世帯平均年収は約537万円…世帯当たりの平均所得金額推移をグラフ化してみる(2014年)

2014/07/22 08:00

厚生労働省は2014年7月15日に、平成25年度版(2013年度版)の「国民生活基礎調査の概況」を発表した。この調査は国民生活の基本事項を調べ、各行政の企画や運用に必要な資料を収集する目的で行われているが、日本における市民生活の実情を把握できる多彩なデータが盛り込まれている。今回はその中から「世帯単位での平均所得金額」を確認し、その動向について精査していくことにする(【発表ページ:平成25年 国民生活基礎調査の概況】)。

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今調査の調査要件及び注意事項は、先行記事の【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる】で解説しているので、そちらを参照のこと。

早速だが次のグラフは、2013年における世帯年収の平均額推移を示した図。全世帯の他に、高齢者世帯(65歳以上の人のみ、あるいはそれに18歳未満の未婚の人が加わったもの。例えば高齢世帯に18歳以上の人が加わり、稼ぎ頭が居そうな世帯は該当しない)、児童あり世帯(18歳未満の未婚の人がいる世帯)別の動向もまとめてグラフに盛り込んでいる。なお今件の直近分は2013年に調査が行われており、その値は2012年分の回答であることに注意。

↑ 1世帯あたり平均所得金額(万円)(世帯構造別)(-2012年分)
↑ 1世帯あたり平均所得金額(万円)(世帯構造別)(-2012年分)

直近では全世帯平均の所得金額(世帯全体の金額。年金や保険も含む)は537万2000円。児童がいる世帯では働き盛りの世帯主がいる場合が多く、配偶者もパートなどで家計を支えている事例が容易に想定されることもあり、平均所得は高めに推移しており、2012年では673万2000円となる。一方高齢者世帯では年金による所得が多分を占め(平均で所得の68.5%)、300万円をわずかに上回る程度となっている。

また経年による変化を見ると、取得可能なデータの期間では20世紀末に最大額を記録し、あとは漸減。2012年における全世帯の537万2000円は、2年前の2010年における538万0000円、そして1988年の545万3000円と大よそ同じ額となる。

なお【過去60年余にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる】でも示した通り、この20年間は消費者物価指数に大きな変動は無く、額面を修正して実態を考察する必要はない(そのままの額面で受け止めて問題は無い)。つまり額面通り、生活は少しずつ厳しさを増していると考えて良い。

↑ 消費者物価指数推移(1991年-2014年)(1991年の値を1.00とした時、持家の帰属家賃を除く総合)(東京都区部)(2014年は4月までの平均値)(再録)
↑ 消費者物価指数推移(1991年-2014年)(1991年の値を1.00とした時、持家の帰属家賃を除く総合)(東京都区部)(2014年は4月までの平均値)(再録)

直近の2012年分について、額面区分別構成世帯率は次の通り。平均額は537万円だが中央値は432万円。平均値以下に多くの世帯が収まっているのが見て取れる。平均所得金額以下の世帯比率は6割を超えていることも、低所得世帯数の多さ、高所得層によって平均所得がかさ上げされているようすが把握できる。

↑ 所得金額階級別・世帯数相対度数分布(2012年分・2013年調査)
↑ 所得金額階級別・世帯数相対度数分布(2012年分・2013年調査)

世帯平均年収は他の調査でもいくつか値が出ているが、今「国民生活基礎調査の概況」で精査を行う場合は、平均額だけでなく中央値も併用することが望まれる。単純に平均所得だけで勘案すると、世間全体としての実情からのずれが生じかねないからである。


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