用途によって異なる「希望するロボットのかたち」(2015年)

2015/08/28 08:10

技術の進歩発展に伴い、ロボットはより身近に、多方面で生活に浸透をしていくようになる。人間ができないこと、手間や時間がかかることをロボットに代理させることで、より多くの成果を生み出したり、人に余裕を持たせることができるようになる。今後もさらにさまざまな形でロボットは人々の生活に組み込まれていくだろう。それでは使う側となる人間は、どのような形状をロボットに求めているのだろうか。総務省が2015年7月28日に発表した最新版の【情報通信白書】(【発表リリース:平成27年「情報通信に関する現状報告」(平成27年版情報通信白書)の公表】)を元に、子育て支援・コミュニケーション・介護用と3用途におけるロボットの形状に係わる需要を確認していくことにする。

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今件部分の直接の調査は「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」。調査要項の詳細は先行記事の【ウェアラブルデバイスによる健康管理サービスの需要をグラフ化してみる】を参照のこと。

先行するいくつかの記事でも一部解説しているが、主要なロボットの用途における利用意向は次の通り。子育て支援に関しては不安要素が多いこともあり、利用意向は消極的だが、介護方面では期待度が高い。なお「コミュニケーション」とは今件では「高齢層などにおける認知症予防や老化防止のためのサポート効果期待」「ペットを飼えない環境下における代替的存在」を意味する。今件3用途の中では、一番現実化が進んでいる分野ともいえる。

↑ 目的別ロボット利用意向(2015年)
↑ 目的別ロボット利用意向(2015年)

それでは各用途ではロボットの形状は、どのようなものが望まれているのだろうか。「人型そっくりタイプ」「人型だが人間そっくりではないタイプ」「動物型」「用途に合わせた機械的な形態」「形態にはこだわらない」の5選択肢を用意し、各用途で望む形状を複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ 望ましいロボットの形(2015年、複数回答)
↑ 望ましいロボットの形(2015年、複数回答)

3つの用途で平均して高い支持を集めているのが「形態にはこだわらない」。3割強の値を示している。実際にはケースバイケースなのだろうが、概要的には形よりも機能やコスト、安全性など実用部分での充実を望んでいる人が多いのか。

用途別に見ると、子育て支援の場合は「こだわらない」に続いて「人型(そっくり)」と「機械的形態」がほぼ同率、「人型(そっくりでは無い)」が続き、「動物型」は低め。他方コミュニケーションでは「動物型」が高めで、人型は2パターンとも動物型には及ばず、「機械的形態」はさらに低い値を示している。主に子供向けの本物志向的な動きをする玩具は大抵動物の形をしていること、AIなどを用いたパソコンなどの疑似人格アプリケーションでも、画面上には人間なり動物なりのビジュアルが登場することが多いことを思い返すと(ゲームなどのガイダンス、さらには銀行のATMなどにおける説明画面でも大体は人間のビジュアルが登場する)理解はできる。

他方介護用では「機械的形態」「形態にはこだわらない」などの値が高く、人型はやや低め、動物型は一段と低い値に留まっている。実用面での機能、役立つか否かが優先されて考えられている、見方を変えれば介護に係わる価値観が反映されていると考えれば道理は通る。



極論としては漫画やアニメ、映画に出てくるような子育てもコミュニケーションも介護もすべてそつなくこなす万能型のロボットが登場すればすべての需要に応えられるが、そこまでの技術進歩と廉価化に期待するのは、それこそDARPAのような機関を複数作り、国家予算全額を数年に渡って投資しても、不可能に近い。

「形態にはこだわらない」の値がどの用途でも高めで、差し迫った問題の「介護用」では特に「機械的形態」と合わせて高めなのは、その辺りの現実を認識した上での反応なのかもしれない。


■関連記事:
【ウェアラブルデバイスによる健康管理サービスの需要をグラフ化してみる(2015年)】
【介護ロボット利用意向、介護する側・される側(2015年)】
【介護ロボット選択時の重視点は「簡単」「安い」「安全認証」】

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