原油先物(WTI)価格の推移をグラフ化してみる(2015年)

2015/06/21 10:00

昨今ガソリン価格、そしてその大本となる原油価格の動向に大きな注目が集まっている。為替にも影響されるため日本国内のガソリン・灯油価格の変動は海外と比べればゆるやかなものだが、それでも小さからぬ値動きが生じている。そして国際情勢は原油価格の変動を受け、大きな変化が生じ、また逆に国際情勢も原油価格の変動を起因として少なからぬ変化が起きている。そこで今回は原油先物(WTI、アメリカ南部などで産出される原油ウェスト・テキサス・インターミディエイト(West Texas Intermediate)の先物価格。原油価格の指標的な立ち位置にある)の動向を確認し、石油(原油)価格の変遷を眺めることにした。

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データ取得元はアメリカのエネルギー省(EIA、Department of Energy of the US government)が提供している【原油などの価格動向に関する各種データ提供ページ(Petroleum & Other Liquids/DATA))】。ここから「Spot Prices」を選び、リスト上記にある「Crude Oil(原油)」から「WTI - Cushing, Oklahoma」を選び、「View History」ページに移行。その上で月次データを取得する。今件データはオクラホマ州のCushingに位置する売り手側施設での価格。現時点では2015年5月分までが確認できる。

↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、1986年1月-、月次)
↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、1986年1月-、月次)

直近の金融危機、いわゆる「サブプライムローンショック」後の資源価格高騰時における価格の急騰が一番目立つ(2008年中頃)が、それ以外でも中期的に原油価格は上昇傾向にあること、そして2009年以降は値を高値に戻した後、もみ合いを続けて100ドル内外での値を維持、さらに直近ではイレギュラー的な下げ方を示している事が分かる。後述するが2015年1月末辺りで原油価格は底値を打ち、反転の兆しを見せているものの、やもすれば直近の最安値、39ドル09セントを切るのではとの勢いで下落していた。そして直近では底値を打ち、リバウンドに移行したように見える。

月次ベースでの最新の値は2015年5月分の59.27ドル。前月の54.45ドルよりは高値を付けているものの、前年同月の102.07ドルからはおよそ半分の値に留まっている。ほぼ昨年12月の値と同じである。

続いて1946年1月から月次単位でWIT価格を保存している場所「Economagic.com」で取得したデータによるグラフ。【Price of West Texas Intermediate Crude; Monthly NSA, Dollars Per Barrel】から逐次データを取得していく……が、2013年7月までしか値を確認できないため、それ以降のは上記のEIAのデータで補完する。なお「年ベースでの最高値」「平均値」では無く「毎年の12月の値」を元にしている(直近2015年は最新の5月分の値を反映)ため、例えば2008年の値は同年で最高値を付けた夏の130ドル強では無く、12月の40ドル強になっていることに注意。

↑ WTI価格(各年12月時点)(1バレルあたり)
↑ WTI価格(各年12月時点)(1バレルあたり)

1970年頃まではほとんど固定相場で非常に安価(例えば1950年なら2.57ドル)だったのが、オイルショック(石油危機)前からじわじわと上昇。1970年代のオイルショックで大きく値を上げていく。その後はやや安値となり小刻みな上下を見せつつも安定していたが、21世紀に入ってから再び大きく上向いている様子が分かる。また2008年以降の資源高騰とその後の反動による急落が、いかに異常な状況だったかも理解できよう。



昨今では冒頭にある通り原油価格の大きな変化が国内外で様々な動きを誘発しており、原油の影響力の大きさが理解できる。昨今の原油価格の急落の原因は最後にリストアップする関連記事でまとめてあるが、その変動の大きさをより詳しく確認するため、金融危機ぼっ発の2007年以降の月次(2015年5月分まで)、そして2014年頭以降の日次動向を取得できる範囲でグラフ化しておく。

↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、2007年1月-、月次)
↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、2007年1月-、月次)

↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、2014年1月1日-、日次)
↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、2014年1月1日-、日次)

2014年以降に限れば、2014年6月20日に付けた最高値107ドル95セントと比べ、直近の2015年4月13日は51ドル95セント、大よそ5割台にまで下落している。また昨年夏以降下げ基調が続いていたが、2015年1月頭にいくぶん上昇を見せた後、失速。2015年3月17日に最安値の43ドル39セントをつけた後は再び値を戻しつつある。5月に入ってからは60ドルを行き来する形でのもみあいを継続しており、今後どちらに動くかは予想がつきにくい。

1年足らずでここまで急激な変化が起きると、原油の輸出入が経済に大きく関与している国では、さまざまな変化が急に生じるため、対応が難しくなってしまう。昨今の国際情勢、そして原油産出国の思惑も多分に影響していることを思い返せば、今後の動きにも大いに注目しなければなるまい。


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