過熱感で警戒強まる…野村證券、2015年6月分の個人投資家動向発表

2015/06/12 04:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年6月11日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年6月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で下落し、39.6を示すこととなった。株価の先行きに関しては「小規模な下落」を見込む意見が先月と比べ、最大の回答率増加幅を示している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年6月1日から6月2日に行われたもので、男女比は82.8対17.2。年齢層は50代がもっとも多く33.3%、次いで60歳以上が32.7%、40代が25.4%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く28.8%、500万円-1000万円が18.3%、5000万円以上が15.1%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が最高比率で33.6%、次いで10年から20年未満が31.7%、5年から10年未満が26.7%と続いている。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で49.4%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が24.6%と1/4強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(約3/4)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は39.6ポイント。前回からは12.4ポイントの下落。前月の上昇からは転じる方向性の動きで、下げ幅は大きめ。この時期、日経平均株価は前月比で1278円ほど上回っており、過熱感で今後株価が下落に転じると考えた人が増えたようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で69.8%。前月分の76.0%からは6.2%ポイントの下落。こちらも投資指数同様に下落している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様だが、「1000円程度の下落」を見込む意見が4.7%ポイントと最大の上昇幅を示している。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大値を示したが、先月からは下落。「為替動向」がもっとも大きな上昇幅となる7.8%ポイントを示している。円安ドル高が進んだことを背景にしているようだ。

・魅力的な業種は「自動車」「金融」「資本財・その他」「医薬品」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「電気機器・精密機器」「素材」「通信」「運輸・公共」「消費」はマイナス圏。「消費」は今回月は大きく下落し、9.3ポイントの下落を記している。

・ドル円相場に対する見通しは「やや円高ドル安」の意見がもっとも多いが、「やや円安ドル高」とほぼ同じ値を示している。他方、それより大幅な為替レートの変化の見通しでは円高ドル安の方向性を見込む人が多い。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「日本円」「オーストラリアドル」が続く。「日本円」は値を下げ、「アメリカドル」は上げている。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナス。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られないが、「預貯金」「国内投資信託」がいくぶん値を上げている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
3位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
4位……ソフトバンク(9984)
5位……パナソニック(6752)

鉄板のトヨタ自動車は別として、それ以外の銘柄は多分に時節に合わせて上下する傾向がある。今回月では金融系銘柄が上位を見せ、回答時期に値を上乗せした金融セクターへの銘柄に注目が集まっている状況を裏付けしている。



今回月は株価が大きく上昇し、日経平均株価が節目となる2万円を超えた時期と重なったため、過熱感から来る及び腰、警戒感が強く現れる形となった。

アノマリー的な話では年度を超えるとゴールデンウィーク前後までが上昇機運を示し、その後株価は低下の動きを示すこととなる。しかし今年はそれを無視する形で、株価は何度かの戻しを見せながらも確実に上昇している。今後はどのような動きを示すのだろうか。


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