従来型携帯電話とスマートフォンのインターネット利用状態をグラフ化してみる(2014年)

2014/07/04 14:00

従来型携帯電話の高性能ぶりが仇となり欧米から数年遅れる形となったが、日本でもようやく携帯電話の主流が従来型からスマートフォンへとシフトしつつある。スマートフォンに利用機種が移行されるもっとも大きな理由は、インターネットへのアクセス機能の桁違いの向上ぶりにあるわけだが、それでは現時点において、携帯電話を用いたインターネット利用状況はどのようなパワーバランスにあるのだろうか。総務省が2014年6月27日に発表した「通信利用動向調査」を基に、その実情を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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若年層では圧倒的にスマホ、中堅層で従来型が逆転


今調査の調査要項は先行記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済みなので、そちらを参考のこと。

次以降に示すのは、「モバイル系端末(従来型携帯電話以外にスマートフォンを含み、タブレット機は含まない)」に限定した「インターネットの利用率」。なお今件ではタブレット型端末はモバイル系端末からは除外している。また各値は全体比(未回答者除く)における値。例えば「全体の従来型携帯電話のみの値は20.3%」と出ているので、調査対象母集団全体(携帯電話保有者やインターネットの利用者限定では無い)の20.3%が、過去一年間においては従来型携帯電話のみでインターネットを利用した経験があることになる。参考までに一年前のデータによる同様のグラフも併記しておく。

↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(2013年末)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(2013年末)

↑ (参考)モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(2012年末)
↑ (参考)モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)(2012年末)

若年層におけるスマートフォンの浸透ぶりが目に留まる。13-19歳では従来型携帯電話と併用している人も合わせると64.2%とほぼ2/3に至る。そして20代になると従来型携帯電話からの乗り換え(かつそのまま併用)をしている人も合わせ、8割強に達する。昨年のデータと比べても、加速度的な広まりだ。

30代以降は従来型携帯との併用も合わせ徐々にスマートフォンのネット利用者は減り、60代後半になると1割を切る。また、従来型・スマートフォンの利用率の転換点は40代と50代の境目。表現を変えれば、50代以降の「携帯電話によるインターネット」は「従来型携帯電話」経由メインであって「スマートフォン」メインでは無い。

また2012年末分と比べると、急速な勢いによるスマートフォン利用者の加速、さらには従来型の併用者の減少が確認できる。新型機のラインアップはほとんどがスマートフォン、従来型は入手する機会すらほとんど得られない。併用するメリットもあまり無く、コストばかりかかるとなれば、スマートフォン1つに利用を絞り込むのも道理というものである。

高年収ほど高利用率


続いて所属世帯の年収別利用性向。これは大方の予想通り、年収が高くなるほどモバイル系端末によるインターネット利用率は増加する。

↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(所属世帯年収別)(2013年)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(所属世帯年収別)(2013年)

【スマートフォンとタブレット機、月次支払額はいくら位?】などで解説している通り、そして多くの人が実体験しているように、従来型携帯電話よりスマートフォンの方がランニングコストは高くつく。低年収の方がやりくりが厳しくなるため、スマートフォンまで手が出せない状況が確認できる。

年収が一定ラインに達すると、スマートフォン「のみ」の所有率はさほど変化が無くなり、従来型携帯電話との併用が増え、これが全体的な利用率を漸増させる要因となる。従来型・スマホを併用しても許容できるお財布事情の余裕度合いが見えてくる。最高年収になると従来型の利用率がやや増え、スマートフォンの利用率が幾分減るという、それ以下の層とは逆行する動きがあるが、これは多分にイレギュラーなものだろう。もっとも統計値を精査すると、この年収層は多分にシニア層(65歳以上)で占められていることから、年収よりもその構成員の年齢が多分に影響している可能性はある。

世帯構成別の動向を確認


最後に世帯構成別。回答者の所属する世帯の構成別で、利用性向にどのような変化が生じるかを見たものだ。

↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世帯構成別)(2013年)
↑ モバイル系端末(従来型携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世帯構成別)(2013年)

単身世帯(非高齢者。高齢者は60歳以上)では金銭的にも余裕があり、自分で操作技術を習得できる場合も多く、携帯インターネット利用率全体も、さらにはスマートフォン利用率も高い。一方同じ単身世帯でも高齢者のみでは、操作などを教えてもらえる機会も少なく、また従来型携帯電話で満足していることもあり、スマートフォンの利用はごく少数となっている。そもそも論としてモバイル系端末によるインターネットへの利用機会自身があまりない。

ところが同じ高齢者でも、二世代に渡る世帯の構成員となると、高齢者単身世帯と比べてスマートフォンによる利用率がそれなりに高い値を示すようになる。回答者本人が高齢者でも、子供などに教えてもらえる機会がありえるため(無論双方とも高齢者の場合もあるが、互いに教え合うことで、一人よりははるかに楽になる)、技術的ハードルを超えやすいものと考えられる。



世間一般のイメージは「従来型携帯電話=古い、前世代」「スマートフォン=新しい、新世代」。企業の戦略もそれに従う形で、全面的にスマートフォンをプッシュしている。本文でも触れたが、携帯電話事業者による季節ごとの新商品ラインアップは、そのほぼすべてがスマートフォンで占められている(従来型携帯電話の新作が登場しない場合すらある)。しかしタッチパネルの操作問題や、スマートフォンが「携帯電話」としてよりはむしろ「パソコン」に近いツールなことから、シニア層へのトラブルが懸念されるのも事実。

万人にスマートフォンへの切り替えを推し進めるのではなく、ボタン押し方式の従来型携帯電話の改良型(「マルチメディアフォン」と呼ぶこともある)の選択肢も残した方が、需要に合うだけでなく、特にシニア層からは喜ばれそうな気がするのだが。


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