サラリーマンのゆとり感をおこづかい面から眺めてみる(2014年)

2014/07/01 08:00

心理的な状態の一形態を表す「ゆとり」という言葉は、それに付随する文言により多種多様な意味合いを持つ。物事の考え方、他人とのやりとりにおける精神面、そして金銭勘定の上での余裕のあるなし。今回は新生銀行が毎年定点観測的に調査発表している「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版(2014年6月26日発表)をもとに、お小遣いという観点からサラリーマン諸氏のゆとり感を確認していくことにする(【発表リリース:サラリーマンのお小遣いは2年ぶりに上昇−「2014年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

スポンサードリンク


こづかい面からの生活ゆとり感、若年層がやや余裕あり


今調査の調査要件などは先行解説記事【2014年のサラリーマンこづかい事情】にあるので、そちらを確認のこと。

さて男性サラリーマンの2014年における平均月額こづかい額は3万9572円となり、前年比で1100円ほどの上昇を示したのは、先の記事でお伝えした通り。

↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2014年)
↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2014年)

それではそのおこづかい額で、サラリーマン諸子は「生活のゆとり感」をどの程度感じているのだろうか。「大いにゆとりあり」「まあまあゆとりあり」「やや苦しい」「大変苦しい」の4選択肢から一つ選んでもらい、前者二つを「ゆとり派」、後者二つを「苦しい派」として集計した結果が次のグラフ。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2014年)(「大いにゆとり」「まあまあゆとり」を「ゆとり派」、「やや苦しい」「大変苦しい」を苦しい派)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2014年)(「大いにゆとり」「まあまあゆとり」を「ゆとり派」、「やや苦しい」「大変苦しい」を苦しい派)

おこづかいの額面の上では20代を超えた額の40代や50代が、心理的なゆとりの面では20代より下の値を示している。歳と共に付き合いなどで消費する額も増えるため、その必要額にこづかい額が追いつかず、カツカツ状態にあるものと考えられる。

40代はこの数年に渡り、一連の調査ではこづかい額は一番低い額にあった。2014年は大幅増額がなされ、50代に続き高い額面を見せる結果が出ているが、「ゆとり感」は最低ラインにある。額面は上乗せされても消費しなければならない対象は多く、さらに子供が相応な年頃のため、自分の懐から出費しなければならない事案も多く、精神面でのプレッシャーも大きいのだろう。そして見方を変えれば20代・30代は未婚者が比較論として40代以降と比べれば多く、また住宅を購入していない事例も多々あるため、金額的には40代や50代と比べて少額でも、心理的に余裕があるものと考えられる。

一方で見方を変えれば、どの世代でも押し並べて6割前後は「小遣いが苦しい」との感想を抱いていることになる。上を見渡せばきりがないが、昼食代や遊興費など日々の消費の中で、お財布事情の厳しさを覚え、多分にストレスを感じている人が多数いることになる。

増加していた「ゆとり派」だが…


サラリーマンのこづかいは額面上は横ばい、あるいは漸減しているが、そのこづかい額で生活上のゆとりを感じる人は「中期的には」増えているように見える。
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2014年)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2014年)

こづかいの使い道のトップを行く「昼食代」は「ワンコインランチ」時代が続き、雑誌や新聞などもあまり買わなくなり、スマートフォンなどのモバイル端末で済ますようになる。低消費生活に慣れ、少ないお小遣いの中でもやりくりをしてゆとりを覚えるようになっているのかもしれない。

もっとも直近の2014年に限れば、お小遣い額は漸増したにも関わらず、「ゆとり」を感じる人は前年比で4.1%ポイントも減っている。これが単なる統計上のぶれなのか、それとも心理的な圧迫感を覚える人が増えたのか、単年の動きだけでは判断が難しい。ただし今件調査が4月23日から25日と、消費税率改定から1か月足らずの時点で実施されており、これが心理的な影響を与えた可能性は高い。来年以降の動向に注目したいところだ。

2012年に発表された、過去30年分のデータを収録した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」で確認すると、中期的には「大変苦しい」「大いにゆとり」が漸減し、「まあまあゆとり」が漸増、「やや苦しい」が横ばいの動きを示している。サラリーマンが購入する物品の価格変動ややりくり、ライフスタイルの変化が、「まあまあゆとり」派を増やし、結果としてゆとり派増加の動きを見せているのだろう。

とはいえ全体では未だに「苦しい派」が過半数にあることに違いはない。特に40代以上や既婚者(2013年時点。今回2014年は公開データ無し)の圧迫感が大きいのが気になる。おこづかい以外でもストレスの多い属性なことを考えると、せめて金銭面でもう少し状況の改善を願いたいところではある。

なお今件のデータの上で、2013年から2014年にかけて若年層、具体的には20代から30代の小遣いの上でのゆとり感が大幅に減少していることが確認された。イレギュラー的な動きの可能性もあるため今回は詳しい検証を行わなかったが、2015年分でも引き続きその動きが継続した場合、過去の事例も合わせてスポットライトを当てることにしよう。


■関連記事:
【足りる? 何とかなる?? 足りない!? 年金に対する考え方をグラフ化してみる】
【生活意識は全体と比べややゆとり…高齢者の生活意識の変化をグラフ化してみる】
【自己意識・バブル世代は誠実まじめ、ではゆとり世代は?】
【将来への不安を覚え、安定を求め、「ゆとり」指摘には立腹……いまどきの高校生たち】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー