日本の石炭事情をグラフ化してみる(エネルギー白書)(2014年)

2014/07/28 08:00

資源エネルギー庁は2014年7月25日までに、エネルギー白書2014のHTML版を公開した(【エネルギー白書一覧ページ】)。今回はその白書で公開されている最新データを基に、日本の石炭事情を確認していくことにする。同じく石炭関連の情報を精査した記事【世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる】【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】などと合わせて読むと、さらに理解が深まるに違いない。

スポンサードリンク


「エネルギー白書」では2012年発行分以降、2011年の震災の影響を受け、これまでとは大きく構成を変化させている。震災に絡んだ情報・対策を章単位でまとめると共に、今後のエネルギー需給に関する施策・方針への情報開示の色合いが強くなっており、一般的なエネルギー関連の動向を分析した部分はその量を減らしている。それでも石炭周りはしっかりと各種情報が盛り込まれ、白書編集時点の最新情報を得ることができる。

まずは日本が「石炭の他国からの輸入」との観点で、どのような立ち位置に居るかの確認を行う。日本は「2014」では世界第二位の石炭輸入国となっている。トップは中国。前年発行された「2013」からは順位が逆転しており、中国の急激な輸入量の増加が確認できる。この増加状況は、冒頭で触れた「世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる」でも指摘の通り。

↑ 主要輸入国・地域における石炭輸入量(2012年見込み)(億トン)
↑ 主要輸入国・地域における石炭輸入量(2012年見込み)(億トン)

↑ 主要輸入国・地域における石炭輸入量によるシェア(2012年見込み)
↑ 主要輸入国・地域における石炭輸入量によるシェア(2012年見込み)

中国の輸入量が大きく、また急激な増加を示しているのは、同国の工業化が急激に進んでおり、その一方で国内産出量の増加が追い付かないため。また日本の輸入量が多いのは、大量の石炭を燃料・原料として使う一方、ほとんど日本国内での生産がなされていないため。

続いて日本の石炭供給量(要は採掘・精製量)の推移。工業化の進展と共に石炭の消費量も増え、総計は右肩上がりに上昇。一方で採算性の問題などから国内炭田は次々に閉鎖され、生産量も減退。2012年度では消費量の99.3%までを輸入産に頼る結果となっている(「鉄鋼精錬用などの原料炭」「火力発電用の一般炭」の区分はされていない)。

↑ 日本の石炭供給量の推移(100万トン)(-2012年度)
↑ 日本の石炭供給量の推移(100万トン)(-2012年度)

データが公開されている期間でもっとも古い1965年度では、石炭の輸入比率は23.8%。1960年後半から急上昇を続け、1988年には9割を超えている(90.1%、初の9割超え)。これは石油へのエネルギー需要の転換、割安な輸入炭との価格競争に国内生産炭が打ち勝つことが出来なかったため。

2005年度には国内生産量は124万9320トン/年にまで減少してしまうが、その後の原油価格の高騰を受けて減少はストップ。詳しくは【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】に記述しているが、少しずつ増加の兆しを見せていた。しかし2009年度以降は再び減退。直近の2012年度では124万6710トン/年にまで減少している。



日本国内に限っても天然ガスと共に石炭は再び注目を集めつつある。さらに震災以降、アンバランス的な状態に陥った国内エネルギー情勢を受け、緊急代替措置として旧式の発電所も合わせた火力発電所の稼働数・率の上昇もあり、石炭の需要は伸びる一方。

石炭は採算効率と共に環境負荷対策が、生産・利用の際の要となる。日本の場合は国内での生産量が少ないことから、消費の際の対策に加え、海外からの安定的かつ安価な輸入ルートの確保・維持が欠かせない。今後の状況を鑑みるに、これらの改善化への投資増加を願いたいところだ。


■関連記事:
【世界中からお世話になってます…日本の石油・石炭・LNGの輸入元をグラフ化してみる】
【日本の一次エネルギー供給推移をグラフ化してみる】(現時点で最新版)

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー