際立つ日本の自虐感…日米中韓高校生の自分自身への認識の違い(2015年)

2015/09/04 08:13

個々の性格や実力、能力は第三者や各種調査・検査による客観的数値、事実によって現状は明らかにされるが、同時に本人自身の認識も多分に検証には用いられ、今後の動向にはむしろ後者の方が重要な要素となる。本人の心境、モノのとらえ方次第で状況はいくらでも変えられうるからだ。過度な自信、過剰な自己評価はトラブルの元になるが、逆に過小評価もまた可能性をつみ取ることになる。今回は独立行政法人国立青少年教育振興機構が2015年8月28日に発表した、日本、アメリカ合衆国、中国、韓国の高校生における生活様式や意識に関する調査報告書「高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-」の結果から、4か国の高校生における回答者自身への認識に関して、その実情を見ていくことにする(【発表リリース:高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-】)。

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今調査は2014年9月から11月にかけて日本、アメリカ合衆国、中国、韓国の高校生に対して集団質問紙法によって行われたもので、サンプル数は各国で1560から2518。

次以降に示すのは日米中韓の各高校生に対し、回答者自身がどのような認識をしているか、「とてもそう思う」「まあそう思う」「あまりそう思わない」「全くそう思わない」の4選択肢の中から自分自身の認識に一番近いものを選んでもらい、そのうち前者2つ、つまり肯定意見の回答値を単純に加算した結果。つまり各項目を肯定する比率となる。まずはポジティブなものの見方と判断される項目について。



↑ 自分自身への認識(2014年、高校生)(とてもそう思う+まあそう思う)(ポジティブ面)
↑ 自分自身への認識(2014年、高校生)(とてもそう思う+まあそう思う)(ポジティブ面)

それぞれの国の高校生における自己評価の違いが良く出る結果となっている。アメリカと中国は共に高めで、自信に満ちあふれている状況が分かる。特にアメリカは行動力の面で長けている、中国は周辺環境の良さに自信を持っているようだ。

他方日本と韓国は自信の中さがうかがえる。とりわけ日本は数量的な評価が出しやすい項目に関して、自己評価が低い傾向がある。また将来への願望に関する意識も低く、良く表現して内向的、いわば「殻に閉じこもったような雰囲気」が見受けられる。

これがネガティブな設問項目になると、より一層明確化される。

↑ 自分自身への認識(2014年、高校生)(とてもそう思う+まあそう思う)(ネガティブ面)
↑ 自分自身への認識(2014年、高校生)(とてもそう思う+まあそう思う)(ネガティブ面)

最後の「あまり勉強しなくても将来が困らない」はネガティブ面に含めて良いのか否か疑問視されるところではあるが(勉強しなくても良いほどすでに頭が良いとの認識なのか、地位やお金などがすでにある状態なので勉強をする必要が無いのか、すでにあきらめているので今更困るとは考えていないのか、さまざまなとらえ方ができる。原文の設問でも日本語・英語共にその通りの文章でしかなく、解釈は難しい)、その他の項目では日本、そして韓国の値が他国に抜きんでて高い値を示している。とりわけ「自分はダメ人間だと思う時がある」は唯一7割超えで3/4近くが認識している結果となっている。

日韓の若年層における自信の無さは、これまでの他の国際調査の結果でも指摘されている。内向的、殻への閉じこもり感など表現の仕方はいくつかあるが、単純に内側への力の指向では無く、マイナスの影響力を有しているとなれば静視はできない。本来有している実力を発揮できない、むしろ封印してしまう可能性があるからだ。



報告書ではこの状況を認識すると共に、自然体験をした者と自立意志・自尊感情の相関関係を呈し、積極的な体験活動を推し進める解説をしている。奇しくも日本だけでなく韓国でも、体験活動の実態の低さが数値化されており、相関関係でなく何らかの因果関係も推測される。

ただしネガティブ、自虐的な思考は高校生に限ったものでは無く、他の世論調査などからも分かる通り、国際的に見ても日本人全体に渡るものと見た方が道理は通る。あるいは終戦が一つのトリガーだった可能性はあるが、その辺りは歴史・社会学の専門家に検証を任せるとして、過去も含め日本(の過去)そのものを必要以上に否定することは、大人の立場からも控えるのが、状況改善の一つの方策かと思われる。

子供は親の姿、背中を見て育つ。親の、大人の言葉は子供にとっては神様の声に等しい。親が、大人が自国を否定する発言を繰り返していれば、国を、そしてそこで生活を営む自分自身に必要以上の否定感を覚えるのは、当然の可能性として考えられるからだ。


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