十年余りの携帯電話普及率推移をグラフ化してみる(先進諸国編)(2014年)

2014/07/16 08:00

【国際電気通信連合(ITU: International Telecommunication Union)のデータ項目ページ】では定期的に主要国(ITU加盟国)の携帯電話やインターネットに関する統計資料をまとめ、各国の動向を推し量れるデータを公開している。概略的なものではあるが諸国の通信機器の普及推移が分かる、貴重な資料である。今回はその中から「先進諸国の携帯電話普及率の推移」を2014年の時点で抽出し(収録されているのは前年2013年分まで)、グラフ化とその状況の精査を行うことにする。

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「先進(諸)国」との言葉には色々な定義、見方があり、その定義に関して意見の対立も見られる。そこで今回は「G7各国」という明確な定義を用い、その各国を対象とする。ロシアを加えてG8でも良いが、ロシアの携帯電話普及率推移は、むしろ新興国のそれに近い。よって同国動向は別の機会に譲ることにする。

まずは現時点で公開されている最新値、2013年における携帯電話普及率。この携帯電話には従来型携帯電話(フィーチャーフォン)以外にスマートフォンなども含む。また、単純に「契約者数÷人口」で普及率を算出していることに注意。後述するが100%を超える値を示す国もある。

↑ 携帯電話普及率推移(契約数/人口)(G7対象国)(2011-2013年)
↑ 携帯電話普及率推移(契約数/人口)(G7対象国)(2011-2013年)

イタリアの158.9%をはじめ、複数国が100%を超えている。これは「契約数÷人口」から算出しているのに加え、以前【インターネットと携帯電話の普及率を世界の他国と比べてみる】でも解説した通り、「プリペイドの扱いやSIMカード(契約者情報を記録したICカード)の互換性への対応が各国で異なること」を起因とする。要は一人が複数枚のSIMカードを「契約」し、電話をかける相手によってカードを切り替え、少しでも安い料金で利用しようとする「生活の知恵」的な使い方による。例えば1人が3枚のSIMカードを使い分けているとすれば、契約数は3、人数は1人なので、普及率は300%となってしまう次第である。

これを公開され確認ができる値、2000年以降の動きについてグラフ化したのが次の図。

↑ 携帯電話普及率推移(契約数/人口)(G7対象国)(-2013年)
↑ 携帯電話普及率推移(契約数/人口)(G7対象国)(-2013年)

グラフのスタート時点、つまり2000年の時点ですでに、少なくとも2割強、イタリアやイギリスではすでに8割近い普及率を示している。上昇傾向は各国でさほど大きな違いは無く、先行する形を見せているイタリア・ドイツ・イギリスでは2007年から2008年で早くも頭打ち、上昇率の鈍化を示している。SIMカードの使われ方でやや違いを見せるが、この3国では携帯電話はほぼ飽和したようにも見える。特にイギリスでは2009年以降ほぼ横ばいを維持している。

一方、フランス・日本などは、引き続き上昇傾向を維持している。この2国は1枚目のグラフにもある通り、他国と比べてやや大きめな上昇率が2011年から2012年にかけて確認できるが、これはスマートフォンの飛躍によるところが大きい。さらに若年層への普及加速化、そしてシニア層へ携帯電話が浸透し始めたのも一因だろう(特に日本では2012年から2013念でも引き続き高い上昇が見られる)。イタリアのようなSIMカードの多用スタイルはほとんど無いため、同国のような高い値を示すことは考えにくいが、上昇はまだしばらく続くものと考えられる。

日本やアメリカなどでは、どの程度の値が天井値となるのか。そしてその域に達した場合、携帯電話を中心に据えた社会情勢と人々のライフスタイルはいかなる変化を見せるのか。すでに消費性向に大きな変化をもたらしていることから、注目が集まる話には違いない。この数年の動向を注意深く見守りたいところだ。


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