約6割が「厳しい」意識…生活意識の変化をグラフ化してみる(2014年)

2014/07/23 14:00

厚生労働省は2014年7月15日に同省公式サイト上で、平成25年度版(2013年度版)となる「国民生活基礎調査の概況」を発表した。今調査は国民生活の基本事項を調査し、各行政の企画や運用に必要な資料を収集する目的で行われているが、多彩な方面から日本の社会生活の実情を確認することができるものとなっている。今回はその中から「生活の苦しさ・ゆとりさの意識」に関して尋ねた結果をまとめ、生活感についての現状と過去からの推移を精査する(【発表ページ:平成25年 国民生活基礎調査の概況】)。

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今調査の調査要件及び注意事項は、今調査に関する先行記事の【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる】で解説しているので、そちらを参照してほしい。

今回対象とする「生活意識の状況」は「国民生活基礎調査の概況」内で毎年調査が行われている。これは生活意識について「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」「たいへんゆとりがある」の5選択肢から1つを選んでもらい、その回答を集計したの。その経年変化を記したのが次のグラフ。全体構成比の変化の他に、個々の項目の動きを把握しやすいよう、各項目毎の動向を記した折れ線グラフも併記する。


↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、1991-2013年)(構成比棒グラフ)


↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、1991-2013年)(折れ線グラフ)

景気動向による「ぶれ」は幾分あるものの、中長期的に見ると一貫して「大変苦しい」単独、そしてそれと「やや苦しい」を合わせた「苦しい派」(赤系統着色部分)が増加している。1993年の大幅増加はイレギュラー的な感が強いが、それ以外は2009年まで漸増、それ以降はやや大きな増加率を示しているのが確認できる。特に「大変苦しい」の回答者率がこの数年で大きく増えたのが目に留まる。同時に「ややゆとりがある」がわずかだが減っているのも分かる。

これが2007年夏以降に具象化した金融危機(サブプライムローンショックやリーマンショック)によるものか、あるいは失策によるものかまでは、今件調査結果だけでは判断できない。また2011年に大きく動いた「苦しい派」が2012年に多少なりとも戻しているのは、2011年における震災の影響と、その反動によるものと考えられる。ただしその反動と思われた動きが直近の2013年まで続き、「大変苦しい」単独と「苦しい派」の値が2年連続で減少していることは注目に値する。

いずれにせよ現実問題として、「いわゆる『一億総中流意識』はすでに過去のもの」「生活に苦しさを覚える人は増加中」「この数年間で大きく『苦しい』と判断する人は増え、ほぼ6割」との結果には違いない。この現状は覚えておくべき。「中流意識は遠くになりにけり」である。



やや余談ではあるが、2013年における世帯状況別の割合は次の通り。前年からの比較をするため、2012年の値も併記しておく。なおグラフ中にも注釈があるが、2012年における「母子世帯」の値は回答数が86件と少ないため参考値としての扱いとなる(。そのためか概要報告書には記載が無く、総務省統計局のe-Statから直にデータを抽出した上で算出している)。

↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、2012年)(世帯状況別)
↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、2012年)(世帯状況別)

↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、2013年)(世帯状況別)
↑ 生活意識別世帯数の構成割合の年次推移(国民生活基礎調査、2013年)(世帯状況別)

全体値同様各属性でも「大変苦しい」が「やや苦しい」に少々シフトし、「ゆとり派」がわずかだが増えた感はある。一方で生活のゆとりという観点では高齢者の方がやや気楽、子供がいる世帯では一層の厳しさを覚えている。そして母子世帯の生活感の苦しさは注目に値する。あくまでも回答者の心理的な部分が多分にあるとはいえ、下2項目の属性における傾向には、大いに留意を払い、状況改善の施策を求めるべきだろう。


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