夏物商品やカウンターコーヒーなどが堅調…2015年5月度のコンビニ売上高は既存店が1.6%のプラス、2か月連続

2015/06/23 05:00

日本フランチャイズチェーン協会は2015年6月22日に、コンビニエンスストアの同年5月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は前年同月比でプラス1.6%となり、2か月連続のプラスを示すこととなった。気温が上昇したことを受けてアイスクリームなどの涼を取る商品が好調に推移したのに加え、カウンターコーヒーなどの各種レジ前食品などもよく売れたのが大きく貢献した。来店客数は先月に続き既存店でもわずかながらプラスを示している(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は2か月連続のプラス、全店は27か月連続のプラス
全店ベース……+6.2%
既存店ベース…+1.6%

●店舗数(前年同月比)
+4.2%

●来店客数:既存店は4か月連続のプラス、全店は50か月連続のプラス
全店ベース……+4.7%
既存店ベース…+0.1%

●平均客単価:既存店は2か月連続のプラス、全店も2か月連続のプラス
全店ベース……+1.5%(597.9円)
既存店ベース…+1.5%(590.4円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+2.3%
加工食品……+1.1%
非食品………−1.2%
サービス……+19.4%
合計…………+1.6%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

5月は降水量が少なめで平均気温も高めに推移したことから、アイスクリームやソフトドリンクなどの夏物商材が好調に推移した。また、カウンターコーヒーをはじめ各種カウンター上に設置された商品群(ドーナツや揚げ物など)、おにぎりなどが好調に推移したことから、売上に大きな貢献をもたらすこととなった。

なお昨年同月の2014年5月は消費税率引上げ後2か月目に相当するが、その時の非食品はマイナス3.0%。本来なら反動による底上げがあってもおかしくないが、その前提の上でも今回月ではマイナス1.2%と落ち込んでいる。前年が全店ベース、今回が既存店ベースのため単純比較はできないが、消費税率周りの反動による影響はほとんど無くなったと見て良いだろう。むしろたばこの売上がさらに落ち込んでいるのではないかとの推測もできる(もっとも報告書には特記事項は無い。また雑誌に関する言及も無い)。

商品構成別の売上高の動向を確認すると、淹れたてコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はプラス2.3%、加工食品は1.1%、非食品はマイナス1.2%となった。客数がプラス0.1%でほとんど影響が無いことを合わせ見ると、日配食品、加工食品は実質面でもそれなりに売り上げを伸ばしている、非食品は落としていることが分かる。他方、構成比は5.5%と少なめだが、サービスはプラス19.4%と2割近い伸び率を示しており、今後の成長も大いに期待できるものとして注目したい。

昨年夏まではガソリン代の高騰が来店機運の足を引っ張り、集客の観点でマイナスに働いているのではとの懸念があった。昨今では原油価格の安定化に伴いガソリン代もそこそこの値で落ち着いており、その観点における心配は薄れている。しかしここ数年来懸念されていたたばこや雑誌の売上の減退、集客力の縮小を押しとどめるまでには至らない。

セブンカフェ&ドーナツかつてコンビニの集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。それぞれ単独の動向を知りたいところだが、日本フランチャイズチェーン協会の月次レポートではそれを推し量ることはできない。ただし年次ベースなら、たばこは大手コンビニが発表しているアニュアルレポート、雑誌ならば「出版物販売額の実態」を通して概況を推し量ることはできる(【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる】)。恐らく2014年分も昨年分、あるいはそれ以上に売り上げを落としているに違いない。

代替軸となる各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供される淹れたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品(昨今のセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンにおけるドーナツも良い例)は順調に成長を続けているが、今なお模索が続けられていることからも分かる通り、不安定要素は大きい。

イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められている。関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。


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