チャイルドシート装着率61.9%、正しい締め方・固定方法は啓蒙不足気味

2014/06/12 14:00

日本自動車連盟(JAF)は2014年6月11日、警察庁と共同で行ったチャイルドシートの使用状況や取り付け方状況などの調査結果の結果要旨を発表した。それによると2014年における「使用義務がある6歳未満の子供がいる状況(運転中)」におけるチャイルドシートの装着率は61.9%となり、前年の同様調査から1.7%ポイント改善したことが分かった。ただし子供の年齢が上がるに連れて装着率は低下しており、5歳児では4割弱の結果となっている。またチャイルドシートそのものの車両シートへの取り付け方、ベルトの締め方においても、問題となる事例が多数見受けられたことが報告されている(【発表リリース:チャイルドシートの使用率は61.9% 調査開始以来最高の使用率となるものの、子どもの年齢が高くなるにつれて使用率が低下する傾向は変わらず】)。

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直近では61.9%、漸増するチャイルドシート装着率


今調査は使用状況調査・取り付け状況調査・着座状況調査の3通り行われており、使用状況調査は2014年4月20日から30日にかけて、自動車に乗車している6歳未満の子供を対象に全国100か所で行われたもので、有効回答車両数は1万0622台・対象人数は1万2928人。なお本調査では乳児用シート、幼児用シート、学童用シートを総称してチャイルドシートと呼んでいる。また、冒頭やリリース内にもある通り、道路交通法では6歳未満の子供の乗車に際しては、原則としてチャイルドシートの使用が義務付けられている。

まずはチャイルドシートの利用率だが、多少の上下を繰り返しながら、全般的には改善される方向にある。

↑ チャイルドシート使用率推移
↑ チャイルドシート使用率推移

チャイルドシートの装着は発生時における子供のリスク軽減の前提条件となるため、数字の増加は好ましい状況と考えてよい(無論後述する通り、単につけていればよいというものでもない)。2013年には初めて6割を超え、直近の2014年ではそれにさらに上乗せされている。とはいえ、まだ4割近くが未装着な状況にあるのも事実である。

過去4年間における子供の年齢別の使用率を見たのが次のグラフ。

↑ 子供の年齢階層別チャイルドシート使用率
↑ 子供の年齢階層別チャイルドシート使用率

一部イレギュラーな動きもあるが、概してどの年齢区分でも年々上昇していることが確認できる。一方、子供の年齢が上になるほど装着率が落ちる傾向に変わりは無い。子供が窮屈がることや、シートの買い替えが面倒なことなどの事由もあるが、リスクを考えればあまり好ましいとはいえない。特に5歳において装着率が4割程度でしかないのが目に留まる。

チャイルドシート未着用時、どんな状況?


チャイルドシートを付けていない場合、子供はどのような状況だったのか。それが分かるのが次のグラフ。

↑ チャイルドシート使用状況(2014年)
↑ チャイルドシート使用状況(2014年)

一番装着率の低い5歳児だが、大人用のシートベルトを着用している事例が2割強確認できる。子供によっては5歳児でもかなり大きくなり、大人のベルトでも問題ないと判断したのだろう。また、車両のシートに座らせてベルトをさせていない事例も1/3強ほどおり、直上の事例「子供が嫌がる」「シート買い替えをしていない」の推測が正しいことが確認できる(なお道交法第71条の3第2項によれば「『適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有する幼児』はチャイルドシート使用の義務を免除される」(当然その場合、大人用のシートベルトの着用が義務付けられる)とあるため、今件のうち「大人用ベルト着用」は適切である可能性も多分にある)。

一方で1歳未満では「保護者の抱っこ」が1割強いるのが目に留まる。これもまた子供がぐずる場合を考えると「仕方ないかも」と思う面もある。しかし事故時のリスクはシートベルト未着用と変わらないことから、お勧めはできない(。法令上、原則的には認められない。但し特例もいくつかあり、例えば授乳やおむつの交換の時は道路交通法施行令第26条の3の2第3項第5号により、チャイルドシートの使用は免除される)。

単に装着していれば良いというものでもなく


さて上記で「単につけていればよいというものでもないが」としたが、これは「正しいチャイルドシートの固定の仕方をしているか」「正しいベルトのしめ方・着座方法をしているか」を意味する。そこで「シートそのものの固定が正しく行われているか」「シートの座り方は間違っていないか」について確認した結果が次のグラフ。

↑ チャイルドシートそのものの取りつけと、シートでの着座状況(2014年)
↑ チャイルドシートそのものの取りつけと、シートでの着座状況(2014年)

チャイルドシートの取り付け状況においては、過半数が「問題あり」判定となっている。リリースにはその詳細があるが、「問題あり」の7割程度が「腰ベルトの締め付け不足」という結果が出ている。次いで多いのは「座席ベルトの通し方」。いずれも業者に確認、調整をしてもらえば容易に改善は可能。

シートでの着座状況は種類によって違いが見える。乳・幼児用では「ハーネスの高さ調整」「ハーネスの締め付け不適正」「ハーネスのよじれなど」が多いのに対し、学童用では「肩・腰ベルトの通し方間違い」「体格不適格」などが上位に連なっている。体格不適格の場合は大人用のものを使うなりすれば良い。ベルトの通し方のミスなら正しい通し方を学んで実践してもらうことで、リスクを減らせることになる。

いずれにせよ、シートベルト同様にチャイルドシートもまた、法律上装着が義務付けられているのと同時に、「万が一」の際のリスクを確実に減らす安全策の一つ。「事故が起きるはずが無い」という確信が事実である保証などどこにもない。「後で悔やむ」の言葉通り後悔する場面に遭遇しないよう、正しい設置と装着を心がけて欲しいものだ。


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