厳しさ募る「子供が居る世帯」の生活感…児童あり世帯の生活意識の変化をグラフ化してみる(2014年)

2014/07/24 11:00

先に【生活意識の変化をグラフ化してみる(最新)】で、厚生労働省が毎年実施、その結果を発表している【国民生活基礎調査】の公開値をベースとして、「生活意識の状況」の変化のグラフ化を行い状況を精査した。今項目では「全体値」の他に「高齢者世帯」「児童のいる世帯」などに限定した公開値もあり、こちらも経年動向を取得できる。そこで今回は「児童のいる世帯」に焦点を当てて、生活意識の動きを見ていくことにする。

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今調査の調査要件及び注意事項は、「国民生活基礎調査」に関する先行記事の【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる(2013年発表版)(最新)】で解説済み。詳細はそちらを参考にしてほしい。今回対象とする「生活意識の状況」は毎年調査が行われており、経年変化を確認できる。

この項目は生活意識について「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」「たいへんゆとりがある」の5つの選択肢から、もっとも自世帯に当てはまるものを1つ選んでもらっている。対象となる世帯は「児童のいる世帯(児童:18歳未満の、未婚の人)」。その回答を集計したのが次のグラフ。

なお「児童のいる世帯」のデータ収録は2000年以降。全体構成比の変化イメージの他に、個々項目の動きを把握しやすいよう、折れ線グラフも併記する。

↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、2000-2013年)(構成比棒グラフ)(児童のいる世帯)
↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、2000-2013年)(構成比棒グラフ)(児童のいる世帯)

↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、2000-2013年)(折れ線グラフ)(児童のいる世帯)
↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、2000-2013年)(折れ線グラフ)(児童のいる世帯)

年代の経過と共に「苦しい派」が増加するのは「全体値」での動向と同じだが、大本の値が厳しい状態にあり、2010年には「大変苦しい」が「普通」を超える現象が起きてしまっている。これは「全体」「高齢者世帯」には無かった動きであり、特にこのクロスを起こす直接の原因となった2010年以降の「大変苦しい」の増加が目に留まる。

さらに2011年には「大変苦しい」が「やや苦しい」ですら超えて、5選択肢の中で最大の値を示してしまっている。これは多分に景気の悪化に加えて、同年3月に発生した東日本大地震・震災による心理的影響が大きいと考えられる。その分、2012年はややリバウンドが起きたからか、「大変苦しい」はいくぶん減少し「普通」が大幅増加、わずかだが「普通」の方が多い形となった。もっとも2013年は再び増加し、「大変苦しい」が「普通」を超える結果となってしまっている。

この状況を分かりやすくするため、「全体」「児童のいる世帯」「高齢者世帯」共に「大変苦しい」「やや苦しい」を合わせた値の動きを見たのが次のグラフ。

↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、1991-2013年)(「大変苦しい」+「やや苦しい」の推移、全体と高齢者世帯と児童のいる世帯)
↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、1991-2013年)(「大変苦しい」+「やや苦しい」の推移、全体と高齢者世帯と児童のいる世帯)

「児童のいる世帯」分のデータ開示が始まった2000年当時は「全体値」と変わらない値を示していたものの、あとは一貫して全体よりも高い値(=生活が苦しいとの意見が多い)を示している。さらに一時期は差異を縮小する動きもあったが、この2、3年では逆に開く傾向を見せているのが気になるところ。

震災年で大きく開き、その翌年にやや縮小する動きを見ると、経済が悪化する度合いが大きくなるほど、「児童のいる世帯」に対する(心理的)負担が大きくなると見るべきかもしれない。



今件データは「世帯が調査日時点における、暮らしの状況を総合的にみてどのように感じているかの意識」を選択肢から選んでもらったもの。回答者一人一人の主観によるところも大きい。例えばエンゲル係数や可処分所得の推移のような具体的な数字の変化を記したものでは無く、心理的動向に左右される面が大きいことを留意しておく必要がある。また調査日「時点」であることから、特異な事象が生じた直後の場合は、その年平均の心理状況では無く、その事象に大きく左右される可能性も多分にある。

その上で、「児童のいる世帯」においては全体平均と比べ、生活の切迫感では緊張感が続いている、余裕が少ない生活を強いられているとの状況については、覚えておいて損はない。


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