普及で気になるネットの常識や使い方、日米中韓の高校生の違いを探る(2015年)

2015/09/03 08:28

スマートフォンの普及に伴い未成年者でも容易にインターネットの利用が可能となり、特にその浸透が著しい高校生では、利用上のマナーや使いすぎによる弊害が社会問題化している。この状況は日本だけのものなのだろうか。今回は独立行政法人国立青少年教育振興機構が2015年8月28日に発表した、日本、アメリカ合衆国、中国、韓国の高校生における生活様式や意識に関する調査報告書「高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-」の結果を元に、4か国の高校生におけるインターネットとの接し方や考え方を確認していくことにする(【発表リリース:高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-】)。

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今調査は2014年9月から11月にかけて日本、アメリカ合衆国、中国、韓国の高校生に対して集団質問紙法によって行われたもので、サンプル数は各国で1560から2518。

まずはソーシャルメディアや掲示板などにおける発言について。あるいは送り先が特定少数となるメールでも良いだろう。ともあれ、インターネットで文字を用いて表現を行う場合、自分の言いたいことは何でも言ってよいものか、それとも(さまざま理由で)自制をするべきか。

↑ ネット上では自分の言いたいことは何でも言ってよい(2014年、高校生)
↑ ネット上では自分の言いたいことは何でも言ってよい(2014年、高校生)

意外に思う人も多いだろうが、日本は今調査の4か国の中では一番自制がきいている。何を語っても構わないとする意見は2割にも達しない。強い否定派はアメリカとほぼ同じで約1/3。そのアメリカでは否定派が6割で肯定派が4割。韓国も肯定派は似たようなものだが、否定派の強い意見を有する人は1割にも満たず、4か国中もっとも「ネット上では自らの主張は何でも語ってよい」との認識を持つ高校生が多い状況が確認できる。

他方、その「意見」も構成要素の一部となる、ネット上の書込みが信用できるか否かについて。結局のところは誰が、どのような場所(サイト)で行った内容なのかが重要であり、ネット上の書込みであろうと他の媒体であろうと、真偽を精査する対象となる情報には違いないのだが、傾向としてはどの国も否定的。

↑ ネット上の書込みは信用できる(2014年、高校生)
↑ ネット上の書込みは信用できる(2014年、高校生)

肯定派の意見はほぼ変わりがないが、否定派ではアメリカがもっとも強度の否定派が多く、過半数に届いている。次に多いのは日本、そして韓国、中国と続く。中国で強い否定派が2割程度に留まっている、そして誤差の範囲ではあるが肯定派がもっとも多いのは、お国事情があるのだろう。

一方、ネット上でのコミュニケーションは、対面でのやりとり同様にトラブルが発生することがある。これは当然の話。またネットならではのリスクも存在する(身バレによる嫌がらせ、炎上事案、犯罪に巻き込まれる、詐取問題などなど)。それらを認識しているか否かについて。

↑ ネット上での付き合いは危険やトラブルのリスクがある(2014年、高校生)
↑ ネット上での付き合いは危険やトラブルのリスクがある(2014年、高校生)

日米は危機意識が高く9割前後は認識している。特にアメリカでは2/3以上が強い同意を示している。ところが中韓では同意派は6割足らずしかおらず、1割強は強い否定の意見を有している。両国はわずかではあるが「ネット上の書込みは信用できる」の設問でもやや高めの値が出ており、ネット上の情報への信頼感の違いが、リスク判断にも影響しているものと考えられる。

最後はインターネットへの傾注度。言い換えれば中毒度のようなものか。

↑ 私はネットから離れられない(2014年、高校生)
↑ 私はネットから離れられない(2014年、高校生)

意外にも日米中ではほぼ同率の3割が肯定派≒インターネットへ過度の注力を認識している人なのに対し、韓国では2割に留まっている。強い否定派も日米中が1/4程度で韓国は4割近く。韓国の高校生の多くは、日米中よりも「自分はネット依存的な状態ではない」との自覚を示していることになる。第三者から見た客観的実情はともあれ、本人の認識はかくたるものであるとの実態は知っておいても損はあるまい。



やや蛇足感はあるが、今件4項目の肯定派意見を加算して肯定派とし、その際を一つのグラフにまとめたのが次の図となる。

↑ ネット上の問題意識(肯定派、2014年、高校生)
↑ ネット上の問題意識(肯定派、2014年、高校生)

トラブル認識の大きな差異をはじめ、高校生における国ごとの考え方の違いがはっきりと見えてきて興味深い。日本以外の高校生の意見や書き込みを見聞きする機会はあまり無いが、考え方を検証する上では大いに参考になるはずだ。


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