昼食削って衝動買いを抑えて弁当持参して…サラリーマンのこづかい防衛作戦(2014年)

2014/07/01 14:00

多くのサラリーマンにとって小遣いはもっとも身近で、自分自身に大きな直接的影響を与える金銭問題となる。その小遣いが自分の望む額でない場合(大抵の場合願望は満たされることは無く、そして人の欲望は天井知らずである)、多種多様な工夫を凝らし、節約をすることになる。今回は新生銀行が毎年発表している、サラリーマンのお小遣い事情を調査した定点観測の報告書の最新版にあたる「2014年サラリーマンのお小遣い調査」などを元に、サラリーマンにおける小遣いの防衛作戦の実態を見ていくことにする(【発表リリース:サラリーマンのお小遣いは2年ぶりに上昇−「2014年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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節約方法は「昼食代を削る」「衝動買いをひかえる」「弁当持参」


今調査の調査要件などは先行解説記事【2014年のサラリーマンこづかい事情】にある。そちらを確認のこと。

さて今報告書に関する先行記事【サラリーマンこづかい事情】にもある通り、サラリーマンの直近における平均こづかい額は約3万9572円となり、昨年と比べて1000円強のアップとなった。

↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2014年)(再録)
↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2014年)(再録)

個々の金銭感覚や消費実情はそれぞれだが、この額では不足する人も多分にいる。必要経費に近い昼食代、携帯電話代などを差し引くと、自分の自由意思をある程度以上反映できる余剰資金にどれだけ残せるかを考えれば、誰もが納得できるはず。

「お小遣いが足りない、首が回らない」。その際、どのような工夫・節約で「こづかい防衛」を果たしているのだろうか。上位項目について世代別に区分し、グラフ化したのが次の図。全体、そして各世代でも「昼食代(を削る)」がもっとも多く3割近い結果が出た。

↑ こづかい面における自衛策(対処する項目、一部、世代別)(2014年)
↑ こづかい面における自衛策(対処する項目、一部、世代別)(2014年)

具体的には外食のグレードを下げたり、購入弁当では追加の惣菜やデザートをあきらめるというアクションだろうか。哀愁を誘うものがある。特に2014年において小遣い額が世代別でもっとも低い30代で最多回答を占めており、切迫感すら覚える。

続く回答は「衝動買い」。ちょっとしたもののはずみ、勢いに任せてサービスを受けたり商品を購入してしまう行動を、出来るだけセーブするというもの。普段衝動買いの機会が多い人ほど、それをひかえる・止めることで小遣い防衛の効果が出ることを考えれば、若年層ほど高い値が出るのも道理は通る。

「弁当持参」は全体で16.7%。こちらも若年層ほど高い値。中堅層以降で値が低くなる(40代が空白なのは公開値の第5位以内に無いため。少なくとも15.3%未満であることは確か。一方で「水筒持参」が16.0%で第4位に入っている)のは、気恥ずかしさや見栄があるのかもしれない。

「少しでも歩く」は全体で16.3%。若年層が高めだが、中堅層以降でもそれなりの値を示している。駅と自宅の距離がそれなりでもバスなどを使わずに徒歩で通勤、乗車区間=電車賃を節約できるのなら、最寄駅では無く少々離れた駅まで歩いて利用するなどなど。健康増進という観点でもこの選択を行う人も多いことだろう。

節約してても足りない、その時は…


出費がかさむ、あるいは支出したいものがある、しかし節約しただけではどうしても足りない。その場合、どのようにしてその資金をねん出するのか。サラリーマン諸氏におけるもっとも多くの人が同意した回答は、「使わずに我慢」だった。歳を経るほど値が落ちるが、大体7割程度の人が「こつがいが足りない時は我慢して使わない」と答えている。

↑ こづかい不足の際のねん出方法(複数回答)(2014年)
↑ こづかい不足の際のねん出方法(複数回答)(2014年)

後述するが「使わずに我慢」はこの数年増加する傾向にある。こづかい面では「サラリーマン」ならぬ「ガマ(ン)リーマン」的な状況ともいえる。

次いで多いのは「預貯金の取り崩し」「家計からねん出」。不足理由次第だが、一時的な出費、突発事項による不足の場合(例えば友達の結婚式へのお呼ばれ)ならば、それも仕方あるまい。一方で似たような一時的補完の手段として、自前のお金以外からの調達となる「クレカ利用」で、40代が突出して高い値を示しているのが気になるところ。

2013年調査分から項目に加わった「副収入」(ポイントサイト、株式投資、アルバイト、FXやネットオークションなど)は10.4%。ねん出できるという点で、意外に多いものだと関心させられる。これらの手段は必ずしも「収入」が手に入るとは限らないからだ。むしろさらにこづかいが減る可能性も十分にある。

このねん出方法の上位陣、気になる項目につき、経年変化を見たのが次のグラフ(2014年分の「アルバイト」は、「副収入」そのものの回答値とその具体的配分から逆算して値を算出している)。

↑ こづかい不足の際のねん出方法(サラリーマン、上位5位変移、複数回答)(-2014年)
↑ こづかい不足の際のねん出方法(サラリーマン、上位5位変移、複数回答)(-2014年)

「預貯金の取り崩し」「家計からねん出」「クレカ利用」のような、他方面から融通する方法は中期的に減少している。一方で「使わずに我慢」はこの数年大きな上昇を示している。この項目が上昇を始めた2011年は、こづかい額が大きく減少した2010年の翌年にあたり、こづかい実額の大削減を受けて、サラリーマンにおいて心境の大きな変化が生じたことを示している。具体的には「やりくりしてもどうにかなる額ではないので、あきらめよう」というところか。その傾向は直近の2014年でも継続している。

出費上の我慢は浪費を防げるというポジティブな考え方も出来るが、同時にストレスは溜まる。浪費を奨励するわけではないが、7割前後が「足りなかったら我慢する」との状況は、健全か否かについて判断に苦しむレベルである。見方を変えればこの値が、2010年当時の50%台にまで低下すれば、サラリーマンのおこづかい事情も改善の兆しが見えてくる、ところだろうか。あるいはサラリーマンの心情そのものに大きな変化が生じ、この値は上値のまま半固定されてしまうかもしれないが。


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