電話利用時のマナーについてどのように考えるか(2014年6月、アメリカ合衆国)(年齢階層別)(許容派)

一部イレギュラーが生じているが、大よそ若年層ほど高い許容率を示している。いわゆるモバイルエイジ的な人が多く、人生全体の大部分を携帯電話が存在する中で過ごしており、携帯電話の利用がごく当たり前との認識であることから、抵抗感も薄いのだろう。もっとも、会議中や映画館などでの使用に関して、1割程度がOKを出してしまうのは、閉口してしまう人も少なくあるまい。

見方を変えると、65歳以上の頑なさもうかがい知れる。公共交通機関での利用は半数近くが拒絶しているし、街中での歩きながらの利用も1/3ほどはダメ出し状態。世代を超えた集まりで、このギャップが元で衝突してしまう事例も、日本同様多いのかもしれない。


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