2015年6月の熱中症での病院搬送者は3032人、前年同期と比べると1602人の減少

2015/07/26 11:00

総務省消防庁は2015年7月22日付で、同年6月の熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによれば同年6月における熱中症による救急搬送者は3032人となった。前年の同月の値である4634人と比較すると、1602人の減少となる。消防庁では各地の梅雨明けと共に気温が上昇し、熱中症リスクも高まるため、引き続き警戒が必要であるとコメントしている(【消防庁:発表リリース一覧ページ】)。

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今年の6月は梅雨前線が西日本の南岸から東日本の南海上に停滞することが多く、西日本側では気温は低く、日照時間も少なめに推移した。これが全体としての搬送者数の前年同月比が少なめになった要因。一方で太平洋高気圧の張り出しにより沖縄・奄美では日射が強く気温も上昇、6月としては統計開始の1946年以来の平均気温を記録し、梅雨明けも平年よりかなり早い6月11日となり、結果として熱中症による搬送者数もうなぎのぼりとなった(沖縄県は人口10万人18.81人で最大、次ぐ値を示した岡山県は4.42人)。

今回の発表によれば、2015年6月の全国における熱中症による救急搬送人員は3032人。昨年2014年は4634人、よって35%もの減少となる。

↑ 熱中症搬送人員(2010-2015年、各6月、人)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2015年、各6月、人)

↑ 熱中症搬送人員(2010-2015年、各6月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2015年、各6月、人数比)

昨年同時期と比べるとすべての年齢区分で人数は減少。特に今年は新生児から乳幼児(マイナス47%)や少年(マイナス43%)で大きな減少が確認できる。天候の悪化に伴い部活動や外遊びの機会が減り、その分熱中症によるリスクも軽減されたものだと考えられる。もっとも成人や高齢者でも3割台の減少ぶりを示しており、誤差の範囲と見なすこともできる。

搬送時の初診傷病程度は次の通り。人数は全区分で減少、比率では軽傷者がやや減り、中等症以上が増加している。患者の発生数そのものの減少だけでなく、発生・状況確認時の症状の軽減もまた、熱中症対策の上では求められる要素であり、今後も中長期的な視点から、油断することなく早期発見・早期対策が求められる。

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2015年、各6月、人)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2015年、各6月、人)

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2015年、各6月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2015年、各6月、人数比)

ちなみに各症状の具体的内容は次の通りとなる。

軽症:入院を必要としない程度

中等症:重症または軽症以外の病状

重症:3週間の入院加療を必要とするもの以上

死亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「軽症」と「重症」の容体を比較した上で勘案すると、「中等症」とは「3週間未満の入院を必要とするもの」と判断できる。つまり「重症ほどではないが、搬送時には相当状態が悪化しており、入院措置が必要な状況」。本人の無理がたたった、または他に誰もいない環境下で気を失い、第三者による発見が遅れたことが想定できる。見方を変えると2015年6月の該当期日においては、ほぼ2/3の熱中症による救急搬送者は入院をせずに済んだことになる。

自分自身への注意を怠りなくするのと共に、異常を感じたらすぐに水分補給、涼しい場所への移動、楽になる姿勢を保つなど各種対応を行うのは常識論のレベル。それと同時に身の回りに体力の不安な人(療養中や病症で通院中の人)、身体の衰え(老化)などの理由から適切な反応が期待できない人が居る時には、積極的に声をかけるなどして、熱中症の発生を極力防ぐ姿勢を望みたい。

なお今回の確定報により、2015年6月1日から9月30日(夏期)における搬送者数総計は3032人となった(当然6月単月分と同じ)。

↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2010-2015年)(各年6月-6月の累計)
↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2010-2015年)(各年6月-6月の累計)

直近の気象庁の中期予報によると、今年は8月から9月にかけて沖縄・奄美地方で降水量が少なめだがそれ以外は平年並み、気温は全国で平年並みとの観測が出されている(【8月9月は雨降りも気温も平年並みとのこと、最新の三か月予報発表】)。一方、現在進行中の7月においては、7月中旬以降相次ぎ梅雨明け宣言が出され、現時点では九州北部と東北以外の各地域で梅雨が明け、夏まっさきり状態となっている。直近の7月13日から19日の一週間分の搬送者数は6165人で、これは前年同週の2倍近い値を示し、今年の7月は前年7月の月次搬送者数1万8407人を超えそうな勢いにある。

熱中症への対策は、多分に身体の健康管理そのものにもつながる話。体調管理の視線で自分の、そして周囲の体を気遣い、その中で熱中症に対する注意と配慮をしてほしいものだ。


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