強い、強いぞタブレット…電子書籍購入者状況をグラフ化してみる(2014年)

2014/07/15 11:00

アマゾンによる電子書籍リーダーも兼ねたタブレット機「キンドル」の国内販売の開始と普及、回線の高速化とインターネットへのアクセス環境を提供する端末の高性能化、スマートフォンやタブレット型端末のような機動力の高い端末の普及、そして漫画や書籍のビデネスモデルの多様化など、多種多様な要因、環境の変化に伴い、電子書籍は急速に普及しつつある。今回はその実情を探るため、総務省が2014年6月27日に発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、有料で購入された電子書籍の購入者率を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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タブレット型端末と電子書籍の相性は最強


今調査の調査要項は先行する解説記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

「通信利用動向調査」では電子書籍に関して、対価を支払って購入した人の割合・人数を確認できる。残念ながら無料で閲覧できるタイプの電子書籍利用者は推し量れないが、購入タイプの電子書籍利用者動向はこの値を基に知ることが出来る。

次に示すのは、純粋なインターネット利用者に対する電子書籍の購入者の割合。いわゆる比重調整や無回答者による調整をしていないので、現実にはもう少し上の値である可能性がある。例えばタブレット型端末の場合、9.3%と出ているので、タブレット型端末を使ってインターネットを利用している人の9%強は、過去1年間においてその端末で電子書籍を購入した経験があるということになる。

↑ 電子書籍の購入者比率(2013年末、インターネット利用者限定、比重調整・無回答調整なし)
↑ 電子書籍の購入者比率(2013年末、インターネット利用者限定、比重調整・無回答調整なし)

Pew Research社によるアメリカの電子書籍やタブレット型端末の調査で複数の具体的事例が出ているが、電子書籍とタブレット型端末の相性は極めて良い。雑誌や新聞を読む感覚で、タブレット経由で電子書籍を読めるからだろう。今件調査結果でも、他の機種などを抜きんでる形で高い値を示しており、タブレット型端末における電子書籍の有効性、購入性向の高さが改めて認識できる。

意外にもパソコンは低め。スマートフォンにすら及ばない。電子書籍が多分に機動力を求められていることが想像できる。

世代別では男女とも30代が最大で、以降は歳を経るに連れて減少。また男女別では男性の方が購入意欲の点で旺盛なようだ。

実数は……どうなんだろうか?


タブレット型端末が電子書籍と相性が良い、アクセス端末の機動力は電子書籍に大きな影響を与えるなどの特性は大よそ把握できる。一方で「実数としてはどれほどの人が購入しているのだろう。タブレット機と電子書籍との相性は良くわかるけど、タブレットってまだ普及台数はさほど多くないよね??」という疑問もわいてくる。

そこで「通信利用動向調査」における実回答数を…と考えたのだが、上記にある通り素のデータでは比重調整や無回答者が成されていないので、やや気が引ける。そこで全体、つまりあらゆる属性をまたいだ、全電子書籍購入者の数を1.0とし、それぞれの属性の実購入者数を比率で概算算出することにした。その結果が次のグラフ。例えば全体で電子書籍を購入した人が100人だとしたら、パソコンで買った経験を持つ人は94人ということになる。重複カウントがされていることに注意。

↑ 電子書籍の購入者比率(2013年末、インターネット利用者限定、比重調整・無回答調整なし、全体購入者数を1.00とした場合の相対比率)
↑ 電子書籍の購入者比率(2013年末、インターネット利用者限定、比重調整・無回答調整なし、全体購入者数を1.00とした場合の相対比率)

絶対数ではパソコン経由による購入者が一番多く、次いでスマートフォン、タブレット型端末、従来型携帯電話と続く。パソコンによるインターネット利用者が多いため、利用者に対する比率は低くても、購入絶対数は多くなるという次第。ただしインターネット利用者に関しては、タブレット型端末はパソコンの1/5程度でしかないにも関わらず、電子書籍購入者「数」は半分程度にまで肉薄しているというのも、驚くべき結果といえる。



今件「通信利用動向調査」では無料閲覧による電子書籍の利用状況は一切反映されていないため、全貌と表現するには程遠い値ではあるが、それでも電子書籍の現状の一部を確実に認識できるものとして、意義のあるものといえる。今後タブレット型端末の普及が広まるに連れて、電子書籍の利用性向がどのような変化をとげていくのか、電子書籍の市場の拡大動向と合わせ、大いに注目・期待したいところだ。


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