日本の出生率と出生数をグラフ化してみる(2014年)

2014/09/17 14:00

厚生労働省は2014年9月11日付で同省公式サイトにおいて、人口動態調査での人口動態統計(確定数)の2013年版となる値の概況を公開した(【発表ページ:平成25年(2013)人口動態統計(確定数)の概況)】)。今回はこの発表値などを基に、日本の出生率と出生数の動向についてグラフ化を行い、状況を推し量ることにする。

スポンサードリンク


漸減する出生数、やや持ち直しのある合計特殊出生率


具体的なデータは上記の「人口動態統計確定数」にある通り。2011年までの分については過去の記事で用いたデータについて「確定報に基づき修正した上で」使用する。つまり戦中戦後の混乱期を除き、出生数は1872年以降、出生率は1947年以降は毎年、それ以前は1925年以降飛び飛びのものを用いることになる。

まずは単純な出生数。

↑ 出生数推移(人)(-2013年)
↑ 出生数推移(人)(-2013年)

戦前はほぼ横ばいで推移。戦後になり、戦地から帰還した人たちによる第一次ベビーブーム、そしてその時期に生まれた子供達が成人化した上での第二次ベビーブーム(その間に丙午(ひのえうま)による減少、1966年の落ち込みも確認できる)、その後漸減、横ばいの動向が見て取れる。直近2013年は102万9816人。このペースでいくと2020年前後にも、年間出生数が100万人を切ることになるだろう。

やや増加する合計特殊出生率、その理由は


続いて合計特殊出生率。声に出して読むと舌をかみそうな用語だが、これは「一人の女性が一生のうちに出産する子供の平均数」を示している。単純計算でこの値が2.0なら、夫婦2人から子供が2人生まれるので(男性は子供を産まない)、その世代の人口は維持されることになる。計算の際には各年齢(世代)の女性の出生率を合計して算出される。実際には多種多様なアクシデントによる減少があるため、人口維持のための合計特殊出生率は2.07から2.08といわれている(これを「人口置換水準」と呼ぶ)。

↑ 合計特殊出生率(人)(-2013年)
↑ 合計特殊出生率(人)(-2013年)

戦前のデータはほとんどつぎはぎだらけで、その間を自動補完したため、不自然な直線部分が多い。確定値の限りでは1925年には5.11、1930年には4.72との値が確認できる。戦前最後の1940年は4.12人。その時代の出生率が維持されれば、女性は一生で4人強の子供を産む計算になる。

戦後になると第二次ベビーブームの1970年代がほぼ2.1台で推移しているが、1974年に人口置換水準2.08を割り込む値となり、以後漸減が続いている。最近になってやや上昇傾向を見せ始め、2013年は2012年からさらに0.02増加し、1.43という値を示している。直近における最低値1.26(2005年)と比べると0.17の増加である。

この増加原因については色々な理由があるが、そのもっとも大きなものが、高齢出産の増加。次のグラフは過去5年間に渡る各世代別合計特殊出生率の推移を示したものだが(各世代の値を全部足すと、その年の合計特殊出生率となる)、「25歳から29歳」までの世代が漸減し、それ以降の世代が漸増している様子が分かる。

↑ 合計特殊出生率(女性世代別)(-2013年)
↑ 合計特殊出生率(女性世代別)(-2013年)

さらに長期の範囲を示したグラフやその分析は【日本の高齢出産状況をグラフ化してみる】にある通り。高齢出産化の原因は晩婚化の進行、医療技術の進歩、価値観の変化などによるものだが、母胎の負担をはじめ多種多様なメリット・デメリットがあり、今でも賛否両論があることを記しておく。



少子化の原因は多種多様に及び、複数の要因が複雑に絡み合った結果である(一つの事象が一つのみの原因に帰することなど滅多にない)。晩婚化(【ますます伸びる交際期間と縮む夫婦間年齢差…日本の夫婦事情の推移(2010年分反映版)】でも解説しているように、初婚年齢の上昇)、未婚化、女性の高学歴化、住環境の問題、経済状況の悪化、社会風土の変化などが個別の事由として挙げられている。

この「少子化問題」を解決するには、まずは一つひとつの絡み合った要因を解きほぐし、その上で出来ることから解決していかねばならない。同時に社会全体のさまざま問題を解決していくための、(他の方面にひずみを起こし得る)安易で短視的な手法では無く、中長期的な戦略眼の上での対策が求められよう。


■関連記事:
【出産や育児で困る・不安事、トップは「育児費用が負担に」】
【出産で会社を辞めた女性達、何があれば仕事を続けてた?】
【妊娠・出産時の自己負担は何万円?】
【先進諸国の出生率や離婚率などをグラフ化してみる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー