介護ロボット利用意向、介護する側・される側(2015年)

2015/08/27 14:33

高齢化に伴い絶対人数、対人口比で増加することが予想されるのが介護問題。社会リソースの十分な配分が必要となるが、そのリソースをどこから計上するか、人材の絶対的な不足など、問題点は山積している。その問題の解決・打開策の一つとして打ち出されているのが、ロボット技術の活用。今回は総務省が2015年7月28日に発表した最新版の【情報通信白書】(【発表リリース:平成27年「情報通信に関する現状報告」(平成27年版情報通信白書)の公表】)を元に、介護ロボットに係わる需要を確認していくことにする。

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今件部分の直接の調査は「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」。調査要項の詳細は先行記事の【ウェアラブルデバイスによる健康管理サービスの需要をグラフ化してみる】を参照のこと。

今件では現行技術ではなく、将来の技術進歩を想定し、介護ロボットを排泄・入浴・食事・移乗などの場面で介護者を助け、介護する側の負担軽減につなげる、要介護者の健康状態をしかるべき機関に通知する機能を持つロボットと定義、その利用意向を尋ねている。それぞれ単独の機能のみを有するのか、複数機能を同時に実装するかまでは明確化されていないが、質問様式から複数機能を同時装備しているものとしての想定と見て良いだろう。

まずは回答者が自分の親族などを介護する立場とした場合の、介護ロボットの利用意向。

↑ 介護用ロボット利用意向(介護する側として、2015年)
↑ 介護用ロボット利用意向(介護する側として、2015年)

SF映画やドラマ、漫画やアニメなどで該当する機能を有するロボットは山ほど登場するが、実体化したものは今のところ存在しえず、複合的な機能を有するロボットの登場も数年ベースでは期待ができないこともあり、何となくつかみどころが難しい問いではあるが、それでも6割以上の人が興味関心を示し、利用を検討したいと答えている。強度の利用意向は1割強。

世代別に見ると回答者の歳が上になるほど拒否反応は減り、利用意向が高まる傾向を示している。また若年層ほど「必要な状況に無い」との回答が増えているが、これには「将来含む」とあるため、近親者の介護をする想定が無い人が多いことをも意味する。

同居家族に65歳以上、言い換えれば介護が必要(になる可能性が高い)人がいる世帯の人は利用意向が若干高くなる。これも現状を踏まえ、少しでも負担が軽くなればとの想いがあるのだろう。

それでは回答者自身が介護される側だと想定した場合はどうだろうか。介護ロボットに対する抵抗感はどれほどのものだろうか。

↑ 介護用ロボット利用意向(介護される側として、2015年)
↑ 介護用ロボット利用意向(介護される側として、2015年)

具体的事例が無いことが一因だが、介護される側でも抵抗感はそれほど大きくない。介護する側とほとんど変わらず、ぱっと見では同じグラフに思えてしまうほど。若年層ほど「必要な状況に無い」が多く、高齢層ほど利用意向が強い、同居家族がいる方が利用意向が強いなど、傾向はほぼ同じ。

今件はあくまでも概況的なもので具体的事例を挙げた上での設問では無いが、介護ロボットにたいする期待の強さを改めて確認できる形となった。もちろん実用化までに越えねばならないハードルは高く、そして数も多い。

そして介護ロボットを購入・利用できるだけのリソースがあるのなら、そもそも論として現状の介護関係者の環境改善がさなれても良い、むしろそれが先ではないかとの指摘もある。技術的に可能なことと、コスト的に市販普及できることとは別の問題に違いない。その点を再認識しておく必要はあろう。


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