支持政党によって異なる米国の中国懸念

2015/09/14 14:56

先行記事【アメリカ合衆国民が抱く中国への懸念の現状を探る(2015年)】において、アメリカ合衆国の国民たちが抱く中国への懸念に係わる現状を確認した。今回はそれに一歩踏み込む形で、アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年9月9日に発表した、同国の市民ベースでの対中懸念に関する調査報告書【Americans’ Concerns about China: Economics, Cyberattacks, Human Rights Top the List】を元に、支持政党によって懸念度合いはどれ程の変化を見せるのかを確認していく。一般には現在政権を担っているオバマ氏の属する民主党は、共和党と比べて親中派であると言われているのだが……。

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今調査は2015年4月から5月にかけてアメリカ合衆国内に住む18歳以上の人に対して電話インタビュー形式で行われたもので、有効回答数は1003人。年齢、性別、教育水準、人種などによるウェイトバックが行われている。

先行記事の通り、現在のアメリカ合衆国では米国債大量所有をはじめ、さまざまな事案に関して、中国に強い懸念を抱いている。

↑ アメリカ合衆国にとって中国関連の事案でどの程度の懸念事項だと思っているか(アメリカ合衆国)(再録)
↑ アメリカ合衆国にとって中国関連の事案でどの程度の懸念事項だと思っているか(アメリカ合衆国)(再録)

この「大きな懸念」の回答率に関して、支持政党別(民主党…現在の政権政党。共和党…対抗政党。無党派…いずれの政党も支持しない層)にカウントし直したのが次のグラフ。

↑ アメリカ合衆国にとって中国関連の事案でどの程度の懸念事項だと思っているか(アメリカ合衆国、「大きな懸念」、支持政党別、2015年春)
↑ アメリカ合衆国にとって中国関連の事案でどの程度の懸念事項だと思っているか(アメリカ合衆国、「大きな懸念」、支持政党別、2015年春)

中国が及ぼしている環境汚染関連は、さすがに「グリーン雇用創出構想」の件もあり、民主党の方が強い懸念を抱いている。しかしそれ以外は大よそ共和党の方が民主党よりも強い懸念を抱くとの結果が出ている。中でも「大量の米国債所有」の17%ポイント差をはじめ、「サイバー攻撃」の16%ポイント、「対中国貿易赤字」の13%ポイントなど、アメリカ合衆国に直接、大きな影響が生じ得る問題で、差の大きさが見て取れる。「軍事力の拡大」も11%ポイントに及ぶ。他方、先の環境問題や「中国の人権問題」などは相対的にそれほど高い差は出ていない。

人数の上では少数派となる無党派層は大よそ両党支持派の中間程度。ただし「中国の人権問題」では各勢派の中で最大の懸念度、「世界的環境問題」では共和党以上の高い値を示すなど、自由・世界平和的な観点では高めの値を示す傾向がある。

以前【「アジアで中国との深刻な軍事衝突が生じたら、米軍は出動すべきか」と来年の米大統領選挙】などでも言及したが、2016年に実施されるアメリカの大統領選挙では、オバマ現大統領は出馬出来ないため、新たな大統領が登場することになる。現状では民主党・共和党いずれかの候補が優勢かはつかみにくい状況にあるが、仮に共和党の候補が大統領に就任するとなれば、今件は支持者の意向であるとはいえ、多分に国政に反映されることが予想されるため、アメリカにおける対中政策が少なからぬ変化、しかも強硬姿勢にシフトする可能性は多分にある。

来年以降、大統領選挙の結果次第では、世界情勢は大きな変化を迎えることになるのかもしれない。


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【「アジアで中国との深刻な軍事衝突が生じたら、米軍は出動すべきか」と来年の米大統領選挙】
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【中国と日本、経済的にはどちらが重要? アメリカ人に聞いてみると……】

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