直近終了年度販売台数は全世界で873万台、今期販売目標は760万台に…ニンテンドー3DS販売数動向(2014年度Q4・期末)

2015/05/08 13:00

任天堂(7974)は2015年5月7日、2014年度(2015年3月期、2014年4月から2015年3月)第4四半期(期末)決算短信を発表した。売上は前年同期と比べて減退しているものの、営業損益は大幅に黒字に転じ、経常利益・純利益は大きく底上されるなど、円安の進行などが効果を見せた内容となった。今回はそれらの業績は脇においておき、現時点で任天堂の主力携帯ゲーム機の座を維持しているニンテンドー3DS(3DS LL、Newニンテンドー3DS(LL)、さらに海外では2DSまで含む。要は3DSファミリー)における販売状況の分析を、今回発表された最新の各種データを基に行っていく。

スポンサードリンク


全世界で四半期販売台数は165万台、米大陸の販売が伸びる


データの取得場所の解説や、今記事で対象となる機種(3DSシリーズ)の概要などは一連の記事まとめページ【定期更新記事:ニンテンドー3DS販売動向(任天堂)】で説明しているので、必要な場合はそちらを確認のこと。

今回短信の添付資料で発表された各種データを元に、同機の販売動向をグラフ化したのが次の図。言葉通り積み上げ型のグラフなので、一番上にあるのが直近四半期の値となる。時期が進むに連れて販売台数は波のような動きを示しながら漸減する傾向にあるので、上に行くほど幅は狭くなる。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2015年3月)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2015年3月)

現時点で発売開始からの累計販売台数は、全世界で5206万台。直近年度の第4四半期のみならば165万台、今年度累計台数ならば873万台。今年度では当初販売目標を1200万台と設定していたが、第3四半期決算短信発表の際に目標を900万台に下方修正しており、それでもなおそのハードルを超えることは叶わなかった。

大きく状況を動かす事象が無い限り、第4四半期は1年を通した四半期の中でもっともセールスが落ち込みを見せる。年末年始の大セールの反動が主な理由。しかし今年度に限れば、そのパターンはくつがえされ、10月-12月期にこそかなわないみのの、4-6月期・7-9月期を上回るセールスを示すこととなった。これは日本国内外を問わずNew 3DS(LL)のセールスが堅調だったことに由来する。

「3DSファミリー」の中身だが、2四半期前までは「日本に限らず世界全体で3DS LLの販売が大きな割合を占めている」といった状況だったが、前四半期からは新ラインアップとしてNewニンテンドー3DS(LL)が加わったため、トレンドがそれらにシフトしつつある。前四半期では日本と一部地域の販売のみだったため中途半端なセールスだったが、今四半期では全地域での販売となり、状況は一変し、ほぼNew 3DS(LL)で占められる形となった。

海外専用機「2DS」はそれなりに健闘し、今四半期に限ってもアメリカでは4万台、その他地域では2万台との記録が確認できる(端数処理の関係で1万台前後の誤差の可能性あり)。しかし状況としては「2DS」の無い日本の方がむしろ、Newシリーズ以外のハードが売れている。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2015年1月-3月期)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2015年1月-3月期)

日本ではあまり変化はないものの、米大陸・その他の地域ではハードの販売シェアがほぼ総入れ替えとなった感はある。

未達度2.9%…長期的流れと販売目標に対する実績


続いて各種データを四半期(最初の期は発売時期の都合から1年間で仕切り)で区分し、各四半期における3地域の販売数を積み上げた形にしたのが次のグラフ。2011年度第1四半期の不調ぶり(全世界で72万台のみ)、そして値下げ効果と年末商戦効果により2011年度第3四半期が大きなセールスをあげた実態(836万台)、その反動で次四半期が再びセールスを落とした動向など、季節変動と各種販売方針で販売実績が大きく変化する様子が把握できる。また、大まかな流れとしては、年明けは鳴かず飛ばず、その後は少しずつ伸びはじめ、年末セールスで一挙に上昇するパターンが繰り返されている。これは3DSに限った話ではなく、多くのゲームハードに共通するパターン。見方を変えれば、いかにこの年末セール時にセールスを伸ばすかが、ゲームハードにおいては最重要の課題となる。

もっとも今四半期は上記の通り、新ハードとなるNewシリーズの投入に伴い、いくぶんイレギュラーな上昇を示している。見方を変えれば前四半期で年末のかきいれどきにも関わらず、いくぶん低い値が出たのは、Newシリーズの販売開始まで待った人によるものかもしれない。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2015年3月)(四半期推移)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2015年3月)(四半期推移)

四半期単位の動向では、年末商戦を含む第3四半期(10月から12月)が一番大きなセールスとなる。そしてその直後の四半期は反動もあり大きく落ちる。今四半期もその例に違わず、前四半期からは大きく落ち込んだものの、前年同期比ではむしろ3倍近い成長を示している。特に日本以外の地域での伸びが著しい。前回「新機種となるNewニンテンドー3DS(LL)の欧米市場への投入が間に合わなかったのが大きな痛手」とコメントしたが、その痛手の分がほぼシフトする形で数字となって表れたようだ。

最終的な2014年度期における販売目標台数(1200万台から900万台に下方修正)に対する到達状況を換算したのが次のグラフ。冒頭の通り、結局目標の900万台にはわずかながらも届かなかった。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2014年4月-2015年3月期における目標販売台数900万台に対する達成状況)(2015年3月末時点での同期内販売累計)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2014年4月-2015年3月期における目標販売台数900万台に対する達成状況)(2015年3月末時点での同期内販売累計)

達成率はおおよそ97%。大よそ達成と評するべきか、目標の下方修正後でも届かなかったと判断すべきか、難しいところではある。

なお次年度、つまり現在進行期における通年販売目標台数は760万台。恐らくは3DSファミリーにとって最後の巻き返し端末となるであろうNewニンテンドー3DSが全世界で発売され、年末商戦までにどこまで加速をつけることができるのか、気になるところではある。



今回発表された四半期(決算)決算短信では、Newニンテンドー3DSの投入によって3DSの販売台数の観点では多少の巻き返しを見せた。決算そのものは円安による為替差益が340億円発生したことによる利益の底上げなど、最終赤字となった前期からは大きな切り替えしを示している。

3DSそのものは今回発表された進行期における販売目標台数を見れば分かる通り、現時点ですでに終了前期と比べて販売台数の収縮が予想されている。他方、【任天堂とDeNAの業務資本提携とスマホアプリの展開、新ハードNXに関する所感】【任天堂とDeNAの資本業務提携、市場は短期的にはポジティブと判断】でも伝えた通り、これまでの戦略を大きく切り替え、スマートフォンをはじめとしたスマートデバイスへの進出も決めており、それについて「また、スマートデバイス向けゲームアプリを年内に配信開始することによる新たな収益も見込んでいます」と言及、明確な形で収益が発生しうる展開を行うとしている。

スマートデバイスへの進出はアプリ関連の展開よりも、それを含めた総合的な課金システム周りの構築と汎用化にあるのではとする説もあるが、現時点ではその詳細は不明のまま。期待は高まるばかりで、正直なところその期待の陰に3DSは隠れてしまっている感は否めない。

今年は3DSファミリーは、そして任天堂はどの方向へ走り、夢を見せてくれるのだろうか。


■関連記事:
【任天堂ゲーム機の販売動向をグラフ化してみる(主要ハード編)】
【ゲームをする時に一番良く使う端末はゲーム機? それとも……】
【スマホは高一3/4、高三6割…高校生の携帯電話所有状況】
【任天堂曰くの「ソーシャルゲーム」とは】
【10歳未満の子供のネット利用、ゲームに動画、知育アプリは3歳までで2割強】
【ソフトハード合わせて国内市場規模は4095億円、プラスダウンロードで103億円…CESA、2013年分の国内外家庭用ゲーム産業状況発表】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー