まだ過熱感ありとの思惑強く…野村證券、2015年7月分の個人投資家動向発表

2015/07/18 05:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年7月16日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年7月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から続く形で下落し、27.4を示すこととなった。株価の先行きに関しては「小規模な下落」を見込む意見が先月と比べ、最大の回答率増加幅を示している。

スポンサードリンク


今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年7月6日から7月7日に行われたもので、男女比は82.8対17.2。年齢層は50代がもっとも多く31.4%、次いで60歳以上が36.5%、40代が22.3%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く32.0%、500万円-1000万円が14.9%、3000万円-5000万円が13.6%と続いている。回答者の投資経験年数は10-20年が最高比率で34.3%、次いで20年以上が32.2%、5年から10年未満が24.2%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で46.4%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が24.9%と1/4強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約3/4)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は27.4ポイント。前回からは12.2ポイントの下落。前月の下落から続く方向性の動きで、下げ幅はほぼ同程度。この時期、日経平均株価は前月比で458円ほど下回ったものの、まだ過熱感が残っているとの認識が多分にあるようだ。あるいは調査時期に発生していたギリシャ問題や中国市場問題が長引くとの思惑も影響しているのかもしれない。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で63.7%。前月分の69.8%からは6.1%ポイントの下落。こちらも投資指数同様に下落している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様だが、「1000円程度の下落」を見込む意見が5.2%ポイントと最大の上昇幅を示している。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示し、先月からは大幅上昇。ギリシャ情勢や中国市場動乱など、海外を起因として相場が大きく変動したことを背景としているようだ。

・魅力的な業種は「医薬品」「資本財・その他」「自動車」「金融」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「素材」「通信」「消費」「運輸・公共」「電気機器・精密機器」はマイナス圏。「消費」はまだマイナス圏だが今回月は大きく上昇し、14.7ポイントの上昇を記している。

・ドル円相場に対する見通しは「やや円高ドル安」の意見がもっとも多いが、「やや円安ドル高」とほぼ同じ値を示している。他方、それより大幅な為替レートの変化の見通しでは円高ドル安の方向性を見込む人が多い。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「日本円」は大きく値を上げ、「アメリカドル」は下げている。「イギリスポンド」「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスだが、今回月では「ユーロ」が前月比で20ポイントほどの大幅下落を示したのが印象的。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られないが、「預貯金」「国内投資信託」がいくぶん値を下げている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
3位……ソフトバンクグループ(9984)
4位……オリエンタルランド(4661)
5位……イオン(8267)

鉄板のトヨタ自動車は別として、それ以外の銘柄は多分に時節に合わせて上下する傾向がある。今回月ではオリエンタルランドやイオンなど、生活に身近、知名度の高い企業への注目が集まっているのが特徴。



今回月は「市場に影響を与え得る要因」のところで触れたように、ギリシャの債務問題でギリギリの折衝が続けられていたこと、さらに中国市場における破局的とも言える急落と、一般市場では予想もできないような当局側の措置が成されたことで、日本の市場も大きな影響を受け、それが投資家心理にも重しとなったようだ。

幸いにもその後、双方案件とも直近の山場は超えたように見え、日経平均株価も2万円台を回復している。しかし根本的な解決に至ったわけでは無く、くすぶり素材はまだそのままともいえる。投資家が抱く不安が解消されれば、投資機運も高まり、株価はさらに上向くのだが。


■関連記事:
【定期更新記事:ノムラ個人投資家サーベイ(野村證券投資調査部発表)】(過去記事一覧まとめ)
【原油先物(WTI)価格の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【景気ウォッチャーの指標動向から消費税率改定後の景気行き先を推し量ってみる】
【原油安とロシア、キューバ・アメリカの関係改善のつながり】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー