惣菜などの中食やカウンターコーヒーが堅調…2015年6月度のコンビニ売上高は既存店が0.6%のプラス、3か月連続

2015/07/22 05:00

日本フランチャイズチェーン協会は2015年7月21日に、コンビニエンスストアの同年6月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は既存店前年同月比でプラス0.6%となり、3か月連続のプラスを示すこととなった。梅雨前線の活発化で降水量が多く客数が減退したが、カウンターコーヒーをはじめとした各種カウンター商材、惣菜などが堅調な売れ行きを示したことが幸いした(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は3か月連続のプラス、全店は28か月連続のプラス
全店ベース……+4.4%
既存店ベース…+0.6%

●店舗数(前年同月比)
+4.0%

●来店客数:既存店は5か月ぶりのマイナス、全店は51か月連続のプラス
全店ベース……+3.7%
既存店ベース…−0.3%

●平均客単価:既存店は3か月連続のプラス、全店も3か月連続のプラス
全店ベース……+0.7%(598.1円)
既存店ベース…+0.9%(590.5円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+2.2%
加工食品……−1.2%
非食品………−2.3%
サービス……+17.0%
合計…………+0.6%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

6月は活発な梅雨前線の影響に伴い、東太平洋側をのぞいた各地域で降水量が多く、これが来店動機をなえさせ、来店客数がマイナスに落ち込む原因となった。他方、カウンターコーヒーをはじめ各種カウンター上に設置された商品群(ドーナツや揚げ物など)、お弁当、総菜などの中食用商品が好調に推移したことから、売上に大きな貢献をもたらすこととなった。

なお昨年同月の2014年6月は消費税率引上げ後3か月目に相当するが、その時の非食品はマイナス1.6%。これと比較することになるため本来なら反動による底上げがあってもおかしくないが、その前提の上でも今回月ではマイナス2.3%と落ち込んでいる。前年が全店ベース、今回が既存店ベースのため単純比較はできないが、たばこの売上がさらに落ち込んでいるのではないかとの推測もできる(もっとも報告書には特記事項は無い。また雑誌に関する言及も無い)。

商品構成別の売上高の動向を確認すると、いれたてコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はプラス2.2%、加工食品はマイナス1.2%、非食品はマイナス2.3%となった。客数がマイナス0.3%でほとんど影響が無いことを合わせ見ると、日配食品は実質面でもそれなりに売り上げを伸ばしている、加工食品と非食品は落としていることが分かる。他方、構成比は5.8%と少なめだが、サービスはプラス17.0%と2割近い伸び率を示しており、今後の成長も大いに期待できるものとして注目したい。

昨年夏まではガソリン代の高騰が来店機運の足を引っ張り、集客の観点でマイナスに働いているのではとの懸念があった。昨今では原油価格の安定化に伴いガソリン代もそこそこの値で落ち着いており、その観点における心配は薄れている。しかしここ数年来懸念されていたたばこや雑誌の売上の減退、集客力の縮小を押しとどめるまでには至らない。

セブンカフェ&ドーナツかつてコンビニの集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。それぞれ単独の動向を知りたいところだが、日本フランチャイズチェーン協会の月次レポートではそれを推し量ることはできない。ただし年次ベースなら、たばこは大手コンビニが発表しているアニュアルレポート、雑誌ならば「出版物販売額の実態」を通して概況を推し量ることはできる(【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる】)。恐らく2014年分も昨年分、あるいはそれ以上に売り上げを落としているに違いない。

代替軸となる各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供されるいれたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品(昨今のセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンにおけるドーナツも良い例)は順調に成長を続けているが、今なお模索が続けられていることからも分かる通り、不安定要素は大きい。

イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められている。関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。


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