1000万世帯を超えなお増加中…共働き世帯の増え方をグラフ化してみる(2014年)

2014/07/23 08:00

厚生労働省は2014年7月15日に同省公式サイト及び総務省統計局のデータベースe-Statにおいて、平成25年度版(2013年版)の「国民生活基礎調査の概況」を発表した。今件調査は国民生活の基本事項を調査し、各行政の企画や運用に必要な資料を収集する目的で行われているもので、日本の社会環境の概要を把握できるデータが数多く盛り込まれている。今回はその中などから「共働き世帯の増減」などについて確認をしていくことにする。日本では核家族化の進行と消費性向や可処分所得の変化に伴い、共働きはごく普通のライフスタイルとなりつつあるが、現状ではどこまで浸透しているのだろうか(【発表ページ:平成25年 国民生活基礎調査の概況】)。

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共働き世帯数は1000万を超えさらに増加中


今調査の調査要件及び注意事項は、今調査に関する先行記事【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

子供が居る世帯における母親の就労状況は【末子の年齢別「仕事ありの母親の割合」をグラフ化してみる】にある通り。しかし子供が居ない世帯でも共働きをしている場合は良くあるパターンで、その記事で解説されている内容だけでは、共働き全体の現状を把握することはできない。

そこで【男女共同参画白書】の最新版(2014年6月発行分)を確認し、「全体版」の第1-2-8図「共働き等世帯数の推移」から該当するデータを抽出。過去のデータと照らし合わせて整合性を確認した上で、2013年分を反映させたのが次のグラフ。直近の動向が分かりやすいよう、21世紀以降のもののみのグラフも併記した。なお2010-2011年はグラフ中特記にある通り、2011年の東日本大地震・震災における被災三県を除外して計算している(2010年まで三県除外措置をしているのは、前年比を把握しやすくするため)。

↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)(-2013年)
↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)(-2013年)

↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)(2001年-2013年)
↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)(2001年-2013年)

なおグラフ中の項目で「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」とは「夫が非農林雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口か完全失業者)」、「雇用者の共働き世帯」とは「夫婦ともに非農林業雇用者の世帯」を意味する。つまり今件では「単身世帯」「夫婦ともに非雇用世帯(年金生活者など)」「世帯主が事業者(経営者や個人事業、商店主など)」「農林業従事者世帯(農業で生活している人など)」などは含まれない。

今件データの対象となる「夫が勤め人、妻が専業主婦」世帯と「夫も妻も勤め人」という共働き世帯数の推移としては、「夫が勤め人、妻が専業主婦」世帯が1990年まで漸減、それ以降はしばらく横ばい。しかし2000年以降は再び漸減の傾向にある。一方で「共働き世帯」は1990年まで漸増、それ以降は横ばい。しかし2005年あたりから再び増加に転じつつある(厳密には金融危機ぼっ発以降は漸減、震災の年から増加に転じている。

両項目の関係で見ると、1990年から2000年の間はほぼ同数で推移しているが、2000年以降は1990年以前と比べて逆転現象が起き、「共働き世帯数>>夫が勤め人・妻が専業主婦世帯」という構図が維持されている。しかも両項目の差は年々広がる傾向にある。これは夫の可処分所得の減少を妻がパートで補う、妻が働きやすい非正規雇用の仕組みが整備された(あるいは店舗側による需要が増えた)ことなどを起因とする。

視点を変えて、全世帯に占める割合を計算してみる


別記事にある通り、世帯数そのものは世帯構成人数の減少に伴い増加傾向にある。そこで単純に共働き世帯数の推移だけでなく、「全世帯に占める割合」も算出し、グラフ化する。

つまり上記ではグラフ生成時に該当しなかった世帯、「単身世帯」「夫婦ともに非雇用世帯(年金生活者など)」「世帯主が事業者(経営者や個人事業、商店主など)」「農林業従事者世帯(農業で生活している人など)」などを合わせた全世帯数に対し、「共働き世帯」などが占める割合、その変移をグラフにする。世帯数そのものは「国民生活基礎調査の概況」から容易に取得できるため、これを用い、比率計算を行う。

↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移(-2013年)
↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移(-2013年)

↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移(2001年-2013年)
↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移(2001年-2013年)

「就労夫に専業主婦」の割合が年々減少している(約30年で半減近く)のはともかくとして、「全世帯数に占める共働き世帯の占める割合」は1990年以降ほぼ横ばいを維持しているという、意外な結果が確認できる。

これは【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】でも触れたように、そして上記でも解説している通り、年金生活者や単身生活者の増加により、日本の世帯数そのものが増加現象にあるので、(共働き世帯数そのものが増加していても)全体に占める比率としては一定率が維持されたままになるという仕組みである。

なお直近2013年では「就労夫に専業主婦」「共働き」共に世帯全体比率は減少している。これは最初のグラフにある通り、後者はともあれ前者は世帯数そのものは増加しているものの、世帯全体数がそれ以上に増加したからに他ならない。特に単身世帯(とりわけ65歳以上のシニア層)が増加したため、全体比の値が落ちた次第である。

共働き世帯数の全世帯数比率がほぼ2割を維持」し続けている理由については、納得のいく説明が見つからない。裏付けとなる社会的規範・法令の変化があれば良いのだが、それも見当たらない。不思議な現象だが、社会構造学的にこのような均衡がとれるようになっている可能性はある。

見方を変えれば、この比率がさらに上向くようなら、社会全体として大きな変化が生じていることのシグナルととらえるべきだろう。


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