全体でもスマホがトップ、PCの順位逆転は40-50代…ソーシャルメディア利用時の端末動向(2014年)

2014/07/10 08:00

日本における昨今のインターネット界隈の変化ぶりを象徴する事象を挙げるとすれば、スマートフォンの普及率向上とソーシャルメディアの浸透、この2つを欠かすわけにはいかない。そして両者は非常に相性が良く、片方の普及がもう片方に大きな影響を与えている、深い連動性があることでも知られている。それでは実際問題として、ソーシャルメディアを利用している人はどのような端末を使っているのだろうか。総務省が2014年6月27日に発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、現状を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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今調査の調査要項は先行する解説記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。また今件で対象となる「ソーシャルメディア」だが、今調査では明確な明確な定義づけはなされていない。しかし他項目で別途選択肢として存在することから、広義では含まれることになる掲示板や動画投稿サイト、ブログは該当しないものとする。一方、「LINE」などのようなチャット系コミュニケーションサービスは世間一般的にはソーシャルメディアに含められており、回答者も事前説明が無ければそのように判断することから、該当するものと見なす。

また、少々ややこしい話になるが、以前【利用端末別ソーシャルメディア利用率動向】で解説した値は、「各端末利用者」におけるソーシャルメディア利用率。今回は、「ソーシャルメディア利用者」における端末種類利用率であり、視点・切り口は別個のもの。

まずソーシャルメディアの利用率そのものだが、インターネット利用者のうち、全体では大体4割強。20代では6割を超え、50代以降は減少幅が大きくなる。ただし60代でもネット利用者の2割前後はソーシャルメディアをたしなんでいる。

↑ ソーシャルメディア利用率(2013年末)(世代別)(インターネット利用者対象)
↑ ソーシャルメディア利用率(2013年末)(世代別)(インターネット利用者対象)

これら「ソーシャルメディアの使い手」の人達がアクセスをする際に、どのような端末を使っているのかを示したのが次のグラフ。複数回答であり、例えば「メインはPCだが外出時はスマートフォン」「Facebookはタブレット機、LINEはスマートフォンで」という事例もある。その時はそれぞれ別個の端末を答えているため、4区分の合計が100%を超えている。

2012年から2013年にかけて、非常に大きな変化が生じている。そこで今件は上書きタイプの記事ではあるが、双方の値を併記することにした。なお2013年においては掲載端末種類以外に「ゲーム機など」があるが、回答率が低いことなどから今回は考察外として掲載はしていない(もっとも6歳から12歳の年齢区分では2割ほどいるので、今後検証する必要が生じてくるかもしれない)。

↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2012年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)
↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2012年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)

↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2013年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)
↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2013年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)

個々の利用端末を使える環境下になければ、その端末を使ってのアクセスは当然不可能。従って各世代別の利用率、それぞれの端末の相対率は、個々の端末の「保有・利用率」に近い形となる。

直近2013年の端末毎の動向としては、全体でパソコンが4割強なのに対しスマートフォンが8割近くと、2倍近い差をつけて利用率が高い状態となっている。これはスマートフォンの画面の広さ、機動力の高さ、使いやすいアプリの浸透など、多様な好条件がそろった結果といえる。グラフ化は略するが、今調査では「家庭内からソーシャルメディアを利用する際の『主な端末』」も聞いており、この設問でもスマートフォンが一番となっている。回答率はスマートフォンがパソコンの2倍以上で、しかも50代までがスマートフォン優性である。

スマートフォンの優位性は40代まで続き、50代になってようやくパソコンとポジションが入れ替わる。この経年による利用率の変化は、端末保有率、インターネットのアクセス窓口としての利用率とほぼ一致している。

かつてソーシャルメディア利用時の主流だった従来型携帯電話(今件選択肢では「携帯電話・PHS等」)は1割程度に留まっている。ただし40-50代以降、スマートフォンの利用率が下がるにつれて値を伸ばし、最大4割強の利用率を示すことになる。シニア層においては携帯電話としてだけでなく、インターネットの窓口としても従来型系電話は主流であり、それはソーシャルメディアにおいても変わらない。

最後にタブレット型端末。これは利用率が低めだが、本体そのものの普及率の低さが原因。ただし6-12歳においてはきわめて高く、パソコンすら超えてスマートフォンに肩を並べる28.6%という高率をはじき出している。これは前述の通り、保護者が玩具として子供にタブレット型端末を与えているのが原因。また60代前半でもやや高めの値が出ているのは興味深いところ。

そして前年、2012年分との違いだが、パッと見で「2012年…青色(PC)が多い」「2013年…緑色(スマホ)が多い」という印象を受けることからも分かる通り、パソコンからスマートフォンへの大きな変化が起きたことが一目で確認できる。全体値でもパソコンとスマートフォンの立ち位置が逆転し、さらに大きな差が開いている。従来型携帯電話の縮小と、スマートフォンの伸び程度は予想できたが、よもやここまで大きな変化が生じるとは、少々驚きである(もっともこの伸びの多分は、「LINE」のカウントによるものだろうが……)。

また、シニア層でパソコンが減り、従来型携帯電話が伸びたのも意外な動きではある。



今後スマートフォンとタブレット型端末そのものの利用率は、さらに上昇することが予想される。それと共に「ソーシャルメディアへのアクセスはスマートフォン、タブレットで」の利用スタイルを取る人は、ますます増加することになる。2013年分では40代・50代がパソコンとの立ち位置逆転のラインだったが、来年にはもう少しシフトする可能性も否定できない。

前年時において”10代-30代に至るまで、「ソーシャルメディアへのアクセスで利用率がもっとも高い端末は、スマートフォンかタブレット」”となるかもしれない、と記述したが、その際には半ば有り得ないだろうという心境だった。しかし実際にはその想定すら超える結果が出ている。官公庁ですら各ソーシャルメディアのアカウントを保有し公的情報を配信する中で、今後利用端末の種類はどのような変化をとげていくのか。来年の成り様が早く見たいものである。


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