各地で猛暑日観測、単週で年初来最高値更新・累計で2万人超え…熱中症による搬送者数は1週間で7392人(2015年7月20日-7月26日)

2015/07/28 11:00

総務省消防庁は2015年7月29日、同年7月20日から7月26日の一週間における熱中症搬送人数が7392人(速報値)であることを発表した。前回週の6230人(速報値からの改定値)と比べると1162人の増加となった。また今年の熱中症による搬送人数は、消防庁が今年カウントを始めた4月27日以降における累計人数としては2万3359人(速報値、一部改定値や確定値による累積)に達している。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では3人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は156人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)

今夏の電力事情に関して政府発表を元に精査した記事【「今年も数値目標なし」…2015年夏の節電要請内容正式発表】などで解説の通り、今年夏も昨年同様、法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請は発せられることなく、数字目標無しの節電要請に留まることとなった。しかし震災から4年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いはない。

さらに気象庁が春先に発表した中期予報では、気温は平年並み、あるいはやや低めで、7月から8月にかけては雨が平年よりは多くなるとの予想が出されていたが、6月は気温が高めに推移する可能性が高いとされ、熱中症への懸念も大きなものがあった。また昨年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認された。

そこで消防庁では【消防庁の熱中症搬送患者情報、今年は5月からだそうです】にある通り、昨年までは熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について5月中旬以降に開始していたものを、今年は4月末から開始し、逐次報告を行うことになった。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内

今回発表された各種値は今年の分としては第13週目のものとなる。過去に発表された速報値も少しずつ確定値に切り替えられており、いくぶんの増加が確認されている。

今回計測週では20日付で中国・近畿・東海地方、北陸が21日付け、東北南部が26日付けと先週に続き各地で相次ぎ梅雨明け宣言が出され、本格的な夏の到来を思わせる状況となった。台風や熱帯低気圧も近づき九州などを中心に大雨をもたらしたものの、それ以外の地域、特に関東から東においては一部で梅雨前線が刺激される湿り気を見せる場もあったが、台風が運んできた熱波などの影響もあり、おおむね夏の暑さが襲い、週末にかけては各地で猛暑日が観測された。東京でも26日には今年初の猛暑日が記録されたのをはじめ、全国の観測地点928か所のうち129か所で猛暑日となった(【東京都心で初の猛暑日を記録。今日も続きそう......】)。この暑さや夏休みに入り外に出かける人も増えた事も合わせ、熱中症の発生・搬送に拍車がかかる形となった。


↑ 26日の猛暑を伝える報道映像。【直接リンクはこちら:全国的に猛烈な暑さ、今年最多129地点で猛暑日】

地域別では東京都の827人をはじめ、埼玉県の721人、千葉県の522人など、猛暑が襲った関東から東北地方にかけて、多くの搬送者が確認できる。

↑ 東京都の最高気温と天候(2015年7月20日-7月26日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2015年7月20日-7月26日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年7月20日-7月26日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年7月20日-7月26日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年7月20日-7月26日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年7月20日-7月26日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも早くから今年向けの情報提供を開始しているところも確認できる(【今から熱中症対策をしましょう!(京都府京田辺市、2015年4月30日付け)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、5月13日から開始している。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト
↑ 環境省熱中症予防情報サイト

今回発表されたリリースでは日付を合わせる形で同年同時期の搬送者数を参考値として提示しているが、それによると昨年の同時期における搬送者数(確定値)は8177人。今年は速報値で比較するとそれより785人少ない計算になる。都道府県別の動向を見るに、台風が大きな影響を与えた西日本では概して去年よりも少ない値に留まっているが、東日本では大きく伸びており、仮に台風による雨風が無ければ間違いなく前年の値を大きく上回ったことが予想される結果が出ている。

電力需給の観点では結局昨年の状況から進歩がほとんど見られないのが残念な話ではある。ちまたで電力不足が騒がれ、また電気代の高騰が続くと、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もある)。せめてそれ以外の点で昨年よりも熱中症による救急搬送者が減るよう、各自最善を尽くしたいものだ。

なお【今週後半から来週にかけてスペシャルな暑さがやってくるとの話】でも伝えているが、明日29日以降は再び高温状態が予想され、特に8月1日以降の一週間は東海から関東甲信、東北南部にかけて「高温に関する異常天候早期警戒情報」が発表されている。各自くれぐれも無理のない行動を心がけてほしい。


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