アフリカの携帯電話事情をグラフ化してみる(2015年)

2015/08/27 08:20

自由に持ち運びができる機動性を持ち、文字を読めなくとも容易にコミュニケーションが可能となり、SMS(ショートメッセージサービス)を使い短い文章ではあるが手紙のようなやりとりが即時にできる。携帯電話は意志疎通の分野で革命的なアイテムとして世界中に浸透している。その浸透ぶりは新興国で著しく、この10年ほどの間に起きた状況の変化は劇的なものとなっている。今回は総務省が2015年7月28日に発表した最新版の【情報通信白書】(【発表リリース:平成27年「情報通信に関する現状報告」(平成27年版情報通信白書)の公表】)から、アフリカの携帯電話事情が把握できるいくつかのデータを抽出し、状況を確認していくことにする。

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まずはアフリカにおける携帯電話加入者数や普及率の現状と推移。

↑ アフリカにおける携帯電話加入者数と普及率推移
↑ アフリカにおける携帯電話加入者数と普及率推移

説明によれば2014年末時点で携帯電話加入者数は9億人近く。10年強で17倍もの伸びを示したことになる。それだけ意思疎通が容易になった人が増加したことは、生物学的な「進化」に等しい状況ともいえる。もちろんこれは単純に契約数を元に算出したもので、海外の携帯電話事情にありがちな、一人で複数契約をしている場合が多分に含まれている。

これをユニークユーザー数で再算出したのが次のグラフ。こちらは今後の予想(2014年以降)も含まれている。

↑ アフリカにおける携帯電話ユニークユーザー数と普及率推移(一部予測)
↑ アフリカにおける携帯電話ユニークユーザー数と普及率推移(一部予測)

例えば2013年時点でユニークユーザー数は3億1100万人。最初のグラフからは単純加入者数が8億1506万人と確認できるので、単純試算でユニークユーザーひとりあたり2.6件の契約をしていることになる。また白書の説明によればアフリカの多くの地域では平均年齢が非常に低く、若年層が多いため(例えばナイジェリアでは25歳以上の人口は全体の37.5%)、成人の多くが携帯電話を所有していると考えられる(幼い子供はまだ持たせてもらえない、持つだけの財力が無い)。

イメージとは大きく異なるかもしれないアフリカにおける携帯電話の普及率だが、新興国における携帯電話・インターネットの状況に係わる記事でも触れている通り、この普及率の背景にはインフラ構築の際の特性が大きく影響している。固定電話は線(物理的な回線)による整備が必要だが、携帯電話は点(基地局)での整備で済んでしまう。個々の利用端末との接続は電波が行ってくれるので、物理的なインフラを整備する必要が無い。

また携帯電話は文字が読めない層でも利用が可能(口述による意思疎通ができる)で識字率がハードルにはならない、さらにはヨーロッパで携帯電話の世代交代が行われるにつれて大量に中古化した2Gの携帯電話が廉価で中古端末として流入したことなどが、アフリカの携帯電話普及に大きく影響したと説明されている。いくつかの偶然と必然が、アフリカの現状を生み出したことになる。

もっとも、スマートフォンをはじめとした携帯電話によるインターネット接続利用者は携帯電話そのものの普及状況ほどでは無い。とはいえ確実に増加している。次に示すのはパソコン経由も含めたインターネット接続者数。

↑ アフリカにおけるインターネット接続者数推移(億人)
↑ アフリカにおけるインターネット接続者数推移(億人)

識字率の問題やアクセスするための端末の確保、さらには接続料金が大きなハードルとなっているのは明らか。見方を変えればアフリカには多数の「利用したいけれど利用できない」、インターネットサービス提供者には新規顧客が待ち構えていることになる。白書では「Internet.org」をはじめいくつかの団体による取り組みなども紹介している(【ア 低所得国でのインターネット普及に向けた課題】)。

今後これらのプロジェクトが浸透していくに連れて、アフリカ地域からアクセスしウェブサービスを利用する人の数は、さらに増加を示すに違いない。


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