晴れ間が見える日もあれど梅雨らしい日が多く…熱中症による搬送者数は1週間で450人(2015年6月29日-7月5日)

2015/07/07 11:00

総務省消防庁は2015年7月7日、同年6月29日から7月5日の一週間における熱中症搬送人数が450人(速報値)であることを発表した。前回週の715人(速報値)と比べると265人の減少となった。また今年の熱中症による搬送人数は、消防庁が今年カウントを始めた4月27日以降における累計人数としては6511人(速報値、一部確定値による累積)に達している。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では1人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は4人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)

今夏の電力事情に関して政府発表を元に精査した記事【「今年も数値目標なし」…2015年夏の節電要請内容正式発表】などで解説の通り、今年夏も昨年同様、法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請は発せられることなく、数字目標無しの節電要請に留まることとなった。しかし震災から4年が過ぎた今なお、電力需給の観点で安寧出来ない状況にあることに違いはない。さらに気象庁の最新の中期予報では、7月から8月にかけては雨が平年よりは多くなるとの予想が出されているが、6月は気温が高めに推移する可能性が高いと予想され、熱中症への懸念も大きなものがあった。また昨年は気温の上昇が早めに起き、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認された。

そこで消防庁では【消防庁の熱中症搬送患者情報、今年は5月からだそうです】にある通り、昨年までは熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について5月中旬以降に開始していたものを、今年は4月末から開始し、逐次報告を行うことになった。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内

今回発表された各種値は今年の分としては第10週目のものとなる。過去に発表された速報値も少しずつ確定値に切り替えられており、いくぶんの増加が確認されている。

今回計測週では週の半ばに晴れ間が見える日もあったが、大よそ梅雨前線が日本を覆う形となり、時には激しい雨による冠水が発生する地域すら見受けられた。また雨が本格的に降らなくとも気温は低いままで推移し、突発的な大雨が襲う事例もあり、傘が手放せない日々が続くこととなった。すでに梅雨明け宣言名が出されている沖縄では相変わらず真夏日(最高気温が30度以上の日)が続いているが、それ以外の地域では比較的過ごしやすい一週間だった。東京・大阪いずれにおいても、今回週では真夏日は観測されていない。

地域別では真夏日が続く沖縄が群を抜く形で54人、続いて愛知の26人、大阪府の24人などが続いている。やはり梅雨空模様が熱中症の発生を抑えた感はある。

↑ 東京都の最高気温と天候(2015年6月29日-7月5日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2015年6月29日-7月5日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年6月29日-7月5日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年6月29日-7月5日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年6月29日-7月5日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年6月29日-7月5日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも早くから今年向けの情報提供を開始しているところも確認できる(【今から熱中症対策をしましょう!(京都府京田辺市、2015年4月30日付け)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、5月13日から開始している。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト
↑ 環境省熱中症予防情報サイト

今回発表されたリリースでは日付を合わせる形で同年同時期の搬送者数を参考値として提示しているが、それによると昨年の同時期における搬送者数(確定値)は1031人。今年は速報値で比較するとそれより581人少なく、半数以下に抑えられたこととなる。都道府県別の動向を見るに、佐賀などごく一部の地域で前年を上回る値が計上されているが、それ以外は押し並べて少なく、特に愛知や沖縄など、昨年多数を示した地域での減少ぶりが目立つ。やはり梅雨による雨模様が大きなプラスとなったようだ。もちろん曇りや雨の中でも、水分の十分な補充をはじめ、十分な注意が必要なことに違いは無い。

電力需給の観点では結局昨年の状況から進歩がほとんど見られないのが残念な話ではある。ちまたで電力不足が騒がれ、また電気代の高騰が続くと、高齢者を中心に冷房機器の利用を避ける心理が働き、熱中症のリスクは上乗せされることは容易に想像が出来る(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もある)。せめてそれ以外の点で昨年よりも熱中症による救急搬送者が減るよう、各自最善を尽くしたいものだ。


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