核家族世帯と三世代、そして単独世帯それぞれで大きく異なる世帯所得…世帯構成の世代別・平均世帯所得金額をグラフ化してみる(最新)

2018/08/14 04:45

2018-0804厚生労働省が2018年7月20日に発表した平成29年版(2017年版)の「国民生活基礎調査の概況」によると、2016年時点における全世帯の平均世帯所得は560.2万円とのこと。この金額は世帯構成や各世帯の事情によって大きな違いを見せる。例えば三世代世帯で稼ぎ頭が複数いれば世帯所得は大きく増え、単身世帯で年金暮らし・財産所得も無ければ世帯所得は小さなものとなる。そこで今回は、世帯における世代構成による、平均世帯所得の違いを見ていくことにする(【発表ページ:平成29年 国民生活基礎調査の概況】)。

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今調査の調査要件および注意事項は、先行記事の【平均世帯人数と世帯数の推移をグラフ化してみる】で解説しているので、そちらを参照のこと。

次に示すのは、最新値となる2016年分(今調査最新分は2017年に実施されているため、1年を通した所得=年収が確認できるのは2016年分となる)における、世帯の世代構成別の平均世帯所得。全世帯とは【世帯あたりの平均所得金額推移をグラフ化してみる】でも取り上げている、今調査の調査対象母集団全世帯における平均。単独世帯とは単身世帯、一人身世帯のこと。核家族世帯とは親とその子供が基本となる世代構成。ただし子供がいない夫婦のみの世帯も該当する(グラフ中で用いている表現「二世代」と区分するにはやや難があるが、利便上こちらに仕切り分けする)。そして三世代世帯とは祖父母・親・子供がいる世帯。

↑ 世帯構成・世代別平均世帯所得(万円)(2016年)
↑ 世帯構成・世代別平均世帯所得(万円)(2016年)

まず目に留まるのは単独世帯の世帯所得の低さ。構成人数が一人のみでは稼ぎ頭が一人しかおらず、さらに昨今では定年退職を迎え年金のみで暮らしている人における単独世帯も増加しており、平均額を押し下げる形となっている。全体では大よそ290万円、男性は360万円、女性は240万円近く。

これが二世代=核家族世帯全体となると、平均額が618.5万円にまで上昇する。勤労世帯が多いことに加え、共働き世帯も多分に加わることが影響している。また夫婦のみの世帯と比べると、子供が加わった世帯の方が額面は上になるが、これは養育費がかさむために共働きをする世帯が多くなる結果によるものと考えられる。

一方、母子世帯や父子世帯などが該当する「ひとり親と未婚の子のみの世帯」の世帯所得は422.9万円。就業者が基本的に一人に限定されるため、所得も限られたものとなってしまう。逆に三世代世帯は就業者、あるいは所得を有する人が三世代にわたる可能性が多分に出てくるため(例えば祖父母が年金所得、親と子供がそれぞれ就労している)、世帯としての所得は大きく跳ねる形となる。

これをデータが取得できる1985年分からの推移で見たのが次のグラフ。項目が多いので、一世代世帯と二世代以上世帯に分けている。縦軸の仕切り分けが異なることに注意。

↑ 世帯構成・世代別平均世帯所得(万円)(一世代)
↑ 世帯構成・世代別平均世帯所得(万円)(一世代)

↑ 世帯構成世代別平均世帯所得(万円)(二世代・三世代)
↑ 世帯構成世代別平均世帯所得(万円)(二世代・三世代)

まずは一世代世帯の世帯。当然ながら全世帯と比べてかけ離れた低い額しか得られていない。そして全年で男性の方が女性より高い値を示しているが、差は少しずつ縮まっている。最大で200万円近い差があったのが、直近2016年では122.4万円に留まっている。

また、全世帯では前世紀末から漸減の動きがあるが、一世代世帯に限ればほぼ横ばい、下げても微弱な額に留まっている。全体は世帯単位での所得のため、世帯構成世代数の減少が大きく影響していることが分かる。さらに単独世帯の男性では2015年以降、女性は直近の2016年において大きく上昇しているのが確認できる。

二世代・三世代世帯も大よそ前世紀末、バブル景気の崩壊後あたりをピークとして、今世紀初頭にわたって下げ、それ以降はほぼ横ばいの動きを示している。ただし上昇の気配は無く、三世代世帯や夫婦と未婚の子のみの世帯ではじわりと下げる雰囲気すらあった。他方ここ数年に限れば、底を打ち、緩やかな上昇の気配を示している。特に三世代世帯でその動きが著しい。

他方、各世代構成毎の世帯所得の立ち位置に変化は無い。母子世帯・父子世帯に該当する「ひとり親と未婚の子のみの世帯」の所得が、厳しい状態にあることに変わりはあるまい。


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