記事タイトル2015年5月の熱中症での病院搬送者は2904人、前年同期と比べると282人の増加

2015/06/16 05:00

総務省消防庁は2015年6月15日付で、同年5月の熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによれば同年5月における熱中症による救急搬送者は2904人となった。前年は5月19日以降の計測開始なため、同日分のみで比較すると、前年は1405人・今年は1687人となり、282人の増加となる(【消防庁:発表リリース一覧ページ】)。

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今年の5月は下旬に入ると一部地域で真夏日(一日の最高気温が30度以上)が観測されるようになった。5週目には週単位で1259人もの搬送者が計上されたが、これは急激な気温の上昇に身体が順応しきれなかった人が多数生じたことによるものと考えられる。また、気象庁が発表している暑さ指数WBGTが県庁所在地分の総数で2ケタに達すると、搬送者数の全国総数も一定数(今回月は150人)を超える、相関関係が確認されている。

今回の発表によれば、2015年5月の全国における熱中症による救急搬送人員は2904人。昨年は5月においては19日から調査を開始していることから、同じく19日以降の値で比較すると、2014年は1405人、2015年は1687人、よって20%もの増加となる。

↑ 熱中症搬送人員(2014-2015年、各5月、人)(19-31日)
↑ 熱中症搬送人員(2014-2015年、各5月、人)(19-31日)

↑ 熱中症搬送人員(2014-2015年、各5月、人数比)(19-31日)
↑ 熱中症搬送人員(2014-2015年、各5月、人数比)(19-31日)

昨年同時期と比べるとすべての年齢区分で人数は増加。特に今年は成人の年齢層で大きな増加が確認できる(プラス26%)。外出の必要性が多々生じ、結果として熱中症被害のリスクも高くなるこの年齢層にとって、良好な天候に伴う外出機会の増加と急激な気温の上昇は、熱中症発症を後押しする形に働いたのだろう。

搬送時の初診傷病程度は次の通り。前年同月の比較となるため検証が可能な前年のみからの動向となるが、人数は死亡以外で増加、比率では軽傷者がやや減り、中等症以上が増加しているる。患者の発生数そのものの減少だけでなく、発生・状況確認時の症状の軽減もまた、熱中症対策の上では求められる要素であり、今後も中長期的な視点から、油断することなく早期発見・早期対策が求められる。

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2014-2015年、各5月、人)(19-31日)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2014-2015年、各5月、人)(19-31日)

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2014-2015年、各5月、人数比)(19-31日)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2014-2015年、各5月、人数比)(19-31日)

ちなみに各症状の具体的内容は次の通りとなる。

軽症:入院を必要としない程度

中等症:重症または軽症以外の病状

重症:3週間の入院加療を必要とするもの以上

死亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「軽症」と「重症」の容体を比較した上で勘案すると、「中等症」とは「3週間未満の入院を必要とするもの」と判断できる。つまり「重症ほどではないが、搬送時には相当状態が悪化しており、入院措置が必要な状況」。本人の無理がたたった、または他に誰もいない環境下で気を失い、第三者による発見が遅れたことが想定できる。見方を変えると2015年5月の該当期日においては、7割近くの熱中症による救急搬送者は入院をせずに済んだことになる(2015年5月全日でも軽症比率は66.7%)。

自分自身への注意を怠りなくするのと共に、異常を感じたらすぐに水分補給、涼しい場所への移動、楽になる姿勢を保つなど各種対応を行うのは常識論のレベル。それと同時に身の回りに体力の不安な人(療養中や病症で通院中の人)、身体の衰え(老化)などの理由から適切な反応が期待できない人が居る時には、積極的に声をかけるなどして、熱中症の発生を極力防ぐ姿勢を望みたい。

なお今回の確定報により、2015年5月1日から9月(夏期)における搬送者数総計は2904人となった(当然5月単月分と同じ)。

↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2014-2015年)(2014年5月は19-31日)(各年5月-9月の累計)
↑ 夏期熱中症救急搬送人員(2014-2015年)(2014年5月は19-31日)(各年5月-9月の累計)

今年は気象庁の中期予報によると、7月から8月にかけては気温は平年並み、雨量はやや多めになるものの、6月は気温が高めとの予想が出ている。昨年の搬送者動向(ゴールデンウィーク前後に搬送者が多数確認された)をかんがみ、今年は例年より早い4月27日から調査を開始しているが、例えば5月2日(土曜日)は単日で140人が計上されるなど、昨年同様多数の搬送者が計上される形となった。また昨年と比較が可能な月後半に限っても、月末にかけて真夏日が各地で報告され、それに合わせて多くの熱中症患者が搬送される事態が生じている。

6月は初週こそ梅雨入りを受けて天候が悪化し、気温も低下したことで搬送者数は減少の動きを示したが、それ以降は気温の上昇が確認されているため、搬送者数も増加していることが予想される。熱中症への対策は、多分に身体の健康管理そのものにもつながる話ではある。体調管理の視線で自分の、そして周囲の体を気遣い、その中で熱中症に対する注意と配慮をしてほしいものだ。


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