IP電話が漸増するも全体では減少…固定電話数の移り変わりをグラフ化してみる(2014年)

2014/08/24 14:00

総務省は2014年7月15日、毎年恒例となる【情報通信白書】の最新版、2014年版を公開した(【発表リリース:平成26年「情報通信に関する現状報告」(平成26年版情報通信白書)の公表】)。構成要素の一部は先行する形で発表されている「通信利用動向調査」の結果をベースにしているが、他にも多種多様な資料、調査結果を取り入れており、情報通信の現状を知るには有意義な内容となっている。今回は携帯電話の浸透普及と共に、その必然性を減少させつつある固定電話数(加入契約者数、以下同)の動向に関して、最新の値を盛り込んでグラフを生成し、現状の確認を行うことにする。

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同じ総務省の調査などを元にすれば、携帯電話の普及率は1995年時点では1%台だったのが、2000年には4割を超え、最新データでは112.5%という値が出ている(【複数データを基にした携帯電話の普及率推移】)。

↑ 携帯電話人口普及率(総務省調査・単身者含む)(電気通信サービスの加入契約数等の状況)(PHS除く)(-2014年3月)(再構築の上、再録)
↑ 携帯電話人口普及率(総務省調査・単身者含む)(電気通信サービスの加入契約数等の状況)(PHS除く)(-2014年3月)(再構築の上、再録)

一方固定電話(電話の設置を希望する契約者と、NTT東西との契約に従って敷設される電話回線による加入電話に加え、IP電話、さらにはCATV電話、そしてNTT東西以外の電気通信事業者が提供する直収電話も含めた総計)は漸減傾向を続けており、直近の2013年度末(2014年3月末)には5654万件となっている。携帯電話の普及率上昇と相反していること、昨今においては固定電話を持たずに携帯電話のみの世帯も増えていることから、電話インフラの所有・利用のトレンドが確実に変化を遂げつつあるのが分かる。

↑ 固定電話の加入契約者数推移(万契約、-2013年度末)
↑ 固定電話の加入契約者数推移(万契約、-2013年度末)

また固定電話内部においても、NTT東西加入の加入電話は、一般の加入電話・ISDN共に減少する一方、IP電話は漸増を続けており、直近では全固定電話のうち5割近くをIP電話が占める形となっている。停電時に使えない、緊急・特殊通話が出来ない場合もあるなどの短所も有しているが、安価に設置・利用できることから、固定電話を必要とする場面でのIP電話の利用は浸透を続けており、今後も契約数そのものに加えて固定電話に占めるシェアも増加していくものと考えられる。早ければ来年度にも「固定電話の過半数がIP電話」という状況になるだろう。

一方、携帯電話の普及に伴う固定電話の利用減退とのトレンドは、公衆電話にも表れている。むしろ減退感は固定電話よりも大きい(【公衆電話の設置数推移をグラフ化してみる(最新)】)。

↑ NTT東・西日本における公衆電話設置構成比推移(-2013年4月末)(再録)
↑ NTT東・西日本における公衆電話設置構成比推移(-2013年4月末)(再録)

今後は便宜性やコストパフォーマンの上で、携帯電話やIP電話の普及率(数)がこれまで以上に増えていくことは間違いない。一方、先の震災の時に大活躍した経験からも分かる通り、「万が一」の時のために頼れるインフラとして、固定電話(加入電話)や公衆電話が無くなることはありえない。

しかし固定・公衆電話が今後も引き続き、漸減傾向を続けることもまた容易に想像がつく。時代の流れとはいえ、少々寂しさを覚えるのは当方だけではあるまい。


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