天候崩れてやや少なめ…熱中症による搬送者数は1週間で693人(2015年6月22日-6月28日)

2015/06/30 11:00

総務省消防庁は2015年6月30日、同年6月22日から6月28日の一週間における熱中症搬送人数が693人(速報値)であることを発表した。前回週の698人(速報値)と比べると5人の減少となった。また今年の熱中症による搬送人数は、消防庁が今年カウントを始めた4月27日以降における累計人数としては6018人(速報値、一部確定値による累積)に達している。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では幸いにもゼロだったが、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は12人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値(一部確定値)・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2015年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2015年)

今夏の電力事情に関して政府発表を元に精査した記事【「今年も数値目標なし」…2015年夏の節電要請内容正式発表】などで解説の通り、今年夏も昨年同様、法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請は発せられることなく、数字目標無しの節電要請に留まることとなった。しかし震災から4年が過ぎた今なお、電力需給の観点で安寧出来ない状況にあることに違いはない。さらに気象庁の最新の中期予報では、7月から8月にかけては雨が平年よりは多くなるとの予想が出されているが、6月は気温が高めに推移する可能性が高いと予想され、熱中症への懸念も増大している。また昨年は気温の上昇が早めに起き、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認された。

そこで消防庁では【消防庁の熱中症搬送患者情報、今年は5月からだそうです】にある通り、昨年までは熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について5月中旬以降に開始していたものを、今年は4月末から開始し、逐次報告を行うことになった。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する前倒しの案内

今回発表された各種値は今年の分としては第9週目のものとなる。過去に発表された速報値も少しずつ確定値に切り替えられており、いくぶんの増加が確認されている。

今回計測週では26日に東北南部、27日には東北北部でも梅雨入りとなり、これで北海道を除く全地域で梅雨入りとなった。一方で沖縄ではすでに6月11日の時点で梅雨明けが宣言されており、以降早くも暑い日々が続いている。気象庁の3か月予報でも6月は沖縄・奄美地方での高温が予想されており、それに違わぬ状況が続いている。実際、熱中症による搬送者の数でもここ数週間は沖縄県が最上位を示し続けている。

地域別では沖縄の71人を筆頭に、東京の57人、埼玉の45人、愛知の42人、神奈川の40人が続いている。今回週は概して前線の発達に伴い天候は崩れがちだったが、回復を示す日も見られ、また曇り空の中でも高い気温を示す日もあった。東京では1日、大阪では2日の真夏日(30度以上を記録した日)が確認できる。なお沖縄では7日すべてが真夏日を観測しており、沖縄気象台でもたびたび警戒・気象情報を発している。これが熱中症搬送者を底上げしたものと見て間違いない。

↑ 東京都の最高気温と天候(2015年6月22日-6月28日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2015年6月22日-6月28日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年6月22日-6月28日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2015年6月22日-6月28日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年6月22日-6月28日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2015年6月22日-6月28日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも早くから今年向けの情報提供を開始しているところも確認できる(【今から熱中症対策をしましょう!(京都府京田辺市、2015年4月30日付け)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、5月13日から開始している。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト
↑ 環境省熱中症予防情報サイト

今回発表されたリリースでは日付を合わせる形で同年同時期の搬送者数を参考値として提示しているが、それによると昨年の同時期における搬送者数(確定値)は788人。今年は速報値で比較するとそれより95人少ないことになる。都道府県別の動向を見るに、埼玉や東京、千葉、神奈川など関東地区では前年から大幅に増えているが、それ以外の地域では大よそ減少しており、関東以外の天候の悪さが熱中症発生の点ではプラスに作用したことがうかがえる。もっとも、全国的な梅雨模様の最中でも十分な注意が必要なことに違いは無い。

電力需給の観点では結局昨年の状況から進歩がほとんど見られないのが残念な話ではある。ちまたで電力不足が騒がれ、また電気代の高騰が続くと、高齢者を中心に冷房機器の利用を避ける心理が働き、熱中症のリスクは上乗せされることは容易に想像が出来る(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もある)。せめてそれ以外の点で昨年よりも熱中症による救急搬送者が減るよう、各自最善を尽くしたいものだ。


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