ニュースサイトの利用状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/11/01 05:20

インターネットの普及に伴い多くの人が自分の端末でアクセスすることにより、多様な情報を瞬時に取得することが可能となった。また蓄積された情報を検索し、図書館の蔵書を探るような形での精査を行う手立てを得られるのが現状。新聞のような紙媒体やテレビなど電波放送による一方向的な従来のメディアとは特性を大いに異とするメディアとなるインターネットを用いたニュース配信は、さまざまな変化を人々の情報との接し方の点でもたらし、そしてニュースメディア全体にも影響を及ぼしつつある。今回は総務省が2016年8月18日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、インターネットを用いたニュースサイトの利用者状況などを確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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ネット利用者中4割が利用、有料記事購入者は…


今調査の調査要項は先行する解説記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

次に示すのは、インターネット利用者におけるニュースサイトの利用者率。「ニュースサイト」に関する定義は公開値や質問票には無く、回答者が「ニュースサイト」の文言から判断できる対象が該当することになる。新聞やテレビの公式サイト、ポータルサイトが提供する二次配信サイトや独自ニュース、個人やグループによる情報配信サイトも含まれるものと考えられる。あるいはいわゆるキュレーションサービスのサイトやまとめサイトの類も、回答者の判断次第で該当している可能性はある。他方、動画や掲示板、メールマガジン、ソーシャルメディアそのものなどは、設問の上で別項目として明確に仕切り分けされているため該当しない。

↑ 過去1年間のニュースサイト利用者(2015年、インターネット利用者限定)
↑ 過去1年間のニュースサイト利用者(2015年、インターネット利用者限定)

全体では4割強。インターネット利用者の5人に2人はニュースサイトを利用している計算になる。未成年者では3割に届かないが、20代以降急速に利用率が増加していく。男性は20代から60代前半まで過半数を維持しているが、これは多分に就業中に使っているのだろう。60代以降も高めの値が維持される。他方女性は30代がピークで以降は少しずつ確実に利用率が下がる。男性と比べて値は低めで、なおかつピーク期間が短い動きからも、多分に男女のニューサイトの必要性の違いが見えてくる。

所属世帯年収別ではきれいな形で高年収ほど高利用率の結果が出ている。仕事の上で必要になる事例が、高年収ほど増えてくるものと考えられる。

今件につき、有料無料を問わずのニュースサイト全体では無く、有料のニュースに限った動向を知れるのが次のグラフ。「有料ニュースサイト」と明記された項目は質問票・公開回答値には無く、それに近しい「ニュース・雑誌記事」の有料記事購入者による比率。また今調査は6歳以上を対象としているが、15歳未満(小中学生)は自らの意志で対価を支払える立場には無いと判断されており、回答者は15歳以上となっているため、6-12歳・13-19歳の項目は回答値そのものが存在しない。

↑ 過去1年間のニュース・雑誌記事購入者(2015年、インターネット利用者限定)
↑ 過去1年間のニュース・雑誌記事購入者(2015年、インターネット利用者限定)

雑誌・ニュースいずれか片方でも購入していれば該当者となるため、ニュース単独の購入者はもう少し低くなるはずだが、それでも全体では3.7%でしかない。男女別では圧倒的に男性が多く、特に高齢層で男女差が大きく出ている。また、回答率のピークは単純なニュースサイト利用者と比べてやや年上となっており、年齢階層により対価を支払う余力のあるなしや、支払う価値を見出す記事のあるなしへの認識の違いが生じている実情が良くわかる結果となっている。

他方、所属世帯年収別ではこちらもほぼきれいな形で、高年収ほど高い値が出ている。やはり高年収ほど金銭的に余裕が生じており、より良い情報、興味をそそる内容を求めようとするのだろう。

全体比で見ると……!?


以上はインターネット利用者に占める比率。属性によってはインターネットへのアクセスそのものの状況が大きく異なるため、全体像をつかみにくい場合がある(ネットを使っていなければ、そもそもニュースサイトの利用はできない)。そこでインターネットを使う・使わないを問わず、調査対象母集団全体で計算をし直したのが次以降のグラフ。

まずはニュースサイト。例えば男性全体では33.0%とあるので、6歳以降の男性全員のほぼ1/3がニュースサイトを利用している計算となる。

↑ 過去1年間のニュースサイト利用者(2015年、調査対象母集団全体)
↑ 過去1年間のニュースサイト利用者(2015年、調査対象母集団全体)

男性は30代から50代まで過半数がニュースサイトを利用している。60代に入ると利用率はグンと落ちるが、それでも60代では3割から4割。一方女性は30代のピークでようやく5割に届くが、それ以降はほぼ一直線で利用率が減っていく。全年齢でも男性は1/3で女性はほぼ3割と、少なからぬ違いがある。

また年収別ではきれいな形で高年収=高利用率の形が出ている。低年収層ではインターネットそのものを利用していない場合もあろう。

これをニュース・雑誌の購入者で見ると、値は大きく下がる。

↑ 過去1年間のニュース・雑誌記事購入者(2015年、調査対象母集団全体)
↑ 過去1年間のニュース・雑誌記事購入者(2015年、調査対象母集団全体)

男女の差がはっきりと出る形となっている。また全体像としてニュースなどを対価を支払って購入している人がごく少数でしかない実態も把握できる。もっとも大きな値を示している属性、男性50代ですら6.1%でしかない。男性全体では3.4%、大よそ33人に1人の割合。年収2000万円以上の世帯構成員でも、大よそ18人に1人。

そもそも雑誌やニュースを有料で購入する機会が無いのも一因だが、海外では日本と比べて(誤解釈に等しい)フリーミアム的な意識が強く、さらに無形のコンテンツへの対価支払いには抵抗が強い。他方、有形だろうと無形であろうと、コンテンツ・情報には何らかの形でリソースが必要になる。

最適なビジネスモデルの模索は常に必要ではあるが、同時にコンテンツを利用する側の意識も変わっていかないと、質の向上や環境の改善は難しいかもしれない。


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