猛暑日多数か所で観測、単週で年1万人突破・今年累計では3.5万人超え…熱中症による搬送者数は1週間で1万1672人(2015年7月27日-8月2日)

2015/08/04 11:00

総務省消防庁は2015年8月4日、同年7月27日から8月2日の一週間における熱中症搬送人数が1万1672人(速報値)であることを発表した。前回週の7743人(速報値からの改定値)と比べると3929人の増加となった。また今年の熱中症による搬送人数は、消防庁が今年カウントを始めた4月27日以降における累計人数としては3万5428人(速報値、一部改定値や確定値による累積)に達している。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では25人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は312人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)

今夏の電力事情に関して政府発表を元に精査した記事【「今年も数値目標なし」…2015年夏の節電要請内容正式発表】などで解説の通り、今年夏も昨年同様、法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請は発せられることなく、数字目標無しの節電要請に留まることとなった。しかし震災から4年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いはない。

さらに気象庁が春先に発表した中期予報では、気温は平年並み、あるいはやや低めで、7月から8月にかけては雨が平年よりは多くなるとの予想が出されていたが、6月は気温が高めに推移する可能性が高いとされ、熱中症への懸念も大きなものがあった。また昨年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認された。

そこで消防庁では【消防庁の熱中症搬送患者情報、今年は5月からだそうです】にある通り、昨年までは熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について5月中旬以降に開始していたものを、今年は4月末から開始し、逐次報告を行うことになった。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内

今回発表された各種値は今年の分としては第14週目のものとなる。過去に発表された速報値も少しずつ確定値に切り替えられており、いくぶんの増加が確認されている。

今回計測週では7月29日付で九州北部と東北北部で梅雨明けが宣言され、これですべての地域が梅雨明けの状態となった。また長期予報でも7月から8月にかけては気温が平年並みからやや高めとの予報に切り替わり、7月下旬から気温も上昇。28日から30日にかけては大気の状態が不安定となり一部地域で涼しさが得られたものの、それ以外では猛暑日が各地で多数観測されるほどの暑さとなった。特に8月1日からの約1週間は、東海から関東甲信、そして東北南部に至るまで気温が平年よりかなり高くなるとして、気象庁や各気象台は該当する地域に「高温に関する異常天候早期警戒情報」を発表し、注意をうながす形となった。また、夏季休業時期に入ったこともあり、各施設ではイベントも開催されたが、中には不十分な対応での実施の結果、多くの熱中症の疑いによる搬送者を出してしまう事案も発生している。


↑ 8月2日の「モンスターストライク」関連のイベントでは現場指揮本部が設置され、多数の熱中症の疑いによる救急搬送者が発生した。【直接リンクはこちら:幕張メッセで熱中症疑い11人搬送 炎天下の列で混乱(15/08/02) 】

地域別では東京都の1095人をはじめ、愛知県の989人、埼玉県の805人、大阪府の801人など、人口密集地帯で多くの搬送者が確認できる。全国に渡り暑い時期が到来したことをうかがわせる。

↑ 東京都の最高気温と天候(2015年7月27日-8月2日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2015年7月27日-8月2日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年7月27日-8月2日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年7月27日-8月2日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年7月27日-8月2日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年7月27日-8月2日)(搬送人数上位都道府県、人)

東京と大阪の気温動向を確認すると、該当週では東京・大阪共に全日が30度以上の真夏日(一日の最高気温が30度以上)認定がなされ、さらに東京では4日、大阪では3日が猛暑日(一日の最高気温が35度以上)となっている。特に大阪では8月1日に37.5度の高温が確認されている。

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも早くから今年向けの情報提供を開始しているところも確認できる(【今から熱中症対策をしましょう!(京都府京田辺市、2015年4月30日付け)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、5月13日から開始している。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト
↑ 環境省熱中症予防情報サイト

今回発表されたリリースでは日付を合わせる形で同年同時期の搬送者数を参考値として提示しているが、それによると昨年の同時期における搬送者数(確定値)は5712人。今年は速報値で比較するとそれより5960人多い計算になる。都道府県別の動向を見るに、いずれの地域でも前年同時期と比べて搬送者数は増えているが、特に愛知県や大阪府、兵庫県、東京都、埼玉県、神奈川県など、今回週の搬送者数上位の地域=人口密集地域において、搬送者数の増加率が大きいように見受けられる。ヒートアイランド現象との関連性も合わせ、大いに注意すべき状況には違いない。

電力需給の観点では昨年の状況から進歩がほとんど見られないのが残念な話ではある。ちまたで電力不足が騒がれ、また電気代の高騰が続くと、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もある)。せめてそれ以外の点で昨年よりも熱中症による救急搬送者が減るよう、各自最善を尽くしたいものだ。

なお【今週後半から来週にかけてスペシャルな暑さがやってくるとの話】でも伝えているが、現在進行中の週においては高温状態が予想され、実際にその状況が体現化される高温状態で推移している。一時的に雷雨が襲う場合もあるが、来週頭まではこのような状況が続くとの話もある。各自くれぐれも無理のない行動を心がけてほしい。


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