大学への進学率の国際比較をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/06/13 05:00

高等教育、日本の場合は大学(学部)への進学率は教育の浸透や社会情勢、国単位での教育制度の有り方を知る上での指針の一つとなる。日本国内の大学進学率は別途文部科学省の学校基本調査を元に【大学進学率をグラフ化してみる】で精査しているが、今回は日本だけでなく主要国の進学率を確認し、その違いを見ていくことにする。

スポンサードリンク


精査にあたり参考にしたのは【労働政策研究・研修機構のデータブック国際労働比較】
現在取得可能な最新のデータブックは2016(2016年5月31日全文公開開始)で、その資料によると一次ソースはOECDの「Education at a Glance 2014」「同2015」。

なお学校基本調査の進学率算出方法とはいくぶん違い、今件では 各年齢人口のうち高等教育機関に進学する者の割合(年齢別の純進学率)をすべての年齢にわたって合計した値。そして「年齢別の純進学率」とは、 各年齢人口のうち、当該年齢で高等教育機関に初めて進学した者の割合を指す。また「大学型高等教育」とあるのは、各国によって教育制度が異なるため。一応一次ソースの定義では「主として理論中心・研究準備型プログラムで、上級研究学位プログラムへ進学したり、医学や歯学, 建築学といった高い技能を要求される専門的職業に従事するのに十分な資格・技能を習得できる」「大学型高等教育プログラムの通算教育年数は、高等教育段階の理論上の期間では、フルタイム換算で3年間となっているが一般的には4年以上であることが多い」とあるが、実際には国によって大学教育と認められているプログラムが当てはまるとは限らない。日本の場合は冒頭の通り、大学(学部)が該当する。短期大学や高等専門学校、専修学校専門課程は該当しない。

次に示すのは主要国の進学率推移。前世紀分は随分と空きが生じていたり、国によっては最近のデータしか公開していないこともあり、多分に間延びした形となっている。

↑ 高等教育への進学率推移
↑ 高等教育への進学率推移

各国とも大よそ大学(高等教育)への進学率は右肩上がりとなっており、経済の堅調化や社会文化の成熟化に伴い、高等教育の浸透が進んでいるのが分かる。それと共に他の進学率周りの記事でも触れているが、景況感の大幅な悪化に伴い学歴がそのまま就職に結びつかない、むしろ逆影響を及ぼすパターンもあることから、直近の金融危機・不景気となる2007年以降は一時期、進学率が落ちている国が複数存在していることも確認できる。

また今件はあくまでも進学率、つまり入学率であり、卒業率では無いことに注意する必要もある。日本の大学は「入りにくく出やすい」、他国は「入りやすく出にくい」との言い回しが多々使われることからも分かる通り、全般的に日本以外の国では高等教育機関は入学し易いものの、修業を終えて無事卒業するのは難しい、途中で退学してしまう割合が多い。進学率は教育浸透の指標の一つではあるが、それがすべてではないことにも注意する必要はある。

上記グラフは経年変化だが、一次データにおける直近公開分の2012年分に関して、抽出可能な国すべての値を並べたのが次のグラフ。

↑ 高等教育への進学率(2012年)
↑ 高等教育への進学率(2012年)

最初の推移グラフと比べて比較対象国が増えると、日本はむしろ低めであることが分かる。一方でオーストラリアが102.2%と論理的には有り得ない値を示しているが、これは計算の都合によるもの。出生届が出されていない人が就学したり、海外からの通学、住民登録がされていないなどの理由による。

繰り返しになるが、高等教育制度は国によってまちまちなため、他国との一律の比較は難しい。また高等教育の社会的意味合い、就業との関係も異なる(日本ですら景況感の後退に伴い、大学進学の「プレミアム」が一時的に薄れ、進学率が落ちる場面もあったばかり)。今件はあくまでも参考値の一つ程度としてとらえてほしい。


■関連記事:
【地方学生の都心部企業への就職情報源、トップは「就職情報サイト」】
【学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる】
【大学生の就職状況をグラフ化してみる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー