各地梅雨明け猛暑な暑さ、単週で年初来最高値・累計で1万5000人超え…熱中症による搬送者数は1週間で6165人(2015年7月13日-7月19日)

2015/07/22 11:00

総務省消防庁は2015年7月22日、同年7月13日から7月19日の一週間における熱中症搬送人数が6165人(速報値)であることを発表した。前回週の3190人(速報値からの改定値)と比べると2975人の増加となった。また今年の熱中症による搬送人数は、消防庁が今年カウントを始めた4月27日以降における累計人数としては1万5895人(速報値、一部改定値や確定値による累積)に達している。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では14人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は178人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)

今夏の電力事情に関して政府発表を元に精査した記事【「今年も数値目標なし」…2015年夏の節電要請内容正式発表】などで解説の通り、今年夏も昨年同様、法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請は発せられることなく、数字目標無しの節電要請に留まることとなった。しかし震災から4年が過ぎた今なお、電力需給の観点で安寧出来ない状況にあることに違いはない。

さらに気象庁の当時発表の中期予報では、気温は平年並み、あるいはやや低めで、7月から8月にかけては雨が平年よりは多くなるとの予想が出されていたが、6月は気温が高めに推移する可能性が高いとされ、熱中症への懸念も大きなものがあった。また昨年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認された。

そこで消防庁では【消防庁の熱中症搬送患者情報、今年は5月からだそうです】にある通り、昨年までは熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について5月中旬以降に開始していたものを、今年は4月末から開始し、逐次報告を行うことになった。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内

今回発表された各種値は今年の分としては第12週目のものとなる。過去に発表された速報値も少しずつ確定値に切り替えられており、いくぶんの増加が確認されている。

今回計測週では発達した低気圧や台風の接近に伴い、激しい雨が降る日・地域もあった一方、週頭と週末は真夏のような暑さが観測され、各地で「数十年ぶりの暑さ」などの報道がなされる形となった。また、7月15日には奄美地方、17日には九州南部、19日には関東甲信、20日には中国・近畿・東海と相次ぎ梅雨明け宣言がなされ、台風が梅雨の雨模様を一緒に日本から連れ去った感となっている。さらに週末は月曜(次回計測週分)にかけて連休の日取りとなったことから、そして多くの学校で夏休みを迎えることもあり、外に出かける人も増え、これが熱中症の発症に拍車をかけている。

各地で真夏日(一日の最高気温が30度以上)はもとより、猛暑日(同35度以上)を記録し、ニュースでも熱中症による救急搬送者の状況が報じられている。今回週では東京で5日、大阪では4日の真夏日が観測されている。


↑ 梅雨明け宣言が各地で行われ、熱中症発症も相次ぐ様子が報じられている。【直接リンクはこちら:梅雨明け次々と高齢者が・・・ 各地で“熱中症”続出(15/07/20)】

地域別では埼玉県の605人をはじめ、東京都の578人、大阪府の340人など、100人超えの地域が相次いでいる。埼玉県は前週に続いての最上位の搬送者数が計上されており、十分な注意を要する。

↑ 東京都の最高気温と天候(2015年7月13日-7月19日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2015年7月13日-7月19日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年7月13日-7月19日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年7月13日-7月19日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年7月13日-7月19日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年7月13日-7月19日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも早くから今年向けの情報提供を開始しているところも確認できる(【今から熱中症対策をしましょう!(京都府京田辺市、2015年4月30日付け)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、5月13日から開始している。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト
↑ 環境省熱中症予防情報サイト

今回発表されたリリースでは日付を合わせる形で同年同時期の搬送者数を参考値として提示しているが、それによると昨年の同時期における搬送者数(確定値)は3114人。今年は速報値で比較するとそれより3051人多い計算になる。都道府県別の動向を見るに、ほとんどの地域で前年を上回る値を示しており、特に搬送者数上位となった埼玉県や東京都では前年比で2倍から3倍もの値を示している。また群馬県や福島県や宮城県などでは5倍近くの値が確認されており、関東から東北にかけての気温上昇が、全体値を底上げしたように見受けられる。

電力需給の観点では結局昨年の状況から進歩がほとんど見られないのが残念な話ではある。ちまたで電力不足が騒がれ、また電気代の高騰が続くと、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像が出来る(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もある)。せめてそれ以外の点で昨年よりも熱中症による救急搬送者が減るよう、各自最善を尽くしたいものだ。


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